出典:第一種衛生管理者2022年(令和4年度)4月公表問題|労働衛生(有害業務に係るもの以外のもの)第28問
問題
厚生労働省の「職場における受動喫煙防止のためのガイドライン」において、「喫煙専用室」を設置する場合に満たすべき事項として定められていないものは、次のうちどれか。
(1) 喫煙専用室の出入口において、室外から室内に流入する空気の気流が、0.2m/s以上であること。
(2) 喫煙専用室の出入口における室外から室内に流入する空気の気流について、6か月以内ごとに1回、定期に測定すること。
(3) 喫煙専用室のたばこの煙が室内から室外に流出しないよう、喫煙専用室は、壁、天井等によって区画されていること。
(4) 喫煙専用室のたばこの煙が屋外又は外部の場所に排気されていること。
(5) 喫煙専用室の出入口の見やすい箇所に必要事項を記載した標識を掲示すること。
第1種衛生管理者|職場の受動喫煙防止ガイドライン・喫煙専用室設置基準を解説
喫煙専用室を設置する場合は、たばこの煙が喫煙室の外へ漏れない構造と換気が求められます。答えは(2)です。喫煙専用室の出入口で、室外から室内へ向かう気流を0.2m/s以上とすること、壁や天井などで区画すること、煙を屋外などへ排気すること、標識を掲示することは定められています。しかし、出入口の気流について「6か月以内ごとに1回、定期に測定すること」は、喫煙専用室の設置基準としては定められていません。
を解説する画像__1syu-2022-04-eisei-q28.webp)
(1) 喫煙専用室の出入口において、室外から室内に流入する空気の気流が、0.2m/s以上であること。
適切です。喫煙専用室では、室内のたばこの煙が外へ漏れ出さないようにする必要があります。そのため、出入口では空気が室外から室内へ向かって流れる状態をつくります。この気流が0.2m/s以上であることが基準とされており、煙を喫煙専用室の中に閉じ込めるための重要な数値です。受動喫煙防止では、単に喫煙場所を分けるだけでなく、煙の流れを管理することが大切です。
(2) 喫煙専用室の出入口における室外から室内に流入する空気の気流について、6か月以内ごとに1回、定期に測定すること。
不適切です。喫煙専用室の出入口で室外から室内へ向かう気流を0.2m/s以上にすることは必要ですが、「6か月以内ごとに1回、定期に測定すること」までは、喫煙専用室を設置する場合に満たすべき事項として定められていません。この選択肢は、数値基準である0.2m/sと、定期測定という管理上の考え方を組み合わせて、もっともらしく見せている点に注意が必要です。試験では、基準そのものと、測定頻度まで法令やガイドラインで定められているかを分けて判断することが大切です。
(3) 喫煙専用室のたばこの煙が室内から室外に流出しないよう、喫煙専用室は、壁、天井等によって区画されていること。
適切です。喫煙専用室は、たばこの煙が室外へ広がらないように、壁や天井などで区画されている必要があります。区画が不十分だと、いくら換気設備を設けても煙が周囲の職場に漏れるおそれがあります。喫煙専用室は、単なる喫煙スペースではなく、非喫煙者が受動喫煙を受けないように煙を閉じ込める構造が求められます。
(4) 喫煙専用室のたばこの煙が屋外又は外部の場所に排気されていること。
適切です。喫煙専用室内のたばこの煙は、屋外または外部の場所へ排気される必要があります。室内で循環させたり、職場内の別の場所へ流したりすると、受動喫煙防止になりません。喫煙専用室では、煙を集めて外へ排出する仕組みが重要です。出入口の気流、区画、排気はセットで覚えると理解しやすいです。
(5) 喫煙専用室の出入口の見やすい箇所に必要事項を記載した標識を掲示すること。
適切です。喫煙専用室には、出入口の見やすい場所に標識を掲示する必要があります。標識は、その場所が喫煙専用室であることを利用者や周囲の労働者に明確に知らせるためのものです。受動喫煙防止では、設備面だけでなく、表示によって人の行動を適切に誘導することも重要です。
この問題で覚えるポイント
喫煙専用室を設置する場合の基本は、煙を外へ漏らさないことです。重要な基準は、出入口で室外から室内へ向かう気流を0.2m/s以上にすること、壁や天井などで区画すること、たばこの煙を屋外または外部の場所へ排気すること、出入口の見やすい箇所に標識を掲示することです。喫煙専用室は、喫煙を認めるための部屋というより、非喫煙者を受動喫煙から守るために煙を管理する設備です。特に0.2m/sという数値は頻出です。あわせて、数値基準があることと、定期測定の頻度まで定められていることは別の論点として整理しておくと、正誤判断がしやすくなります。
ひっかけポイント
この問題のひっかけは、正しい基準である「0.2m/s以上」という知識に、「6か月以内ごとに1回、定期に測定する」というもっともらしい管理義務を組み合わせている点です。衛生管理者試験では、測定や記録保存の頻度が問われる分野も多いため、受験者は「6か月以内ごとに1回」という表現を見ると正しそうに感じやすくなります。しかし、喫煙専用室の設置基準として押さえるべき中心は、気流、区画、排気、標識です。数値や頻度が出てきたときは、その数値自体が正しいかだけでなく、その頻度まで本当に定められているのかを確認する意識が大切です。
