出典:建築物衛生管理技術者試験令和7年度(2025年)|清掃第134問
問題
排水管の清掃と診断に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1) 高圧洗浄法による排水管の清掃は、10~20 MPaの圧力の水を噴射させて洗浄する。
(2) スネークワイヤを用いるワイヤ式清掃法を排水横管に適用する場合は、長さ25m程度が限界である。
(3) 排水管内の詰まり具合や腐食の状況は、内視鏡や超音波厚さ計等により確認する。
(4) 空気圧洗浄法による排水管の清掃は、0.1MPa程度の空気圧を管内に放出し、その衝撃波で閉塞物を除去する。
(5) 小便器用の排水管に付着した尿石の除去には、酸性洗浄剤を用いる。
ビル管過去問|排水管の清掃点検を解説
排水管の清掃と診断では、清掃方法ごとの特徴、使用する圧力や適用範囲、管内調査に用いる機器、尿石など付着物に応じた洗浄剤の選定が問われます。この問題では、空気圧洗浄法の圧力に関する記述が不適切で、正しい選択肢は(4)です。排水管清掃は現場作業のイメージがしやすい分、数値の違いでひっかけられやすいテーマです。

(1) 高圧洗浄法による排水管の清掃は、10~20 MPaの圧力の水を噴射させて洗浄する。
適切です。高圧洗浄法は、ノズルから高圧水を噴射し、その水圧で排水管内に付着した油脂、汚泥、スケールなどを洗い流す方法です。排水管清掃では、一般に10~20MPa程度の高い圧力を用います。水の力で管内を洗浄するため、比較的広い範囲の汚れに対応しやすく、排水管清掃で代表的な方法として出題されます。
(2) スネークワイヤを用いるワイヤ式清掃法を排水横管に適用する場合は、長さ25m程度が限界である。
適切です。ワイヤ式清掃法は、スネークワイヤを排水管内に挿入し、回転や押し引きによって閉塞物を破砕したり除去したりする方法です。ただし、ワイヤは長くなるほど操作性が低下し、曲がり部分や抵抗の影響も受けやすくなります。そのため、排水横管に適用する場合は、長さ25m程度が限界とされています。
(3) 排水管内の詰まり具合や腐食の状況は、内視鏡や超音波厚さ計等により確認する。
適切です。排水管の診断では、管内の閉塞、付着物、腐食、劣化などを確認する必要があります。内視鏡は管内の状態を目視に近い形で確認でき、超音波厚さ計は管の肉厚を測定して腐食や減肉の程度を調べるために用いられます。清掃だけでなく、診断方法もセットで覚えておくと得点につながります。
(4) 空気圧洗浄法による排水管の清掃は、0.1MPa程度の空気圧を管内に放出し、その衝撃波で閉塞物を除去する。
不適切です。空気圧洗浄法は、圧縮空気を利用して管内に衝撃を与え、閉塞物を除去する方法ですが、0.1MPa程度ではなく、一般に0.5MPa程度の空気圧が用いられます。記述の「衝撃波で閉塞物を除去する」という方向性は正しいため、文章全体がもっともらしく見えます。しかし、数値が誤っているため不適切です。ビル管試験では、このように仕組みは正しいが数値だけが違う選択肢がよく出題されます。
(5) 小便器用の排水管に付着した尿石の除去には、酸性洗浄剤を用いる。
適切です。小便器の排水管には、尿中成分が固着して尿石が生じることがあります。尿石はアルカリ性の性質を示す汚れであるため、酸性洗浄剤によって溶解除去するのが基本です。ただし、酸性洗浄剤は材質への影響や有害ガスの発生に注意が必要であり、現場では換気や取扱いにも配慮します。試験上は、尿石には酸性洗浄剤と覚えておくと判断しやすいです。
この問題で覚えるポイント
排水管清掃では、高圧洗浄法、ワイヤ式清掃法、空気圧洗浄法、薬品洗浄の特徴を区別して覚えることが重要です。高圧洗浄法は10~20MPa程度の高圧水で管内を洗浄する方法です。ワイヤ式清掃法はスネークワイヤを用いて閉塞物を機械的に除去しますが、排水横管では長さ25m程度が限界です。空気圧洗浄法は圧縮空気の衝撃を利用する方法で、空気圧は0.5MPa程度と整理しておきます。排水管の診断では、内視鏡で管内の詰まりや付着物を確認し、超音波厚さ計で管の肉厚や腐食状況を確認します。小便器排水管の尿石には酸性洗浄剤を用いる点も頻出です。清掃方法、使用圧力、適用範囲、診断機器、汚れに応じた洗浄剤をセットで覚えると、同じテーマの問題に対応しやすくなります。
ひっかけポイント
この問題のひっかけは、清掃方法の説明自体は正しく見えるのに、数値だけがずれている点です。空気圧洗浄法は圧縮空気の衝撃で閉塞物を除去するため、仕組みの説明だけを見ると正しいと判断しがちです。しかし、試験では「方法の名称」と「使用する圧力」を正確に結びつけているかが問われます。高圧洗浄法の10~20MPa、空気圧洗浄法の0.5MPa程度という違いを混同すると誤答につながります。また、日常感覚では0.1MPaでも圧力があるように感じますが、専門知識としては清掃方法ごとの標準的な数値を覚えて判断する必要があります。このように、文章の大部分が正しくても、基準値や数値が少し違えば不適切になるパターンは今後も注意が必要です。