問題
労働安全衛生法に関する次の文章の内に入る数値として、正しいものはどれか。
労働安全衛生法に基づく酸素欠乏症等防止規則(酸欠則)では、空気中の酸素濃度が
□%未満である状態を酸素欠乏と定義している。
(1) 20
(2) 18
(3) 16
(4) 14
(5) 10
ビル管過去問|労働安全衛生法を解説
この問題は、労働安全衛生法に基づく酸素欠乏症等防止規則における「酸素欠乏」の定義を正確に覚えているかを問う問題です。酸素欠乏は、マンホール、タンク、ピット、地下室、貯蔵槽などの閉鎖的な空間で発生しやすく、重篤な労働災害につながるため、法令上も厳格に定義されています。酸欠則では、空気中の酸素濃度が18%未満である状態を酸素欠乏としています。したがって、正しい選択肢は(2)です。酸素は私たちが普段当たり前に吸っているため危険性を見落としがちですが、少し濃度が下がるだけでも身体に大きな影響が出ることを理解しておくことが大切です。
(1) 20
不適切です。その理由は、酸欠則で定める酸素欠乏の基準は20%未満ではないからです。通常の空気中の酸素濃度はおおむね20.9%程度ですが、これが20%を少し下回っただけで直ちに法令上の「酸素欠乏」とされるわけではありません。もちろん、20%程度でも通常より酸素は少なくなっていますが、法令上の明確な基準値は18%未満です。この選択肢は、通常の大気中酸素濃度のイメージに引っ張られて、高めの数値を選ばせるひっかけです。
(2) 18
適切です。その理由は、酸素欠乏症等防止規則では、空気中の酸素濃度が18%未満である状態を酸素欠乏と定義しているためです。酸素濃度がこの基準を下回ると、呼吸や血液中への酸素供給に支障が生じ、頭痛、めまい、判断力の低下、意識障害などを引き起こす危険があります。さらに濃度が低下すると、短時間で意識喪失や死亡に至ることもあります。そのため、酸欠危険場所での作業では、作業前の酸素濃度測定や換気、監視人の配置、保護具の使用などが重要になります。この18%という数値は、試験でも実務でも非常に重要な基準です。
(3) 16
不適切です。その理由は、16%未満であれば酸素欠乏の状態として危険性はさらに高まりますが、法令上の定義としては18%未満だからです。16%になると身体への悪影響はより強く現れやすくなりますが、問題は「酸素欠乏と定義している数値」を聞いているため、危険の程度が強いかどうかではなく、法令上の基準値を正確に答えなければなりません。この選択肢は、危険そうな低い数値に見えるため選びたくなりますが、定義の数値としては誤りです。
(4) 14
不適切です。その理由は、14%未満は酸素欠乏としてはかなり重度の状態ですが、法令で定める基準値ではないからです。酸素濃度が14%程度になると、強い息苦しさや判断力低下、動作の異常などが起こりやすく、非常に危険です。しかし、酸欠則はそこまで低下してから初めて危険とみなすのではなく、18%未満の段階で酸素欠乏として扱い、災害防止を図っています。つまり、実際に重大な症状が出る前の段階から予防的に管理するための基準が18%未満なのです。
(5) 10
不適切です。その理由は、10%未満は極めて危険な状態であり、酸素欠乏の定義値としては低すぎるからです。酸素濃度が10%前後になると、短時間で意識喪失や生命の危険に直結する可能性が高くなります。このレベルでは、もはや作業環境として到底許容できません。法令は、そこまで危険な状態に至る前に災害を防止するため、18%未満を酸素欠乏として定義しています。そのため、この選択肢は明らかに誤りです。
この問題で覚えるポイント
酸素欠乏症等防止規則では、空気中の酸素濃度が18%未満で酸素欠乏と定義されます。通常の空気中の酸素濃度は約20.9%です。酸素欠乏は、タンク、マンホール、ピット、地下室などの閉鎖的な空間で発生しやすく、換気不足や他の気体の発生・滞留によって起こります。酸素濃度が少し下がるだけでも人体への影響が出るため、作業前の測定、換気、監視体制の確保が重要です。試験では「18%未満」という数字をそのまま覚えておくことが得点につながります。
ひっかけポイント
通常の空気中の酸素濃度が約21%なので、20%を基準と勘違いしやすいです。また、16%や14%のように、より危険そうに見える数値を選びたくなりますが、問題は危険の程度ではなく法令上の定義を問っています。実際に重い症状が出る濃度と、法令で予防的に設定された基準値は別です。この違いを整理しておかないと間違えやすいです。
