問題
排水設備の保守管理の内容とその実施類度との組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。
(1) グリース阻集器の、槽内の底及び壁面に付着したグリースの清掃-1か月に1回
(2) 排水ポンプの絶縁抵抗の測定-3か月に1回
(3) 排水槽の清掃-6か月以内に1回
(4) 排水ポンプのメカニカルシールの交換-1~2年に1回
(5) 通気管の点検-1年に1回
ビル管過去問|排水設備の保守管理を解説
この問題は、排水設備の保守管理における代表的な点検・清掃・交換周期を正しく覚えているかを問う問題です。ビル管では、排水槽の清掃、通気管の点検、排水ポンプの絶縁抵抗測定やメカニカルシール交換、グリース阻集器の清掃頻度が頻出です。正しい選択肢を見抜くポイントは、排水ポンプの絶縁抵抗測定は「1か月に1回」が基準であり、「3か月に1回」とした(2)が不適当であることです。厚生労働省の維持管理資料では、絶縁抵抗の測定は1か月に1回、メカニカルシールの交換は1~2年に1回、通気管の点検は1年に1回、排水槽の清掃は6か月以内ごとに1回とされています。
(1) グリース阻集器の、槽内の底及び壁面に付着したグリースの清掃-1か月に1回
適切です。その理由は、グリース阻集器では、油脂分や汚れが槽内の底や壁面に付着しやすく、そのまま放置すると悪臭、排水不良、害虫発生、管内閉塞などの原因になるためです。グリースそのものが壁面や底部にこびりつく前提で、定期的な除去が必要であり、1か月に1回程度の清掃は保守管理上の標準的な頻度です。グリース阻集器は「油をためる装置」ではなく、「油を分離して早めに除去する装置」であると理解すると覚えやすいです。
(2) 排水ポンプの絶縁抵抗の測定-3か月に1回
不適切です。その理由は、排水ポンプの絶縁抵抗測定は、一般に3か月に1回ではなく、1か月に1回行うのが基準だからです。絶縁抵抗は、モーターや配線の絶縁状態が健全かどうかを確認する重要な点検項目です。ここが低下すると、漏電、感電、故障、運転停止などにつながるおそれがあります。排水ポンプは湿潤な環境で使用されるため、絶縁性能の低下リスクが比較的高く、月1回の確認が求められます。したがって、「3か月に1回」とした記述は頻度が不足しており、不適当です。
(3) 排水槽の清掃-6か月以内に1回
適切です。その理由は、排水槽には汚泥、異物、油脂分などが徐々にたまり、これを放置すると悪臭、腐敗、ポンプの故障、衛生害虫の発生などを招くためです。そのため、排水槽は6か月以内ごとに1回清掃するのが基準的な管理です。排水槽は見えにくい設備ですが、建物衛生に直結する重要設備です。頻度を数字でそのまま覚えるだけでなく、「汚れがたまるから半年以内に必ず清掃」と関連づけておくと忘れにくくなります。
(4) 排水ポンプのメカニカルシールの交換-1~2年に1回
適切です。その理由は、メカニカルシールはポンプ軸まわりから液体が漏れないようにする重要部品であり、摩耗や劣化が進む消耗部品だからです。ここが傷むと漏水やポンプ故障の原因になります。厚生労働省の維持管理資料でも、メカニカルシールの交換は1~2年に1回程度とされています。なお、オイル交換とメカニカルシール本体の交換は別の管理項目です。試験ではこの2つを混同させる出題が多いため、区別して覚えることが大切です。
(5) 通気管の点検-1年に1回
適切です。その理由は、通気管は排水時の圧力変動を緩和し、トラップ封水の破壊を防ぐ役割を持つためです。通気管が詰まったり、末端部の防虫網が閉塞したりすると、排水時に負圧や正圧が適切に逃げず、封水切れや異臭の発生につながります。そのため、系統ごとに異常の有無を1年に1回程度点検することが標準的です。通気管は目立たない設備ですが、排水の流れそのものよりも「臭気防止」に強く関係する設備として押さえておくと理解しやすいです。
この問題で覚えるポイント
排水ポンプの絶縁抵抗測定は1か月に1回です。湿気の多い環境で使う設備なので、漏電や絶縁劣化を早めに発見するため、点検頻度は高めです。
排水ポンプのメカニカルシール交換は1~2年に1回です。オイル交換の頻度とは別なので、混同しないことが重要です。
排水槽の清掃は6か月以内に1回、通気管の点検は1年に1回です。どちらも排水設備の基本頻度としてよく出題されます。
グリース阻集器は、油脂や付着物を放置すると悪臭や閉塞につながるため、定期清掃が重要です。槽内の底や壁面のグリース清掃は1か月に1回が目安です。
ひっかけポイント
絶縁抵抗測定の頻度を3か月や6か月にずらして出すひっかけに注意が必要です。正しくは1か月に1回です。
メカニカルシールの「交換」と「オイル交換」を混同しやすいです。交換は1~2年に1回ですが、オイル交換はもっと短い周期で行います。
グリース阻集器は、トラップの清掃頻度と槽内壁面のグリース清掃頻度が別に問われることがあります。同じ阻集器でも対象部位によって周期が異なる点がひっかけになりやすいです。
数字だけを丸暗記すると混乱しやすいので、何のための管理かをセットで覚えることが大切です。漏電防止なら月1回、臭気防止なら年1回、汚泥除去なら半年以内、消耗部品交換なら1~2年というように整理すると判定しやすくなります。
