【ビル管過去問】令和7年度 問題7|飲料水の衛生管理を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和7年度(2025年)|建築物衛生行政概論第7問

問題

建築物環境衛生管理基準に基づく飲料水の衛生上必要な措置に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) 水道事業者が供給する水(水道水)を直結給水により、特定建築物内に飲料水として供給する場合であっても、当該特定建築物の維持管理権原者が定期の水質検査を行う必要がある。

(2) 水道水を特定建築物内の貯水槽に貯留して供給する場合、貯水槽以降の飲料水の管理責任者は、当該特定建築物の維持管理権原者である。

(3) 供給する水が人の健康を害するおそれがあると知ったときは、直ちに給水を停止し、かつ、その水を使用することが危険である旨を関係者に問知する。

(4) 飲用目的だけでなく、炊事用など、人の生活の用に供する水も、水道法で定める水質基準に適合する水を供給することが必要である。

(5) 水道水以外の井水等を飲用目的で使用する場合、給水栓における遊離残留塩素の保持が必要である。

ビル管過去問|飲料水の衛生管理を解説

この問題は、特定建築物における飲料水の管理責任、水質検査、給水停止、残留塩素の保持などについて問う問題です。建築物環境衛生管理基準では、飲料水として供給する水について、水道法の水質基準に適合した安全な水を供給することが求められます。ただし、水道水を直結給水で供給する場合は、水道事業者側で水質管理が行われているため、建築物の維持管理権原者が定期の水質検査を行う必要はありません。したがって、最も不適当な選択肢は(1)です。

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(1) 水道事業者が供給する水(水道水)を直結給水により、特定建築物内に飲料水として供給する場合であっても、当該特定建築物の維持管理権原者が定期の水質検査を行う必要がある。

不適切です。水道水を直結給水で供給する場合は、貯水槽などを経由せず、水道事業者が管理する水がそのまま建築物内に供給されます。そのため、水道水自体の水質管理は水道事業者によって行われており、建築物の維持管理権原者が定期の水質検査を行う必要はありません。特定建築物だから常に水質検査が必要と考えてしまいやすいですが、直結給水か、貯水槽を経由するかで管理の考え方が変わる点が重要です。

(2) 水道水を特定建築物内の貯水槽に貯留して供給する場合、貯水槽以降の飲料水の管理責任者は、当該特定建築物の維持管理権原者である。

適切です。水道水であっても、いったん建築物内の貯水槽に貯めてから給水する場合は、貯水槽以降の水質管理が建築物側の責任になります。貯水槽は汚れや異物混入、清掃不良などにより水質が悪化する可能性があるため、維持管理権原者が適切に管理しなければなりません。水道水だからすべて水道事業者の責任というわけではなく、建築物内の設備に入った後は建築物側の管理責任が生じると押さえてください。

(3) 供給する水が人の健康を害するおそれがあると知ったときは、直ちに給水を停止し、かつ、その水を使用することが危険である旨を関係者に問知する。

適切です。供給している水が健康被害を起こすおそれがある場合は、被害を防ぐために直ちに給水を停止する必要があります。また、給水を止めるだけでなく、その水を使用することが危険であることを利用者や関係者に知らせることも重要です。なお、文中の「問知」は通常「周知」の意味で理解する内容です。試験では、健康被害のおそれがある場合には、給水停止と関係者への周知がセットで必要になると覚えておくと判断しやすくなります。

(4) 飲用目的だけでなく、炊事用など、人の生活の用に供する水も、水道法で定める水質基準に適合する水を供給することが必要である。

適切です。飲料水の管理では、単に飲む水だけが対象になるわけではありません。炊事、洗面、その他人の生活に使う水についても、人の健康に関わるため、水道法で定める水質基準に適合する水を供給する必要があります。飲む水だけを安全にすればよいと考えるのではなく、生活用水として人体に関わる水全体を衛生的に管理することが求められます。

(5) 水道水以外の井水等を飲用目的で使用する場合、給水栓における遊離残留塩素の保持が必要である。

適切です。井水など水道水以外の水を飲用に使う場合は、消毒が適切に行われていることを確認するため、給水栓で遊離残留塩素が保持されている必要があります。遊離残留塩素は、水中に消毒効果が残っていることを示す重要な指標です。井水は水道事業者による管理を受けていないため、建築物側でより慎重な衛生管理が必要になります。

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この問題で覚えるポイント

飲料水の衛生管理では、まず「水道水を直結給水している場合」と「貯水槽を経由して供給している場合」を区別することが重要です。直結給水では水道事業者が水質を管理しているため、建築物の維持管理権原者による定期の水質検査は原則として不要です。一方、貯水槽を経由する場合は、貯水槽以降の水質管理が建築物側の責任になります。 建築物内で供給する飲料水は、水道法で定める水質基準に適合している必要があります。この場合の飲料水は、飲むための水だけでなく、炊事、洗面など人の生活の用に供する水も含みます。健康に関わる水は広く管理対象になると理解してください。 供給する水が人の健康を害するおそれがあると分かった場合は、直ちに給水を停止し、その水を使用することが危険であることを関係者に知らせる必要があります。水質異常時は、原因調査よりもまず利用者の健康被害を防ぐ対応が優先されます。 水道水以外の井水などを飲用に使う場合は、給水栓で遊離残留塩素が保持されていることが必要です。井水は水道事業者の管理外であるため、消毒や水質検査を含め、建築物側で安全性を確保する意識が特に重要です。

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ひっかけポイント

この問題の大きなひっかけは、「特定建築物では飲料水の水質検査が必要」という知識を、直結給水の場合にもそのまま当てはめてしまう点です。特定建築物の管理義務は重要ですが、水道水を直結給水している場合は、水道事業者が水質管理を行っているため、建築物側の定期水質検査が不要になる点に注意が必要です。 また、「水道水だから建築物側に責任はない」と考えてしまうのも危険です。水道水であっても、建築物内の貯水槽にいったん貯めた後は、貯水槽以降の管理責任は建築物側に移ります。水の種類だけでなく、供給方式を見ることが正誤判断の決め手になります。 さらに、「飲料水」という言葉を狭くとらえて、飲む水だけを対象と考えると誤りやすくなります。試験では、炊事用など人の生活に使う水も水質基準に適合する必要があるという形で問われます。日常感覚の「飲み水」と、法令上管理すべき「飲料水」の範囲にはズレがあるため注意してください。

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