【第一種衛生管理者過去問】2025年10月公表問題|問5|労働安全衛生規則の衛生基準と作業環境管理|関係法令(有害業務)を解説

出典:第一種衛生管理者2025年(令和7年度)10月公表問題|関係法令(有害業務に係るもの)第5問

問題

労働安全衛生規則の衛生基準について、誤っているものは次のうちどれか。

(1) 多量のドライアイスを取り扱う業務を行う屋内作業場については、半月以内ごとに1回、定期に、当該作業場における気温、湿度及びふく射熱を測定しなければならない。

(2) 強烈な騒音を発する屋内作業場においては、その伝ぱを防ぐため、隔壁を設ける等必要な措置を講じなければならない。

(3) 屋内作業場に多量の熱を放散する溶融炉があるときは、加熱された空気を直接屋外に排出し、又はその放射するふく射熱から労働者を保護する措置を講じなければならない。

(4) 坑内における気温は、原則として、37℃以下にしなければならない。

(5) 著しく暑熱又は多湿の作業場においては、坑内等特殊な作業場でやむを得ない事由がある場合を除き、休憩の設備を作業場外に設けなければならない。

第1種衛生管理者|労働安全衛生規則の衛生基準と作業環境管理を解説

労働安全衛生規則の衛生基準では、暑熱、寒冷、騒音、ふく射熱、休憩設備など、作業環境による健康障害を防ぐための措置が定められています。正解は(1)です。多量のドライアイスを取り扱う作業は低温物体を扱う作業であり、気温、湿度及びふく射熱の測定が求められる暑熱作業とは整理が異なります。ドライアイスは冷却による低温障害や二酸化炭素濃度の上昇に注意すべきものですが、設問のように「気温、湿度及びふく射熱」を半月以内ごとに測定する対象として扱うのは誤りです。

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(1) 多量のドライアイスを取り扱う業務を行う屋内作業場については、半月以内ごとに1回、定期に、当該作業場における気温、湿度及びふく射熱を測定しなければならない。

不適切です。ドライアイスは非常に低温の物体であり、多量に取り扱う場合には、凍傷などの低温障害や、気化した二酸化炭素による酸素欠乏、二酸化炭素中毒などに注意が必要です。しかし、気温、湿度及びふく射熱の測定は、主に著しく暑熱な屋内作業場や、多量の高熱物体を取り扱う屋内作業場などで問題となる内容です。ふく射熱とは、高温の炉や溶融物などから放射される熱の影響を把握するためのものです。ドライアイスのような低温物体の取扱いを、暑熱作業と同じ測定項目で扱っている点が誤りです。

(2) 強烈な騒音を発する屋内作業場においては、その伝ぱを防ぐため、隔壁を設ける等必要な措置を講じなければならない。

適切です。強烈な騒音を発する屋内作業場では、騒音が周囲に伝わることで、作業者の聴力障害や集中力低下などにつながるおそれがあります。そのため、騒音の発生源を囲う、隔壁を設ける、防音材を使用するなど、騒音の伝ぱを防ぐための措置が必要です。騒音対策では、耳栓などの保護具だけに頼るのではなく、まず作業環境そのものを改善する考え方が重要です。

(3) 屋内作業場に多量の熱を放散する溶融炉があるときは、加熱された空気を直接屋外に排出し、又はその放射するふく射熱から労働者を保護する措置を講じなければならない。

適切です。溶融炉は高温の熱を大量に放散する設備であり、周囲の空気を加熱するだけでなく、ふく射熱によって労働者の身体に大きな熱負荷を与えます。熱中症や疲労の原因になるため、加熱された空気を直接屋外へ排出する、遮熱板を設ける、作業位置を工夫するなどの措置が必要です。ここでは、暑熱環境を放置せず、熱源から労働者を保護することが求められています。

(4) 坑内における気温は、原則として、37℃以下にしなければならない。

適切です。坑内は換気が不十分になりやすく、熱や湿気がこもりやすい作業環境です。気温が高くなると、体温調節が難しくなり、熱中症などの健康障害が発生しやすくなります。そのため、坑内の気温については、原則として37℃以下にしなければならないとされています。数値基準として問われやすい部分なので、坑内の気温は37℃以下と覚えておくと判断しやすくなります。

(5) 著しく暑熱又は多湿の作業場においては、坑内等特殊な作業場でやむを得ない事由がある場合を除き、休憩の設備を作業場外に設けなければならない。

適切です。著しく暑熱又は多湿の作業場では、作業中に体温が上がりやすく、発汗による脱水や熱中症のリスクが高くなります。そのため、労働者が作業環境から離れて体を休められるよう、休憩設備を作業場外に設けることが必要です。ただし、坑内など特殊な作業場で、作業場外に休憩設備を設けることが困難な場合には例外が認められます。原則は作業場外、例外は坑内等でやむを得ない場合、と整理すると覚えやすいです。

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この問題で覚えるポイント

労働安全衛生規則の衛生基準では、暑熱、寒冷、騒音、坑内環境、休憩設備などについて、労働者の健康障害を防止するための具体的な措置が定められています。多量の高熱物体を取り扱う屋内作業場や著しく暑熱な屋内作業場では、気温、湿度、ふく射熱の測定が重要です。ふく射熱は、炉や溶融物など高温物体から放射される熱の影響を評価するためのものです。これに対して、ドライアイスのような低温物体を取り扱う作業では、低温障害や二酸化炭素による酸素欠乏などが問題となり、暑熱作業と同じ測定項目で判断しません。強烈な騒音を発する屋内作業場では、隔壁を設けるなど騒音の伝ぱ防止措置が必要です。多量の熱を放散する溶融炉がある場合は、加熱空気を屋外に排出するか、ふく射熱から労働者を保護する措置を講じます。坑内の気温は原則37℃以下です。著しく暑熱又は多湿の作業場では、坑内等特殊な作業場でやむを得ない場合を除き、休憩設備を作業場外に設けます。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、「多量のドライアイス」という危険そうな作業に、暑熱作業の測定項目を組み合わせている点です。ドライアイスは低温で危険性があるため、何らかの測定義務がありそうに見えますが、気温、湿度、ふく射熱という組合せは高熱や暑熱の作業環境で意識する項目です。特に「ふく射熱」という言葉は、高温の炉や溶融物から放射される熱をイメージすると判断しやすくなります。低温物体であるドライアイスと、ふく射熱の測定を結びつけてしまうと誤答につながります。また、坑内の気温37℃以下、暑熱又は多湿作業場の休憩設備は作業場外、強烈な騒音には隔壁等の伝ぱ防止措置というように、数値や措置の組合せを正確に覚えることが重要です。危険性の有無ではなく、その危険に対して法令がどのような測定や措置を求めているかを切り分けて判断すると、このテーマで安定して得点できます。

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