問題
建築基準法の建築物の制限に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1) 建築面積は、壁、柱等の内側で囲まれた部分の水平投影面積で求められる。
(2) 敷地面積は、土地の高低差にかかわらず水平投影面積として求められる。
(3) 建蔽率とは、建築面積を敷地面積で除した比である。
(4) 容積率とは、建築物の延べ面積を敷地面積で除した比である。
(5) 建築物高さの制限として、北側高さ制限がある。
ビル管過去問|建築基準法の建築物制限を解説
この問題は、建築基準法における建築面積、敷地面積、建蔽率、容積率、高さ制限といった基本用語の定義を正しく理解しているかを問う問題です。特に重要なのは、建築面積の求め方です。建築面積は壁や柱の内側ではなく、外壁またはこれに代わる柱の中心線で囲まれた部分を基準に算定します。したがって、最も不適当なのは(1)です。
(1) 建築面積は、壁、柱等の内側で囲まれた部分の水平投影面積で求められる。
不適切です。その理由は、建築面積は建築物の外形を基準に求めるものであり、壁や柱の内側で囲まれた部分ではないからです。建築基準法上の建築面積は、一般に外壁またはこれに代わる柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積で算定します。内側寸法で計算してしまうと、実際の建物の占める面積より小さくなってしまい、建蔽率の判定などに誤りが生じます。この選択肢は、面積の基準位置を「内側」としている点が誤りです。
(2) 敷地面積は、土地の高低差にかかわらず水平投影面積として求められる。
適切です。その理由は、敷地面積は傾斜地や段差のある土地であっても、実際の斜面の表面積ではなく、真上から見た水平投影面積で算定するからです。たとえば、傾斜している土地は実際の表面を測ると面積が大きくなりますが、法令上はその値ではなく、水平面に投影した面積を用います。これは敷地条件を統一的に扱うために重要な考え方です。
(3) 建蔽率とは、建築面積を敷地面積で除した比である。
適切です。その理由は、建蔽率は敷地に対して建物がどの程度の面積を占めているかを示す指標だからです。式で表すと、建蔽率=建築面積÷敷地面積×100です。建蔽率は、防火、安全、通風、採光、避難、都市環境の確保などの観点から定められており、敷地いっぱいに建物を建てすぎないようにするための制限です。建築基準法の基本事項として確実に押さえておきたい内容です。
(4) 容積率とは、建築物の延べ面積を敷地面積で除した比である。
適切です。その理由は、容積率は敷地に対して建物全体の床面積がどれくらいあるかを示す指標だからです。式で表すと、容積率=延べ面積÷敷地面積×100です。建蔽率が建物の建つ広がりを制限するのに対し、容積率は建物の全体規模、すなわちどれだけ床面積を確保できるかを制限します。都市計画上、過密な建築を防ぐための重要な基準です。
(5) 建築物高さの制限として、北側高さ制限がある。
適切です。その理由は、建築基準法には建築物の高さに関する各種制限があり、その一つとして北側高さ制限があるからです。北側高さ制限は、主に住居系地域などで北側隣地の日照や居住環境を守るために設けられています。建築物が高くなりすぎると、北側の敷地に日影を落としやすくなるため、この制限によって建物の形態や高さが調整されます。高さ制限にはこのほか、道路斜線制限や隣地斜線制限などもあります。
この問題で覚えるポイント
建築面積は、壁や柱の内側ではなく、外壁またはこれに代わる柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積で求めます。
敷地面積は、傾斜地であっても水平投影面積で算定します。
建蔽率は、建築面積を敷地面積で除した比です。
容積率は、延べ面積を敷地面積で除した比です。
高さ制限には、北側高さ制限、道路斜線制限、隣地斜線制限などがあります。
ひっかけポイント
建築面積を「内法寸法」で考えてしまうと誤りです。試験では「内側」「外側」「中心線」の違いがよく問われます。
建蔽率と容積率は、分子に入る面積が異なります。建蔽率は建築面積、容積率は延べ面積です。
敷地面積を斜面の実測面積で考えないよう注意が必要です。法令上は水平投影面積です。
高さ制限は複数あり、北側高さ制限もその一つです。北側高さ制限だけが特別な例外ではありません。
