【第一種衛生管理者過去問】2025年4月公表問題|問28|情報機器作業ガイドラインとVDT作業の労働衛生管理|労働衛生(有害業務以外)を解説

出典:第一種衛生管理者2025年(令和7年度)4月公表問題|労働衛生(有害業務に係るもの以外のもの)第28問

問題

厚生労働省の「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」に基づく措置に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

(1) ノート型機器を使用する場合には、外付けキーボードを接続して入力作業を行っている。

(2) ディスプレイとの視距離は、おおむね50cmとし、ディスプレイ画面の上端を眼の高さよりもやや下にしている。

(3) グレアの防止、騒音の低減等の措置状況及び椅子、机等の調整状況について定期に点検している。

(4) 1日の情報機器作業の作業時間が4時間未満である労働者については、自覚症状を訴える者についてのみ、情報機器作業に係る定期健康診断の対象としている。

(5) 情報機器作業に係る定期健康診断の視力検査において、近見視力の片眼視力が両眼とも0.5以上である者については、遠見視力の検査を省略している。

第1種衛生管理者|情報機器作業ガイドラインとVDT作業の労働衛生管理を解説

情報機器作業では、ディスプレイ、キーボード、机、椅子、照明環境などを適切に整え、眼精疲労、肩こり、腰痛、精神的疲労などを予防することが重要です。答えは(5)です。近見視力が一定以上であっても、遠見視力の検査を省略できるわけではありません。情報機器作業に係る健康診断では、近見視力だけでなく、遠見視力や自覚症状なども確認し、作業による健康影響を総合的に把握する必要があります。

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(1) ノート型機器を使用する場合には、外付けキーボードを接続して入力作業を行っている。

適切です。ノート型機器は、画面とキーボードが一体になっているため、画面を見やすい高さにするとキーボードの位置が不自然になり、キーボードを打ちやすい位置にすると画面の高さが低くなりやすいという特徴があります。そのため、長時間の入力作業では、外付けキーボードやマウスを使用することで、姿勢を保ちやすくなります。首を前に倒した姿勢や、肩に力が入った姿勢を避けることができ、頸肩腕障害や腰痛の予防につながります。

(2) ディスプレイとの視距離は、おおむね50cmとし、ディスプレイ画面の上端を眼の高さよりもやや下にしている。

適切です。ディスプレイとの距離は、近すぎると眼の調節負担が大きくなり、遠すぎると文字を見ようとして前かがみになりやすくなります。おおむね40cm以上の視距離を確保し、50cm程度を目安にすることは適切です。また、画面の上端を眼の高さよりやや下にすると、自然に少し下向きの視線になり、首や肩への負担を減らしやすくなります。画面を高くしすぎると、あごが上がり、首や肩が疲れやすくなるため注意が必要です。

(3) グレアの防止、騒音の低減等の措置状況及び椅子、机等の調整状況について定期に点検している。

適切です。情報機器作業では、作業者本人の姿勢だけでなく、作業環境の管理も重要です。グレアとは、照明や外光が画面に映り込んだり、まぶしさを感じたりする状態をいいます。グレアがあると、画面を見づらくなり、眼精疲労の原因になります。また、騒音は集中力の低下や精神的疲労につながります。椅子や机の高さが合っていない場合も、肩こりや腰痛の原因になります。そのため、これらの状況を定期的に点検することは、労働衛生管理上、適切な措置です。

(4) 1日の情報機器作業の作業時間が4時間未満である労働者については、自覚症状を訴える者についてのみ、情報機器作業に係る定期健康診断の対象としている。

適切です。情報機器作業に係る健康診断では、作業時間や作業内容に応じて対象者を考えます。1日の情報機器作業時間が長い労働者ほど健康影響が出やすいため、健康診断の必要性が高くなります。一方、1日の作業時間が4時間未満の労働者については、すべての者を一律に対象とするのではなく、眼の疲れ、肩こり、頭痛などの自覚症状を訴える者を対象とする扱いが適切です。試験では、「4時間未満」と「自覚症状を訴える者」の組合せを押さえておくことが大切です。

(5) 情報機器作業に係る定期健康診断の視力検査において、近見視力の片眼視力が両眼とも0.5以上である者については、遠見視力の検査を省略している。

不適切です。近見視力は、手元や画面に近い距離を見る能力を確認する検査です。情報機器作業では画面を見るため、近見視力が重要であることは確かです。しかし、近見視力が両眼とも0.5以上であるからといって、遠見視力の検査を省略できるわけではありません。遠見視力は遠くを見る能力を確認するもので、近見視力とは確認している機能が異なります。健康診断では、眼の状態を総合的に把握する必要があるため、近見視力の結果だけを理由に遠見視力を省略するという扱いは適切ではありません。

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この問題で覚えるポイント

情報機器作業では、作業環境管理、作業管理、健康管理を組み合わせて、眼精疲労、肩こり、腰痛、精神的疲労を予防します。ディスプレイとの視距離は近すぎないようにし、おおむね40cm以上、実務上は50cm程度を目安にします。画面の上端は眼の高さよりやや下にすると、自然な視線となり、首や肩への負担を軽減できます。ノート型機器は画面とキーボードの位置を別々に調整しにくいため、長時間作業では外付けキーボードやマウスの使用が有効です。グレア、騒音、机や椅子の調整状況は、作業者の疲労に直結するため定期的な点検が必要です。健康診断では、作業時間が長い者ほど対象になりやすく、1日の作業時間が4時間未満の場合は、自覚症状を訴える者を対象とする点が重要です。視力検査では、近見視力と遠見視力は別の観点の検査であり、近見視力がよいことを理由に遠見視力を省略できるとは判断しません。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、情報機器作業だから近くを見る検査だけで十分だと思わせる点にあります。たしかに情報機器作業では画面を見るため、近見視力は重要です。しかし、近見視力が正常だから遠見視力も問題ないとはいえません。近見視力と遠見視力は確認する距離と眼の機能が異なるため、一方の結果で他方を省略できると考えるのは危険です。また、ノート型機器、視距離、画面の高さ、グレア防止、4時間未満の健康診断対象などは、いずれも実務感覚と結びつきやすく正しい内容です。最後の選択肢だけが、もっともらしい表現で検査項目の省略を述べているため、そこに注意して判断することが大切です。

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