【第一種衛生管理者過去問】2022年10月公表問題|問21|総括安全衛生管理者の選任要件と職務内容|関係法令(有害業務以外)を解説

出典:第一種衛生管理者2022年(令和4年度)10月公表問題|関係法令(有害業務に係るもの以外のもの)第21問

問題

総括安全衛生管理者に関する次の記述のうち、法令上、誤っているものはどれか。

(1) 総括安全衛生管理者は、事業場においてその事業の実施を統括管理する者又はこれに準ずる者を充てなければならない。

(2) 都道府県労働局長は、労働災害を防止するため必要があると認めるときは、総括安全衛生管理者の業務の執行について事業者に勧告することができる。

(3) 総括安全衛生管理者は、選任すべき事由が発生した日から14日以内に選任しなければならない。

(4) 総括安全衛生管理者を選任したときは、遅滞なく、選任報告書を、所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。

(5) 危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づき講ずる措置に関することは、総括安全衛生管理者が統括管理する業務のうちの一つである。

第1種衛生管理者|総括安全衛生管理者の選任要件と職務内容を解説

総括安全衛生管理者は、安全管理者や衛生管理者などを指揮し、事業場全体の安全衛生管理を統括する立場です。答えは(1)です。総括安全衛生管理者に充てる者は、原則として「その事業の実施を統括管理する者」であり、「これに準ずる者」という表現は法令上の要件としては適切ではありません。選任期限、報告先、職務内容、労働局長による勧告の規定は、いずれも総括安全衛生管理者に関する重要な基本事項です。

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(1) 総括安全衛生管理者は、事業場においてその事業の実施を統括管理する者又はこれに準ずる者を充てなければならない。

不適切です。総括安全衛生管理者は、事業場において「その事業の実施を統括管理する者」をもって充てなければなりません。つまり、工場長、支店長、事業場長など、その事業場の事業運営全体を実質的に統括する立場の者が想定されています。この選択肢では「又はこれに準ずる者」とされていますが、総括安全衛生管理者についてはこの表現が法令上の正しい要件ではありません。総括安全衛生管理者は単なる安全衛生の担当者ではなく、事業場全体を統括する責任者である点が重要です。

(2) 都道府県労働局長は、労働災害を防止するため必要があると認めるときは、総括安全衛生管理者の業務の執行について事業者に勧告することができる。

適切です。都道府県労働局長は、労働災害を防止するため必要があると認める場合、総括安全衛生管理者の業務の執行について、事業者に勧告することができます。これは、総括安全衛生管理者が形式的に選任されているだけでなく、実際に安全衛生管理を適切に統括しているかを行政が確認し、必要に応じて改善を促すための規定です。

(3) 総括安全衛生管理者は、選任すべき事由が発生した日から14日以内に選任しなければならない。

適切です。総括安全衛生管理者を選任すべき事由が発生した場合、事業者は14日以内に選任しなければなりません。安全衛生管理体制に空白期間が長く生じると、労働災害防止のための指揮命令や管理が不十分になるおそれがあります。そのため、法令では速やかな選任が求められています。

(4) 総括安全衛生管理者を選任したときは、遅滞なく、選任報告書を、所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。

適切です。総括安全衛生管理者を選任したときは、遅滞なく、選任報告書を所轄労働基準監督署長に提出する必要があります。選任しただけで終わりではなく、行政機関に報告する義務がある点も試験でよく問われます。報告先は都道府県労働局長ではなく、所轄労働基準監督署長です。

(5) 危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づき講ずる措置に関することは、総括安全衛生管理者が統括管理する業務のうちの一つである。

適切です。危険性又は有害性等の調査、いわゆるリスクアセスメントと、その結果に基づく措置は、総括安全衛生管理者が統括管理する業務に含まれます。総括安全衛生管理者は、安全衛生に関する個別作業を直接すべて行う担当者というより、安全管理者や衛生管理者などを指揮し、事業場全体として必要な安全衛生対策が実施されるよう統括する立場です。

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この問題で覚えるポイント

総括安全衛生管理者は、一定規模以上の事業場で選任が必要となる安全衛生管理体制の中心的な責任者です。選任される者は、その事業場で事業の実施を統括管理する者です。選任すべき事由が発生した日から14日以内に選任し、選任後は遅滞なく所轄労働基準監督署長へ報告します。職務としては、安全管理者や衛生管理者などを指揮し、労働者の危険または健康障害を防止する措置、安全衛生教育、健康診断、労働災害原因の調査と再発防止、リスクアセスメントとその結果に基づく措置などを統括管理します。総括安全衛生管理者は「現場の一担当者」ではなく、「事業場全体を統括する管理責任者」と理解すると正誤判断がしやすくなります。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、「その事業の実施を統括管理する者又はこれに準ずる者」という一見もっともらしい表現です。安全衛生管理体制の問題では、「準ずる者」「専属の者」「有資格者」「所轄労働基準監督署長」「都道府県労働局長」など、似たような表現が混ざって出題されます。特に総括安全衛生管理者は、資格を持つ専門スタッフというより、事業場全体を統括する立場の者を充てる点が重要です。文章の前半が正しく見えても、後半に余計な条件が付け加えられている場合は誤りになるため、法令上の正確な表現を確認する意識が大切です。

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