【ビル管過去問】令和7年度 問題8|清掃及びねずみ等の防除を解説

問題

建築物環境衛生管理基準に基づく清掃及びねずみ等の防除に関する衛生上の措置等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) 掃除は、日常行うもののほか、大掃除を、1年以内ごとに1回、定期に、統一的に行う。

(2) ねずみ等の調査は、6か月以内ごとに1回、定期に、統一的に実施する。

(3) 殺鼠剤及び殺虫剤は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律による承認を受けた医薬品又は医薬部外品を用いなければならない。

(4) 掃除及び廃棄物の処理を行う場合は、厚生労働省告示に基づき掃除用機器及び廃棄物処理設備の維持管理に努めなければならない。

(5) 建築物環境衛生管理基準において、ねずみその他の厚生労働省令で定める動物とは、ねずみ、昆虫その他の人の健康を損なう事態を生じさせるおそれのある動物をいう。

 

 

 

ビル管過去問|清掃及びねずみ等の防除を解説

この問題は、建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行規則に定められた、清掃の実施頻度、ねずみ等の調査頻度、防除に使う薬剤の条件、清掃用機器や廃棄物処理設備の維持管理、そして「ねずみ等」の法令上の定義を問うものです。特に重要なのは、数字を正確に覚えることです。清掃の大掃除は「6か月以内ごとに1回」、ねずみ等の調査も「6か月以内ごとに1回」と定められており、ここを「1年以内ごとに1回」と誤っている選択肢(1)が典型的なひっかけになります。

下に移動する

(1) 掃除は、日常行うもののほか、大掃除を、1年以内ごとに1回、定期に、統一的に行う。

不適切です。理由は、法令上、大掃除は「1年以内ごとに1回」ではなく、「6か月以内ごとに1回、定期に、統一的に行うもの」と定められているからです。つまり、年1回では頻度が不足しています。建築物の清掃は見た目を整えるだけではなく、ほこり、汚れ、微生物、害虫の発生源を抑え、衛生環境を維持するために行われます。そのため、日常清掃だけでは手が届きにくい箇所も含め、より短い周期で計画的に大掃除を実施する必要があります。

(2) ねずみ等の調査は、6か月以内ごとに1回、定期に、統一的に実施する。

適切です。理由は、施行規則において、ねずみ等の発生場所、生息場所、侵入経路、被害状況について、「6か月以内ごとに1回、定期に、統一的に調査を実施」することが定められているからです。この調査は、単に害虫やねずみを見つけたら対応するという場当たり的なものではありません。まず定期調査を行い、その結果に基づいて必要な防除措置を講ずるという流れが制度上求められています。建築物衛生管理では、発生後の駆除だけでなく、発生予防のための調査と記録が重要です。

(3) 殺鼠剤及び殺虫剤は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律による承認を受けた医薬品又は医薬部外品を用いなければならない。

適切です。理由は、ねずみ等の防除のために殺鼠剤や殺虫剤を使用する場合、施行規則で、医薬品医療機器等法による承認を受けた「医薬品又は医薬部外品」を用いることが定められているからです。これは、効果があるだけでなく、安全性や品質が一定水準で確認された薬剤を使う必要があるという意味です。建築物内では多くの人が生活・利用するため、無承認の薬剤や出所不明の薬剤を使うと、利用者や作業者の健康に悪影響を及ぼすおそれがあります。そのため、法令で使用できる薬剤の範囲が明確に限定されています。

(4) 掃除及び廃棄物の処理を行う場合は、厚生労働省告示に基づき掃除用機器及び廃棄物処理設備の維持管理に努めなければならない。

適切です。理由は、建築物環境衛生管理基準の説明において、厚生労働大臣が定める「空気調和設備等の維持管理及び清掃等に係る技術上の基準」に従い、掃除、掃除用機器等及び廃棄物処理設備の維持管理に努めることが示されているからです。また、関連する清掃作業基準でも、真空掃除機や床みがき機などの清掃用機械・器具、さらに廃棄物の収集・運搬設備、貯留設備その他の処理設備について、定期に点検し、必要に応じて整備、補修、消毒等を行うことが定められています。つまり、清掃は作業そのものだけでなく、それを支える機械器具や設備を衛生的かつ良好な状態に保つことまで含めて考える必要があります。

(5) 建築物環境衛生管理基準において、ねずみその他の厚生労働省令で定める動物とは、ねずみ、昆虫その他の人の健康を損なう事態を生じさせるおそれのある動物をいう。

適切です。理由は、施行規則において、令第二条第三号の厚生労働省令で定める動物は、「ねずみ、昆虫その他の人の健康を損なう事態を生じさせるおそれのある動物」と定義されているからです。ここでいう「ねずみ等」は、単にねずみだけを指すのではなく、衛生害虫やその他の有害動物も含む広い概念です。したがって、建築物の衛生管理では、ねずみだけを対象に考えるのではなく、人の健康に悪影響を与えるおそれのある生物全体を視野に入れて対策を行う必要があります。

下に移動する

ポイントまとめ

この問題の正解は(1)です。最大のポイントは、清掃の大掃除の頻度が「1年以内ごとに1回」ではなく、「6か月以内ごとに1回」であることです。また、ねずみ等の調査も同じく「6か月以内ごとに1回」です。

さらに、防除に使う殺鼠剤・殺虫剤は承認を受けた医薬品または医薬部外品でなければならず、清掃用機器や廃棄物処理設備についても、告示に基づいて適切な維持管理が求められます。法令用語としての「ねずみ等」の定義も頻出なので、条文の表現ごと覚えておくと有効です。

ひっかけポイント

この問題のひっかけは、清掃の大掃除の頻度を「6か月」を「1年」にすり替えている点です。数字の違いだけなので見落としやすいですが、試験では非常によく狙われます。また、(2)の調査頻度と(1)の大掃除頻度がどちらも「6か月以内ごとに1回」でそろっているため、両者をセットで覚えると混同しにくくなります。(5)も「ねずみその他の動物」の定義を曖昧に覚えていると迷いやすいので、「ねずみ、昆虫その他の人の健康を損なうおそれのある動物」という表現をそのまま押さえておくのが有効です。

 

次の問題へ