【第一種衛生管理者過去問】2025年10月公表問題|問4|特別管理物質の事業廃止時に必要な記録提出制度|関係法令(有害業務)を解説

出典:第一種衛生管理者2025年(令和7年度)10月公表問題|関係法令(有害業務に係るもの)第4問

問題

特定化学物質障害予防規則による特別管理物質を製造する事業者が事業を廃止しようとするとき、法令に基づき実施した措置に関する次のAからEの記録等について、特別管理物質等関係記録等報告書に添えて、所轄労働基準監督署長に提出することが、法令上、定められているものの組合せは次のうちどれか。A 特別管理物質を製造する作業場所に設けられた密閉する設備、局所排気装置又はプッシュプル型換気装置の定期自主検査の記録又はその写し B 特別管理物質を製造する作業場において、労働者が常時従事した作業の概要及び当該作業に従事した期間等の記録又はその写し C 特別管理物質を製造する屋内作業場について行った作業環境測定の記録又はその写し D 特別管理物質を製造する作業場所に設けられた特定化学設備の定期自主検査の記録又はその写し E 特別管理物質を製造する業務に常時従事する労働者に対し行った特定化学物質健康診断の結果に基づく特定化学物質健康診断個人票又はその写し

(1) A,B,D

(2) A,C,D

(3) A,C,E

(4) B,C,E

(5) B,D,E

第1種衛生管理者|特別管理物質の事業廃止時に必要な記録提出制度を解説

特別管理物質は、発がん性など長期的な健康影響が問題となる物質であり、事業を廃止した後も労働者のばく露状況や健康管理の記録を残す必要があります。正解は(4)です。事業廃止時に特別管理物質等関係記録等報告書に添えて提出するものは、作業の記録、作業環境測定の記録、特定化学物質健康診断個人票です。密閉設備、局所排気装置、プッシュプル型換気装置の定期自主検査記録や、特定化学設備の定期自主検査記録は、設備管理上は重要ですが、事業廃止時に添付提出する記録としては扱いません。

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(1) A,B,D

不適切です。Bの労働者が常時従事した作業の概要や従事期間等の記録は、事業廃止時に提出する対象に含まれます。特別管理物質では、労働者がどのような作業に、どれくらいの期間従事したかを残すことが重要です。これは、将来健康障害が発生した場合に、過去のばく露状況を確認するための基礎資料になります。しかし、Aの密閉設備、局所排気装置又はプッシュプル型換気装置の定期自主検査の記録、Dの特定化学設備の定期自主検査の記録は、事業廃止時に添付提出する記録には該当しません。設備の検査記録は作業環境を適切に保つために重要ですが、この制度で提出が求められる中心は、作業、環境、健康に関する記録です。

(2) A,C,D

不適切です。Cの作業環境測定の記録は、事業廃止時に提出する対象に含まれます。作業環境測定の記録は、特別管理物質が作業場内にどの程度存在していたかを把握する資料であり、労働者のばく露状況を後から確認するうえで重要です。しかし、Aの密閉設備、局所排気装置又はプッシュプル型換気装置の定期自主検査の記録と、Dの特定化学設備の定期自主検査の記録は、事業廃止時に添付提出する記録には含まれません。AとDはいずれも設備の維持管理に関する記録であり、特別管理物質等関係記録等報告書に添えるべき記録とは区別して覚える必要があります。

(3) A,C,E

不適切です。Cの作業環境測定の記録と、Eの特定化学物質健康診断個人票は、事業廃止時に提出する対象です。作業環境測定の記録は作業場の環境濃度を示し、健康診断個人票は労働者の健康状態を記録するものです。どちらも、特別管理物質による長期的な健康影響を後から確認するために重要です。しかし、Aの密閉設備、局所排気装置又はプッシュプル型換気装置の定期自主検査の記録は、事業廃止時に添付提出する記録には含まれません。この組合せは、CとEは正しいものの、Aを含んでいるため誤りです。

(4) B,C,E

適切です。Bの作業の概要及び当該作業に従事した期間等の記録、Cの作業環境測定の記録、Eの特定化学物質健康診断個人票は、特別管理物質を製造し、又は取り扱う事業者が事業を廃止しようとするときに、特別管理物質等関係記録等報告書に添えて所轄労働基準監督署長に提出するものです。特別管理物質は、ばく露から長期間経過してから健康障害が問題となることがあります。そのため、誰が、どのような作業に、どの程度の環境で従事し、健康診断でどのような結果であったかを後から確認できるようにしておく必要があります。作業、環境、健康の三つの記録を一体で押さえると、この問題は判断しやすくなります。

(5) B,D,E

不適切です。Bの作業の記録とEの特定化学物質健康診断個人票は、事業廃止時に提出する対象です。作業の記録は労働者のばく露歴を示し、健康診断個人票は健康管理の経過を示すため、将来の健康障害の確認に役立ちます。しかし、Dの特定化学設備の定期自主検査の記録は、事業廃止時に添付提出する記録には含まれません。特定化学設備の定期自主検査は、設備の異常や漏えいなどを防ぐための管理として重要ですが、事業廃止後に長期保存・提出が重視される記録は、労働者のばく露と健康に直結する記録です。Cの作業環境測定の記録が含まれていない点でも、この組合せは誤りです。

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この問題で覚えるポイント

特別管理物質を製造し、又は取り扱う事業者が事業を廃止しようとするときは、特別管理物質等関係記録等報告書に、作業の記録、作業環境測定の記録、特定化学物質健康診断個人票又はこれらの写しを添えて、所轄労働基準監督署長に提出します。特別管理物質は発がん性など長期的な健康影響が問題となるため、事業がなくなった後でも、労働者のばく露歴や健康管理の記録を確認できるようにする必要があります。覚え方としては、作業、環境、健康の三点セットです。作業の記録は、誰がどの作業にどの期間従事したかを示します。作業環境測定の記録は、作業場にどの程度の有害物質が存在していたかを示します。健康診断個人票は、労働者の健康状態や所見を示します。設備の定期自主検査記録は、密閉設備、局所排気装置、プッシュプル型換気装置、特定化学設備のいずれであっても、事業廃止時に添付提出する三点セットとは別に整理します。

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ひっかけポイント

この問題では、AとDの設備関係の記録がもっとも紛らわしいです。特定化学物質を扱う現場では、密閉設備、局所排気装置、プッシュプル型換気装置、特定化学設備の管理が非常に重要なので、定期自主検査の記録も提出対象だと考えやすくなります。しかし、事業廃止時の提出制度の目的は、設備が適切に管理されていたかを確認することよりも、労働者の過去のばく露と健康影響を将来にわたって確認できるようにすることです。そのため、提出対象は作業、環境、健康に関する記録に絞られます。作業環境測定は設備管理のようにも見えますが、実際には作業場の有害物質濃度を示し、労働者のばく露状況を推定するための環境記録です。設備検査記録と作業環境測定記録を混同しないことが、この問題の正答につながります。

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