問題
排水管の清掃と診断に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1) 高圧洗浄法による排水管の清掃は、10~20 MPaの圧力の水を噴射させて洗浄する。
(2) スネークワイヤを用いるワイヤ式清掃法を排水横管に適用する場合は、長さ25m程度が限界である。
(3) 排水管内の詰まり具合や腐食の状況は、内視鏡や超音波厚さ計等により確認する。
(4) 空気圧洗浄法による排水管の清掃は、0.1MPa程度の空気圧を管内に放出し、その衝 撃波で閉塞物を除去する。
(5) 小便器用の排水管に付着した尿石の除去には、酸性洗浄剤を用いる。
ビル管過去問|排水管の清掃点検を解説
この問題は、排水管の清掃方法と診断方法に関する基本知識を問うものです。排水設備の維持管理では、詰まりを除去する方法だけでなく、管内の状態をどのように確認するか、また付着物の性質に応じてどのような清掃方法を選ぶかが重要です。各選択肢は実務でよく使われる用語が並んでいますが、数値や適用対象を正確に押さえていないと迷いやすい問題です。結論として、最も不適当な選択肢は(4)です。空気圧洗浄法は排水管に急激な圧力変化を与えて閉塞物を除去する方法ですが、0.1MPa程度という表現は一般的な説明として不適切です。
(1) 高圧洗浄法による排水管の清掃は、10~20 MPaの圧力の水を噴射させて洗浄する。
適切です。その理由は、高圧洗浄法は高い圧力の水をノズルから噴射して、排水管内の汚れや付着物をはがし取り、同時に下流へ流していく方法だからです。排水管内には油脂分、ぬめり、土砂、せっけんかすなどが蓄積しやすく、これらは通常の流水だけでは十分に除去できません。そこで、10〜20MPa程度の高圧水を利用して洗浄する方法が用いられます。特に長い排水横管や、管内に広く付着した汚れの除去に有効であり、実務でも代表的な清掃方法の一つです。
(2) スネークワイヤを用いるワイヤ式清掃法を排水横管に適用する場合は、長さ25m程度が限界である。
適切です。その理由は、ワイヤ式清掃法は金属製のワイヤを管内に挿入して、回転や押し込みによって閉塞物を崩したり引っかけたりして除去する方法ですが、排水横管では距離が長くなるほど作業性が悪くなり、効果も落ちるからです。ワイヤは曲がり部や継手部の影響を受けやすく、長くなりすぎると力が先端まで伝わりにくくなります。そのため、排水横管に適用する場合は25m程度が一つの目安とされます。つまり、この記述はワイヤ式清掃法の実務上の限界を示したものとして適切です。
(3) 排水管内の詰まり具合や腐食の状況は、内視鏡や超音波厚さ計等により確認する。
適切です。その理由は、排水管の維持管理では、単に詰まりを除去するだけでなく、管内がどの程度劣化しているかを把握することも重要だからです。内視鏡を使えば、管内にカメラを挿入して、詰まり、付着物、ひび割れ、継手のずれなどを直接確認できます。また、超音波厚さ計を使えば、金属管の肉厚を非破壊で測定できるため、腐食によって管がどの程度薄くなっているかを調べることができます。こうした診断機器を使うことで、単なる応急対応ではなく、更新や補修の必要性も判断しやすくなります。
(4) 空気圧洗浄法による排水管の清掃は、0.1MPa程度の空気圧を管内に放出し、その衝 撃波で閉塞物を除去する。
不適切です。その理由は、空気圧洗浄法は圧縮空気の瞬間的な放出による衝撃で閉塞物を動かして除去する方法ですが、記述の数値が一般的な説明として適切ではないからです。空気圧洗浄法は高圧洗浄法とは異なり、水圧で連続的に洗い流す方法ではなく、圧縮空気のエネルギーを利用して詰まりを破壊・移動させます。しかし、0.1MPa程度という数値は低すぎる理解につながりやすく、実務上の特徴を正しく表していません。この選択肢は、空気圧洗浄法の仕組みをそれらしく書いていますが、数値の部分が誤りであるため不適切です。
(5) 小便器用の排水管に付着した尿石の除去には、酸性洗浄剤を用いる。
適切です。その理由は、尿石は尿中の成分が化学反応を起こして硬く固着したものであり、アルカリ性の性質を持つ付着物として扱われることが多いためです。このような付着物は中性洗剤や単純な水洗いでは落としにくく、酸性洗浄剤を使って化学的に溶かしながら除去する方法が有効です。小便器系統の排水管では、尿石が蓄積すると流下断面が狭くなり、悪臭や詰まりの原因になります。そのため、尿石の性質に合った酸性洗浄剤を用いるという記述は適切です。
この問題で覚えるポイント
排水管の清掃方法には、高圧水で管内の付着物を洗い流す方法、ワイヤで閉塞物を崩す方法、圧縮空気の力で詰まりを除去する方法などがあります。それぞれ得意な対象が異なるため、名称と特徴を対応させて覚えることが大切です。また、診断では内視鏡で管内状況を目視確認し、超音波厚さ計で腐食による肉厚の減少を調べます。さらに、小便器排水管の尿石には酸性洗浄剤を用いる、という組合せも頻出です。清掃方法と対象物、診断機器と確認内容をセットで整理しておくと得点しやすくなります。
ひっかけポイント
この問題では、もっともらしい数値が入っている選択肢に注意が必要です。特に洗浄方法は、高圧洗浄法の圧力と空気圧洗浄法の圧力を混同しやすく、数値だけを曖昧に覚えていると誤りやすいです。また、清掃と診断を一緒に問われるため、内視鏡や超音波厚さ計のような点検機器の役割を、洗浄機器と混同しないことも重要です。尿石に対する洗剤の性質もよく問われるので、酸性洗浄剤が有効である点を確実に押さえておきましょう。
