出典:建築物衛生管理技術者試験令和5年度(2023年)|清掃第165問
問題
循環型社会づくりを目指した個別リサイクル法とその対象物との組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。
(1) 容器包装リサイクル法(容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律) ―― 空き缶
(2) 食品リサイクル法(食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律) ―― 食品残渣(さ)
(3) 家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法) ―― 電子レンジ
(4) 小型家電リサイクル法(使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律) ―― デジタルカメラ
(5) 建設リサイクル法(建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律) ―― 木材
ビル管過去問|リサイクル法|容器包装・食品・家電・小型家電・建設リサイクル法を解説
この問題は、代表的な個別リサイクル法がそれぞれ何を対象としているかを正しく対応づけられるかを問う問題です。法律名が長く、似たような「リサイクル法」が並ぶため、名前だけで曖昧に覚えていると混乱しやすいテーマです。正解は(3)で、家電リサイクル法の対象に電子レンジは含まれません。家電リサイクル法は対象品目が限定されており、一般にエアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機が中心です。一方で、デジタルカメラのような比較的小型の電子機器は小型家電リサイクル法の対象として整理されます。このように、各法律の「対象範囲の広さ」と「個別指定か包括的か」の違いを押さえることが、正誤判断のポイントです。
(1) 容器包装リサイクル法(容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律) ―― 空き缶
適切です。その理由は、容器包装リサイクル法は、商品を入れたり包んだりするために使われた容器や包装を対象とする法律だからです。空き缶は、飲料や食品の「容器」として使用された後に廃棄されるものであり、この法律の対象として理解するのが適切です。ここで大切なのは、「中身そのもの」ではなく「入れ物」に着目することです。缶、びん、ペットボトル、紙製容器包装、プラスチック製容器包装などは、典型的な対象です。日常生活でもよく見かけるためイメージしやすいですが、試験では「容器包装」という法的な分類で整理できているかが問われます。
(2) 食品リサイクル法(食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律) ―― 食品残渣(さ)
適切です。その理由は、食品リサイクル法は、食品の製造、流通、販売、外食などの過程で発生する食品廃棄物等の再生利用を促進するための法律であり、食品残渣はその中心的な対象だからです。食品残渣とは、売れ残り、調理くず、食べ残しなど、食品に由来する不要物を指します。これらは飼料や肥料、メタン化などにより再資源化が進められます。単に「生ごみ」という感覚で覚えるのではなく、「食品関連事業から生じる食品循環資源を有効利用する」という法律の目的と合わせて理解すると、他の廃棄物関連法との違いも整理しやすくなります。
(3) 家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法) ―― 電子レンジ
不適切です。その理由は、家電リサイクル法の対象となる家電は限定されており、電子レンジはその対象品目に含まれないからです。この法律は、すべての家電製品を広く対象にしているわけではありません。対象となるのは、一般にエアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機です。したがって、「家電だから家電リサイクル法の対象だろう」と考えてしまうと誤りになります。電子レンジのような製品は、むしろ小型家電リサイクル法の枠組みで扱われることがあります。この問題は、「家電リサイクル法=家電全般」ではない、という点を見抜けるかが勝負です。
(4) 小型家電リサイクル法(使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律) ―― デジタルカメラ
適切です。その理由は、小型家電リサイクル法は、比較的小型の電気・電子機器に含まれる有用金属などの再資源化を目的とした法律であり、デジタルカメラはその代表例の一つだからです。小型家電には、携帯電話、デジタルカメラ、音楽プレーヤー、ゲーム機など、身近な小型電子機器が多く含まれます。これらには金、銀、銅、レアメタルなど有用な資源が含まれているため、適切に回収し再資源化する意義があります。家電リサイクル法との違いは、対象が「大型で特定された家電」ではなく、「比較的小型で多様な電子機器」である点です。
(5) 建設リサイクル法(建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律) ―― 木材
適切です。その理由は、建設リサイクル法は、建設工事に伴って生じる特定建設資材の分別解体や再資源化を進めるための法律であり、木材はその主要な対象の一つだからです。建設現場では、解体や改修によりコンクリート、アスファルト・コンクリート、木材などが発生します。これらを混合廃棄物のまま処理するのではなく、分別して資源として活用することが求められます。ビルメン分野では、日常の廃棄物管理に比べるとやや工事寄りの話に見えるかもしれませんが、建築物管理に関わる法律知識として重要です。
この問題で覚えるポイント
個別リサイクル法は、それぞれ対象物が異なるため、法律名と対象物を一対一で結びつけて覚えることが重要です。容器包装リサイクル法は、缶、びん、ペットボトル、紙製容器包装、プラスチック製容器包装などの「容器」や「包装」が対象です。食品リサイクル法は、食品残渣や売れ残り、調理くずなどの食品廃棄物等が対象です。家電リサイクル法は対象が限定されており、家電全般ではなく、エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機を中心とした特定家庭用機器が対象です。小型家電リサイクル法は、デジタルカメラや携帯電話などの小型電子機器が対象です。建設リサイクル法は、建設工事に伴って生じる木材、コンクリート、アスファルト・コンクリートなどの建設資材が対象です。試験では、「家電」と「小型家電」、「廃棄物全般」と「特定資材」など、似ている言葉をどう切り分けるかが得点の分かれ目になります。対象が「限定列挙」なのか、「一定範囲を広く含む」ものなのかを意識して整理しておくと、応用問題にも対応しやすくなります。
ひっかけポイント
この問題のひっかけは、「名前の印象」で判断させようとしている点にあります。特に家電リサイクル法は、「家電」と付いているため、電子レンジのような身近な家電製品も当然対象だと思い込みやすいです。しかし、実際には対象品目が限定されています。つまり、「言葉の広さ」と「法律上の対象範囲」が一致しないことが、典型的な思考の罠です。また、小型家電リサイクル法は比較的新しい印象や曖昧なイメージのまま覚えている受験者が多く、デジタルカメラのような製品がこちらに分類されると即答できないことがあります。さらに、容器包装リサイクル法や建設リサイクル法は、日常感覚でも納得しやすいため正しく見えますが、その安心感に引っ張られて、誤りの選択肢も同じ感覚で流してしまいやすいです。今後も、法律名が広く見えるのに対象が限定されているものは要注意です。「名称で判断せず、対象物を具体的に列挙して確認する」という習慣を持つと、同じタイプのひっかけに強くなります。
