【第一種衛生管理者過去問】2023年10月公表問題|問24|労働安全衛生規則の衛生基準と事業場施設管理|関係法令(有害業務以外)を解説

出典:第一種衛生管理者2023年(令和5年度)10月公表問題|関係法令(有害業務に係るもの以外のもの)第24問

問題

事業場の建築物、施設等に関する措置について、労働安全衛生規則の衛生基準に違反していないものは次のうちどれか。

(1) 常時男性35人、女性10人の労働者を使用している事業場で、労働者が臥(が)床することのできる男女別々の休養室又は休養所を設けていない。

(2) 常時50人の労働者を就業させている屋内作業場の気積が、設備の占める容積及び床面から4mを超える高さにある空間を除き450m3となっている。

(3) 日常行う清掃のほか、毎年1回、12月下旬の平日を大掃除の日と決めて大掃除を行っている。

(4) 事業場に附属する食堂の床面積を、食事の際の1人について、0.5m2としている。

(5) 労働衛生上の有害業務を有しない事業場において、窓その他の開口部の直接外気に向かって開放することができる部分の面積が、常時床面積の25分の1である屋内作業場に、換気設備を設けていない。

 

 

 

第1種衛生管理者|労働安全衛生規則の衛生基準と事業場施設管理を解説

事業場施設の衛生基準では、休養室、気積、大掃除、食堂、換気などについて具体的な数値基準が定められています。答えは(1)です。(1)は、常時50人以上又は常時女性30人以上という休養室・休養所の設置基準に該当しないため、衛生基準に違反していません。一方、屋内作業場の気積は、労働者1人について10m3以上必要であり、50人で450m3の場合は1人当たり9m3となるため、基準を満たさず違反します。この問題では「違反していないもの」を選ぶため、基準値を正確に覚え、どの選択肢が法令に適合しているかを判断する必要があります。

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(1) 常時男性35人、女性10人の労働者を使用している事業場で、労働者が臥(が)床することのできる男女別々の休養室又は休養所を設けていない。

適切です。常時50人以上又は常時女性30人以上の労働者を使用する事業者は、労働者が臥床できる休養室又は休養所を、男性用と女性用に区別して設けなければなりません。この事業場では男性35人、女性10人で合計45人です。また、女性労働者も30人未満です。そのため、法令上、男女別々の休養室又は休養所を設ける義務はありません。設けていないことは衛生基準に違反しないため、「違反していないもの」としては正しい内容です。

(2) 常時50人の労働者を就業させている屋内作業場の気積が、設備の占める容積及び床面から4mを超える高さにある空間を除き450m3となっている。

不適切です。屋内作業場の気積は、労働者1人について10m3以上としなければなりません。気積を計算するときは、設備の占める容積や、床面から4mを超える高さにある空間は除いて考えます。この選択肢では、常時50人の労働者に対して必要な気積は50人×10m3で500m3です。しかし、実際の気積は450m3であり、1人当たり9m3しかありません。必要な500m3に足りないため、衛生基準に違反しています。

(3) 日常行う清掃のほか、毎年1回、12月下旬の平日を大掃除の日と決めて大掃除を行っている。

不適切です。事業者は、日常行う清掃のほか、大掃除を6か月以内ごとに1回、定期に、統一的に行わなければなりません。毎年1回だけでは、6か月以内ごとに1回という基準を満たしません。年末に大掃除をするという日常感覚では十分に思えますが、労働安全衛生規則上は年2回以上の頻度が必要です。そのため、この措置は衛生基準に違反します。

(4) 事業場に附属する食堂の床面積を、食事の際の1人について、0.5m2としている。

不適切です。事業場に附属する食堂については、食事の際の1人について1m2以上の床面積を確保しなければなりません。0.5m2では、必要な面積の半分しかありません。食堂は単に食事をする場所ではなく、労働者が衛生的に休憩し、食事をとるための施設です。狭すぎる食堂は衛生上好ましくないため、この基準が設けられています。

(5) 労働衛生上の有害業務を有しない事業場において、窓その他の開口部の直接外気に向かって開放することができる部分の面積が、常時床面積の25分の1である屋内作業場に、換気設備を設けていない。

不適切です。屋内作業場では、窓その他の開口部で直接外気に向かって開放できる部分の面積を、常時床面積の20分の1以上にしなければなりません。ただし、この基準を満たさない場合でも、換気設備を設ければよいとされています。この選択肢では開口部の面積が床面積の25分の1であり、20分の1以上という基準を満たしていません。さらに換気設備も設けていないため、衛生基準に違反します。

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この問題で覚えるポイント

事業場施設の衛生基準では、数値基準がそのまま正誤判断に直結します。休養室又は休養所は、常時50人以上又は常時女性30人以上の労働者を使用する場合に、男女別に設ける必要があります。屋内作業場の気積は、労働者1人につき10m3以上が必要で、設備の占める容積と床面から4mを超える高さの空間は除いて計算します。大掃除は年1回ではなく、6か月以内ごとに1回、定期に、統一的に行う必要があります。食堂の床面積は、食事の際の1人について1m2以上です。屋内作業場の自然換気では、直接外気に向かって開放できる窓などの面積が床面積の20分の1以上必要で、不足する場合は換気設備を設ける必要があります。

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ひっかけポイント

この問題は「違反していないもの」を選ぶ形式であり、普段の「誤っているもの」「正しいもの」を選ぶ問題と読み違えやすい点が大きな罠です。特に休養室の基準は、合計人数だけでなく、女性労働者の人数にも注目する必要があります。男性35人、女性10人という数字を見ると、男女別の休養室が必要に感じるかもしれませんが、合計45人であり、女性も30人未満なので義務はありません。また、大掃除は年末に1回行えばよいという日常感覚に引っ張られやすいですが、法令上は6か月以内ごとに1回です。気積、食堂面積、換気の基準も、10m3、1m2、20分の1という数値を少しずらして出題されるため、数字を丸暗記するだけでなく、どの施設にどの基準が対応するのかをセットで覚えることが重要です。

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