出典:建築物衛生管理技術者試験令和7年度(2025年)|清掃第135問
問題
排水設備の保守管理の内容とその実施類度との組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。
(1) グリース阻集器の、槽内の底及び壁面に付着したグリースの清掃-1か月に1回
(2) 排水ポンプの絶縁抵抗の測定-3か月に1回
(3) 排水槽の清掃-6か月以内に1回
(4) 排水ポンプのメカニカルシールの交換-1~2年に1回
(5) 通気管の点検-1年に1回
ビル管過去問|排水設備の保守管理を解説
排水設備の保守管理では、排水槽、排水ポンプ、グリース阻集器、通気管などについて、点検や清掃を適切な頻度で行うことが重要です。この問題では、保守管理の内容と実施頻度の組合せが問われています。正しい選択肢は(2)です。排水ポンプの絶縁抵抗の測定は、1ヶ月に1回程度行う点検項目であり、3か月に1回とする組合せは不適切です。

(1) グリース阻集器の、槽内の底及び壁面に付着したグリースの清掃-1か月に1回
適切です。グリース阻集器は、厨房排水などに含まれる油脂分を分離して、排水管へ流出するのを防ぐ設備です。槽内の底や壁面にはグリースや汚泥が付着しやすく、放置すると悪臭、排水不良、害虫発生、排水管の閉塞につながります。そのため、槽内の底及び壁面に付着したグリースの清掃は、1か月に1回程度行うことが適切です。
(2) 排水ポンプの絶縁抵抗の測定-3か月に1回
不適切です。排水ポンプの絶縁抵抗の測定は、電動機や配線の絶縁状態を確認するための点検です。絶縁不良があると、漏電や感電、機器故障の原因になります。ただし、この測定は一般に1ヶ月に1回程度実施する項目とされています。3か月に1回とする組合せは、通常の保守管理頻度としては適切ではありません。この問題では、この頻度の違いを見抜くことが正答につながります。
(3) 排水槽の清掃-6か月以内に1回
適切です。排水槽には、汚水や雑排水に含まれる汚泥、沈殿物、油脂分などがたまりやすく、清掃を怠ると悪臭や腐敗、害虫の発生、ポンプの故障につながります。そのため、排水槽の清掃は6か月以内に1回行うことが求められます。排水槽は目に見えにくい設備ですが、建築物の衛生環境を維持するうえで非常に重要な管理対象です。
(4) 排水ポンプのメカニカルシールの交換-1~2年に1回
適切です。メカニカルシールは、排水ポンプの軸部分から水が漏れないようにするための部品です。長期間使用すると摩耗や劣化が進み、漏水やポンプ故障の原因になります。そのため、排水ポンプのメカニカルシールは、一般に1~2年に1回程度交換することが適切です。ポンプは排水設備の中心となる機器なので、消耗部品の管理も重要です。
(5) 通気管の点検-1年に1回
適切です。通気管は、排水管内の圧力変動を緩和し、トラップの封水を保護する役割を持つ設備です。通気管に詰まりや破損があると、排水不良や封水切れ、悪臭の発生につながります。そのため、通気管の点検は1年に1回程度行うことが適切です。排水そのものが流れる管ではありませんが、排水設備を正常に機能させるために欠かせない設備です。
この問題で覚えるポイント
排水設備の保守管理では、設備ごとに点検や清掃の頻度が異なります。排水槽の清掃は6か月以内に1回、通気管の点検は1年に1回、排水ポンプの絶縁抵抗の測定は1年に1回程度と整理して覚えることが大切です。グリース阻集器は油脂分がたまりやすいため、槽内の底や壁面に付着したグリースの清掃は1か月に1回程度と比較的短い周期で行います。排水ポンプでは、日常的な運転状態の確認と、絶縁抵抗の測定やメカニカルシールの交換のような定期点検を区別して覚える必要があります。頻度を問う問題では、設備名だけで判断せず、点検内容が清掃なのか、測定なのか、部品交換なのかを確認することが重要です。
ひっかけポイント
この問題のひっかけは、排水ポンプに関する点検項目を混同させる点にあります。排水ポンプは重要設備なので、何でも頻繁に点検するように感じやすいですが、絶縁抵抗の測定は一般に1ヶ月に1回程度です。3か月に1回という数字を見ると、適切に思えるかもしれませんが、試験では標準的な実施頻度との一致が問われます。また、清掃、点検、測定、交換では管理周期が異なります。日常感覚で「多く点検するほどよい」と考えるのではなく、設備ごとの標準頻度を知識として押さえることが大切です。