【第一種衛生管理者過去問】2022年4月公表問題|問27|妊産婦保護制度・変形労働時間制・生理休暇の労働基準法|関係法令(有害業務以外)を解説

出典:第一種衛生管理者2022年(令和4年度)4月公表問題|関係法令(有害業務に係るもの以外のもの)第27問

問題

労働基準法に定める妊産婦等に関する次の記述のうち、法令上、誤っているものはどれか。ただし、常時使用する労働者数が10人以上の規模の事業場の場合とし、管理監督者等とは、「監督又は管理の地位にある者等、労働時間、休憩及び休日に関する規定の適用除外者」をいうものとする。

(1) 妊産婦とは、妊娠中の女性及び産後1年を経過しない女性をいう。

(2) 妊娠中の女性が請求した場合においては、他の軽易な業務に転換させなければならない。

(3) 1年単位の変形労働時間制を採用している場合であっても、妊産婦が請求した場合には、管理監督者等の場合を除き、1週40時間、1日8時間を超えて労働させてはならない。

(4) フレックスタイム制を採用している場合であっても、妊産婦が請求した場合には、管理監督者等の場合を除き、1週40時間、1日8時間を超えて労働させてはならない。

(5) 生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない。

第1種衛生管理者|妊産婦保護制度・変形労働時間制・生理休暇の労働基準法を解説

労働基準法における妊産婦等の保護では、妊産婦の定義、軽易業務への転換、変形労働時間制における制限、生理休暇の扱いがよく問われます。答えは(4)です。フレックスタイム制では、妊産婦から請求があった場合でも、直ちに「1日8時間を超えて労働させてはならない」という制限がかかるわけではありません。ここが、1か月単位や1年単位の変形労働時間制と混同しやすい重要ポイントです。

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(1) 妊産婦とは、妊娠中の女性及び産後1年を経過しない女性をいう。

適切です。労働基準法における妊産婦とは、妊娠中の女性と産後1年を経過しない女性を指します。産後すぐの女性だけでなく、産後1年を経過しない女性まで含まれる点が重要です。妊産婦に該当すると、時間外労働、休日労働、深夜業、変形労働時間制などについて、一定の保護規定が適用されます。

(2) 妊娠中の女性が請求した場合においては、他の軽易な業務に転換させなければならない。

適切です。妊娠中の女性が請求した場合、使用者は他の軽易な業務に転換させなければなりません。妊娠中は身体への負担が大きくなるため、重い物を扱う作業、長時間の立ち作業、身体に負担の大きい作業などから、より負担の軽い業務へ移すことが求められます。ここでは「妊娠中の女性が請求した場合」という条件が重要です。

(3) 1年単位の変形労働時間制を採用している場合であっても、妊産婦が請求した場合には、管理監督者等の場合を除き、1週40時間、1日8時間を超えて労働させてはならない。

適切です。1年単位の変形労働時間制では、特定の日や週に法定労働時間を超えて働かせることが可能になります。しかし、妊産婦が請求した場合には、管理監督者等の場合を除き、1週40時間、1日8時間を超えて労働させることはできません。変形労働時間制を採用していても、妊産婦の請求があると通常の法定労働時間の枠が保護基準として働くと理解すると覚えやすいです。

(4) フレックスタイム制を採用している場合であっても、妊産婦が請求した場合には、管理監督者等の場合を除き、1週40時間、1日8時間を超えて労働させてはならない。

不適切です。フレックスタイム制は、労働者が始業時刻や終業時刻を自分で決める制度であり、1日8時間、1週40時間という枠で毎日・毎週を厳格に管理する制度ではありません。妊産婦が請求した場合に、1日8時間、1週40時間を超えて労働させてはならないという制限が問題になるのは、主に変形労働時間制の場合です。フレックスタイム制について同じ制限が当然に適用されるわけではないため、この記述は誤りです。

(5) 生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない。

適切です。生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求した場合、使用者はその者を生理日に就業させてはなりません。これは、本人の請求があった場合に就業させてはならないという規定です。単に生理日であるだけで当然に休ませる制度ではなく、「就業が著しく困難」であり、本人が休暇を請求した場合に保護される点を押さえる必要があります。

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この問題で覚えるポイント

妊産婦とは、妊娠中の女性及び産後1年を経過しない女性をいいます。妊娠中の女性が請求した場合、使用者は他の軽易な業務に転換させなければなりません。妊産婦が請求した場合、時間外労働、休日労働、深夜業について一定の制限がかかります。また、1か月単位や1年単位の変形労働時間制では、妊産婦が請求した場合、管理監督者等を除き、1日8時間、1週40時間を超えて労働させることはできません。フレックスタイム制は、始業・終業時刻を労働者の決定に委ねる制度であり、変形労働時間制と同じように「妊産婦が請求したら1日8時間、1週40時間を超えてはならない」と整理すると誤りになります。生理休暇は、生理日の就業が著しく困難な女性が請求した場合に、その者を就業させてはならない制度です。無条件に全員へ休暇を与えるという意味ではなく、本人の請求と就業困難性がポイントです。

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ひっかけポイント

この問題の大きなひっかけは、変形労働時間制とフレックスタイム制を同じものとして扱わせようとしている点です。どちらも通常の労働時間管理と異なる制度なので混同しやすいですが、妊産婦が請求した場合に1日8時間、1週40時間を超えて労働させてはならないという規定は、フレックスタイム制にそのまま当てはめるものではありません。また、妊産婦の定義では「産後1年を経過しない女性」まで含まれる点、生理休暇では「生理日であること」だけでなく「就業が著しく困難であること」と「本人の請求」が必要である点も狙われやすいです。似た制度をまとめて覚えるだけでなく、どの制度にどの制限がかかるのかを対応関係で押さえることが正答につながります。

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