問題
産業廃棄物管理票(紙マニフェスト)の取扱いに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1) 返却されたマニフェストの伝票は、5年間保存する必要がある。
(2) 虚偽の記載のあるマニフェストの写しを受け取った場合には、日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)に報告する必要がある。
(3) 特別管理産業廃棄物を除く産業廃棄物の処理依頼から90日経過してもマニフェストのB2票及びD票が返却されない場合は、委託業者に問い合わせる必要がある。
(4) 産業廃棄物の処理依頼から180日経過してマニフェストのE票が返却されない場合は、委託業者に問い合わせる必要がある。
(5) マニフェストを交付した排出事業者は、産業廃棄物管理票交付等状況報告書を自治体に提出する必要がある。
ビル管過去問|産業廃棄物マニフェスト制度を解説
この問題は、紙マニフェストの保存義務、返送期限、返送がない場合の対応、虚偽記載があった場合の報告先、交付等状況報告書の提出先を問う問題です。正しい知識として押さえるべきなのは、紙マニフェストの写しは5年間保存すること、B2票・D票は原則90日以内、E票は180日以内を目安に確認すること、そして虚偽記載や未返送があった場合の報告先はJWセンターではなく都道府県知事等であるという点です。したがって、最も不適当な選択肢は(2)です。
(1) 返却されたマニフェストの伝票は、5年間保存する必要がある。
適切です。排出事業者は、交付したマニフェストの控えや、運搬・処分終了後に返送される写しを一定期間保存しなければなりません。紙マニフェストでは、この保存期間は5年間です。これは、委託した産業廃棄物が適正に処理されたかを後から確認できるようにするためのルールです。試験では「保存期間」を問われやすいため、「紙マニフェストは5年間保存」と覚えておくことが重要です。
(2) 虚偽の記載のあるマニフェストの写しを受け取った場合には、日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)に報告する必要がある。
不適切です。その理由は、紙マニフェストで虚偽記載等のある写しを受け取った場合に報告すべき相手は、JWセンターではなく、関係する都道府県知事または政令市長等だからです。JWセンターは主に電子マニフェスト制度の情報処理を担う機関であり、紙マニフェストの虚偽記載に関する措置内容等報告の提出先ではありません。したがって、この選択肢は報告先を取り違えている点が誤りです。
(3) 特別管理産業廃棄物を除く産業廃棄物の処理依頼から90日経過してもマニフェストのB2票及びD票が返却されない場合は、委託業者に問い合わせる必要がある。
適切です。特別管理産業廃棄物を除く通常の産業廃棄物では、マニフェスト交付日から90日以内にB2票またはD票が返送されない場合、排出事業者は速やかに処理状況を把握しなければなりません。その第一歩として、委託先である収集運搬業者や処分業者に問い合わせて状況を確認する対応は適切です。実務上も、返送が遅れている理由や処理の進捗を確認したうえで、必要に応じて行政への報告や是正措置につなげます。
(4) 産業廃棄物の処理依頼から180日経過してマニフェストのE票が返却されない場合は、委託業者に問い合わせる必要がある。
適切です。E票は最終処分が終了したことを確認するための票であり、これが180日以内に返送されない場合も、排出事業者は処理状況を把握し、必要な措置を講じる義務があります。そのため、まず委託業者へ問い合わせて、最終処分がどこまで進んでいるか、なぜ返送されていないのかを確認することが必要です。B2票・D票は中間段階の確認、E票は最終処分まで完了したかの確認という違いも、あわせて理解しておくと得点しやすくなります。
(5) マニフェストを交付した排出事業者は、産業廃棄物管理票交付等状況報告書を自治体に提出する必要がある。
適切です。紙マニフェストを交付した排出事業者は、その交付状況などをまとめた産業廃棄物管理票交付等状況報告書を作成し、都道府県知事等へ提出する必要があります。設問では「自治体」と表現されていますが、実際には都道府県や政令市など、所管する行政庁への提出を指しています。このため、内容としては正しい記述です。電子マニフェストではこの報告が不要になる点と混同しやすいため、紙マニフェストのルールとして整理して覚えることが大切です。
この問題で覚えるポイント
紙マニフェストの保存期間は5年間です。B2票・D票は原則90日以内、E票は180日以内に返送されるかを確認します。期限までに返送がない場合や虚偽記載がある場合は、排出事業者が処理状況を把握し、必要な措置を講じたうえで都道府県知事等へ報告することが重要です。紙マニフェストの報告先と、電子マニフェストで関わるJWセンターの役割は区別して覚えることが合格のポイントです。
ひっかけポイント
JWセンターという名称が出ると報告先だと思い込みやすいですが、紙マニフェストの虚偽記載や未返送時の報告先は都道府県知事等です。90日と180日の期限も入れ替えて出題されやすいため注意が必要です。さらに、紙マニフェストでは交付等状況報告書の提出が必要ですが、電子マニフェストでは不要となるため、この違いを混同しないことが大切です。
