【第一種衛生管理者過去問】2024年4月公表問題|問23|ストレスチェック後の面接指導・実施義務と保存期間|関係法令(有害業務以外)を解説

出典:第一種衛生管理者2024年(令和6年度)4月公表問題|関係法令(有害業務に係るもの以外のもの)第23問

問題

労働安全衛生法に基づく心理的な負担の程度を把握するための検査の結果に基づき実施する面接指導に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1) 常時50人以上の労働者を使用する事業者は、1年以内ごとに1回、定期に、心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。

(2) 事業者は、面接指導の対象となる労働者の要件に該当する労働者から申出があったときは、申出の日から3か月以内に、面接指導を行わなければならない。

(3) 事業者は、面接指導を行った場合は、当該面接指導の結果を当該事業場の当該部署に所属する労働者の集団その他の一定規模の集団ごとに集計し、その結果について分析しなければならない。

(4) 面接指導の結果は、健康診断個人票に記載しなければならない。

(5) 面接指導を行う医師として事業者が指名できる医師は、法定の研修を修了した医師に限られる。

第1種衛生管理者|ストレスチェック後の面接指導・実施義務と保存期間を解説

ストレスチェック制度では、常時50人以上の労働者を使用する事業場において、1年以内ごとに1回、心理的な負担の程度を把握するための検査を実施し、その結果等を所轄労働基準監督署長へ報告する必要があります。正解は(1)です。面接指導は、高ストレス者など一定の要件に該当する労働者が申し出た場合に行われますが、申出後3か月以内ではなく、遅滞なく実施する必要があります。ストレスチェック制度は、検査、労働者本人への結果通知、本人の申出による医師の面接指導、医師の意見聴取、必要な就業上の措置という流れで整理すると理解しやすいです。

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(1) 常時50人以上の労働者を使用する事業者は、1年以内ごとに1回、定期に、心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。

適切です。常時50人以上の労働者を使用する事業場では、ストレスチェックの実施が義務付けられています。事業者は、1年以内ごとに1回、定期にストレスチェックを実施し、その実施状況について、心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければなりません。ここで重要なのは、ストレスチェックそのものの実施義務と、労働基準監督署長への報告義務が結び付いている点です。常時50人未満の事業場では努力義務とされるため、50人以上という基準は試験でよく問われます。

(2) 事業者は、面接指導の対象となる労働者の要件に該当する労働者から申出があったときは、申出の日から3か月以内に、面接指導を行わなければならない。

不適切です。面接指導は、面接指導の対象となる労働者から申出があった場合に、事業者が医師によって行わせるものです。ただし、実施期限は「申出の日から3か月以内」ではなく、「遅滞なく」です。ストレスチェック後の面接指導は、労働者の心理的負担や健康リスクを早期に把握し、必要な就業上の措置につなげるための制度です。そのため、長期間放置することは制度の趣旨に合いません。3か月という数字は、他の手続や健康診断関係の保存・意見聴取などと混同しやすいため注意が必要です。

(3) 事業者は、面接指導を行った場合は、当該面接指導の結果を当該事業場の当該部署に所属する労働者の集団その他の一定規模の集団ごとに集計し、その結果について分析しなければならない。

不適切です。集団ごとの集計・分析の対象となるのは、面接指導の結果ではなく、ストレスチェックの検査結果です。ストレスチェック制度では、個人の結果だけでなく、職場単位など一定規模の集団ごとに集計・分析し、職場環境の改善に活用することが求められています。ただし、これは面接指導そのものの結果を集団分析するという意味ではありません。面接指導の結果には、労働者の健康状態や医師の意見など個人情報性の高い内容が含まれるため、集団分析の対象と混同しないことが大切です。

(4) 面接指導の結果は、健康診断個人票に記載しなければならない。

不適切です。ストレスチェック後の面接指導の結果は、健康診断個人票に記載するものではありません。事業者は、面接指導の結果について記録を作成し、これを保存する必要があります。保存期間は5年間です。健康診断個人票は、一般健康診断などの結果を記録するためのものであり、ストレスチェック後の面接指導結果とは記録の扱いが異なります。試験では、健康診断とストレスチェックをあえて混ぜて出題されることがあるため、記録先と保存期間を分けて覚えることが重要です。

(5) 面接指導を行う医師として事業者が指名できる医師は、法定の研修を修了した医師に限られる。

不適切です。ストレスチェック後の面接指導は医師が行いますが、事業者が指名できる医師が法定の研修を修了した医師に限られるわけではありません。面接指導では、労働者の勤務状況、心理的負担の状況、心身の状態などを確認し、必要に応じて就業上の措置について意見を述べます。産業医など、事業場の状況を理解している医師が関与することが望ましいですが、「法定の研修を修了した医師に限る」という限定はありません。医師であることと、特定の研修修了者に限定されることは別の話として整理しましょう。

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この問題で覚えるポイント

ストレスチェックは、常時50人以上の労働者を使用する事業場で1年以内ごとに1回、定期に実施する義務があります。実施後は、心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書を所轄労働基準監督署長に提出します。高ストレス者など面接指導の対象となる労働者が申出をした場合、事業者は医師による面接指導を遅滞なく行わせなければなりません。面接指導後は、医師から意見を聴き、必要があると認めるときは、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少など就業上の措置を講じます。面接指導の結果は記録を作成して5年間保存します。健康診断個人票に記載するわけではありません。集団ごとの集計・分析は、面接指導結果ではなくストレスチェックの検査結果について行うものです。ストレスチェック制度では、個人のメンタルヘルス不調の未然防止と、職場環境の改善という二つの目的があると押さえると、関連知識を整理しやすくなります。

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ひっかけポイント

このテーマでは、ストレスチェック、面接指導、健康診断、集団分析の対象を混同させる出題がよくあります。特に、「申出の日から3か月以内」というような具体的な数字が出ると正しそうに見えますが、面接指導は遅滞なく行う必要があります。また、集団分析は面接指導の結果ではなく、ストレスチェックの検査結果について行うものです。健康診断個人票という言葉も受験者を迷わせる典型的な表現で、面接指導結果は健康診断個人票ではなく、別に記録を作成して5年間保存します。さらに、医師が行う面接指導だからといって、法定研修を修了した医師に限定されるわけではありません。一部だけ制度の内容に合っている文章ほど誤答しやすいため、「誰が」「何を」「いつまでに」「どこへ報告し」「何を保存するのか」を分けて確認することが大切です。

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