【第一種衛生管理者過去問】2021年10月公表問題|問23|雇入時健康診断・定期健康診断の実施基準と報告義務|関係法令(有害業務以外)を解説

出典:第一種衛生管理者2021年(令和3年度)10月公表問題|関係法令(有害業務に係るもの以外のもの)第23問

問題

労働安全衛生規則に基づく医師による健康診断について、法令に違反しているものは次のうちどれか。

(1) 雇入時の健康診断において、医師による健康診断を受けた後3か月を経過しない者が、その健康診断結果を証明する書面を提出したときは、その健康診断の項目に相当する項目を省略している。

(2) 雇入時の健康診断の項目のうち、聴力の検査は、35歳及び40歳の者並びに45歳以上の者に対しては、1,000Hz及び4,000Hzの音について行っているが、その他の年齢の者に対しては、医師が適当と認めるその他の方法により行っている。

(3) 深夜業を含む業務に常時従事する労働者に対し、6か月以内ごとに1回、定期に、健康診断を行っているが、胸部エックス線検査は、1年以内ごとに1回、定期に、行っている。

(4) 事業場において実施した定期健康診断の結果、健康診断項目に異常所見があると診断された労働者については、健康を保持するために必要な措置について、健康診断が行われた日から3か月以内に、医師から意見聴取を行っている。

(5) 常時50人の労働者を使用する事業場において、定期健康診断の結果については、遅滞なく、所轄労働基準監督署長に報告を行っているが、雇入時の健康診断の結果については報告を行っていない。

第1種衛生管理者|雇入時健康診断・定期健康診断の実施基準と報告義務を解説

健康診断の実施時期、検査項目の省略可否、医師からの意見聴取、労働基準監督署への報告義務を整理する問題です。答えは(2)です。雇入時健康診断の聴力検査は、年齢によって簡易な方法にできる定期健康診断とは異なり、1,000Hz及び4,000Hzの音について行う必要があります。定期健康診断の年齢別の取扱いを、雇入時健康診断にもそのまま当てはめている点が誤りです。

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(1) 雇入時の健康診断において、医師による健康診断を受けた後3か月を経過しない者が、その健康診断結果を証明する書面を提出したときは、その健康診断の項目に相当する項目を省略している。

適切です。雇入時健康診断では、労働者が医師による健康診断を受けてから3か月を経過しない場合、その結果を証明する書面を提出すれば、同じ項目については省略できます。これは、短期間のうちに同じ検査を重ねて行う必要性が低いためです。ただし、省略できるのは証明書に記載されている項目に相当するものだけです。健康診断全体を無条件で省略できるわけではない点に注意が必要です。

(2) 雇入時の健康診断の項目のうち、聴力の検査は、35歳及び40歳の者並びに45歳以上の者に対しては、1,000Hz及び4,000Hzの音について行っているが、その他の年齢の者に対しては、医師が適当と認めるその他の方法により行っている。

不適切です。雇入時健康診断の聴力検査は、原則として1,000Hz及び4,000Hzの音について行う必要があります。選択肢のように、35歳、40歳、45歳以上の者だけを1,000Hz及び4,000Hzで検査し、その他の年齢では医師が適当と認める方法にするという扱いは、定期健康診断の聴力検査に関する考え方です。雇入時健康診断は、その労働者を雇い入れる時点で健康状態を確認するためのものなので、年齢によって簡易な方法に切り替える扱いとは区別して覚える必要があります。

(3) 深夜業を含む業務に常時従事する労働者に対し、6か月以内ごとに1回、定期に、健康診断を行っているが、胸部エックス線検査は、1年以内ごとに1回、定期に、行っている。

適切です。深夜業を含む業務などの特定業務に常時従事する労働者には、6か月以内ごとに1回、定期に健康診断を行う必要があります。ただし、健康診断の全項目を必ず6か月ごとに行うわけではありません。胸部エックス線検査については、1年以内ごとに1回、定期に行えばよいとされています。ここでは、特定業務従事者の健康診断の頻度と、胸部エックス線検査の頻度の違いを押さえることが重要です。

(4) 事業場において実施した定期健康診断の結果、健康診断項目に異常所見があると診断された労働者については、健康を保持するために必要な措置について、健康診断が行われた日から3か月以内に、医師から意見聴取を行っている。

適切です。健康診断の結果、異常所見があると診断された労働者については、事業者は医師などから意見を聴かなければなりません。これは、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少など、労働者の健康を守るために必要な措置を判断するためです。意見聴取は健康診断が行われた日から3か月以内に行う必要があります。健康診断は実施して終わりではなく、結果に応じた事後措置まで含めて管理することが大切です。

(5) 常時50人の労働者を使用する事業場において、定期健康診断の結果については、遅滞なく、所轄労働基準監督署長に報告を行っているが、雇入時の健康診断の結果については報告を行っていない。

適切です。常時50人以上の労働者を使用する事業場では、定期健康診断の結果を所轄労働基準監督署長に報告しなければなりません。一方、雇入時健康診断については、労働者を雇い入れる際に実施する健康診断ではありますが、その結果を労働基準監督署長へ報告する義務はありません。報告義務がある健康診断と、実施義務はあるが報告義務まではない健康診断を分けて覚えることが重要です。

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この問題で覚えるポイント

雇入時健康診断では、既に医師による健康診断を受けてから3か月以内であり、その結果を証明する書面が提出された場合、相当する項目を省略できます。雇入時健康診断の聴力検査は、1,000Hz及び4,000Hzの音について行うのが原則です。定期健康診断では、年齢によって医師が適当と認める方法による聴力検査が認められる場合がありますが、この扱いを雇入時健康診断にそのまま使うことはできません。深夜業などの特定業務に常時従事する労働者には、6か月以内ごとに1回の健康診断が必要ですが、胸部エックス線検査は1年以内ごとに1回でよいとされています。健康診断で異常所見がある労働者については、健康診断が行われた日から3か月以内に医師などから意見を聴く必要があります。常時50人以上の労働者を使用する事業場では、定期健康診断の結果を遅滞なく労働基準監督署長に報告しますが、雇入時健康診断の結果については報告義務がありません。

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ひっかけポイント

この問題の大きな罠は、雇入時健康診断と定期健康診断のルールを混同させる点です。特に聴力検査は、35歳、40歳、45歳以上という年齢区分が出てくるため、正しい知識に見えやすいですが、これは定期健康診断で問われやすい取扱いです。雇入時健康診断では、採用時点の健康状態を確認するため、年齢による簡易検査の扱いとは区別します。また、特定業務従事者の健康診断は6か月ごとという知識だけで判断すると、胸部エックス線検査も6か月ごとだと誤解しやすくなります。健康診断の頻度、検査項目の省略、医師の意見聴取、報告義務は、それぞれ対象となる健康診断や条件が微妙に異なります。一部だけ正しい文章に引っ張られず、「これは雇入時の話か、定期の話か」「実施義務か、報告義務か」を切り分けて判断することが、同じテーマの問題で安定して正解するコツです。

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