【ビル管過去問】令和7年度 問題16|生活衛生関係営業の許可・届出を解説

問題

次のア~オの生活衛生関係営業のうち、施設の開設又は営業に当たって許可を要しないものの組合せとして、正しいものはどれか。

ア旅館

イ美容所

ウ公衆浴場

工クリーニング所

オ 映画館

(1) アとイ

(2) アとウ

(3) イとエ

(4) ウとオ

(5) エとオ

ビル管過去問|生活衛生関係営業の許可・届出を解説

この問題は、生活衛生関係営業のうち、営業開始にあたって「許可」が必要なものと、「許可」ではなく「届出」で足りるものを区別できるかを問う問題です。ポイントは、それぞれの業種に適用される個別法を整理することです。旅館は旅館業法に基づく許可が必要です。公衆浴場は公衆浴場法に基づく許可が必要です。映画館は興行場法に基づく許可が必要です。一方で、美容所は美容師法に基づく開設の届出が必要であり、クリーニング所はクリーニング業法に基づく届出が必要です。したがって、許可を要しない組合せは「美容所」と「クリーニング所」であり、正解は(3)です。

下に移動する

(1) アとイ

不適切です。アの旅館は、旅館業法により営業の許可を受けなければなりません。旅館業は、不特定多数の人が宿泊する施設であり、衛生管理や感染症対策、安全管理が強く求められるため、事前に行政が施設基準などを確認する仕組みになっています。一方、イの美容所は、美容師法に基づき開設時の届出が必要ですが、法律上は「許可」ではありません。つまり、この組合せには許可が必要な旅館が含まれているため、「許可を要しないものの組合せ」には当たりません。

(2) アとウ

不適切です。アの旅館は旅館業法に基づく許可が必要です。また、ウの公衆浴場も公衆浴場法に基づき、業として経営するには許可を受けなければなりません。公衆浴場は、多数の利用者が同じ設備を使用するため、衛生上の事故や感染症の拡大を防ぐ観点から、構造設備や管理方法について厳格な基準が設けられています。そのため、この組合せは両方とも許可が必要であり、設問の条件に合いません。

(3) イとエ

適切です。イの美容所は、美容師法に基づき、開設するときに都道府県知事等へ届出をしなければなりません。また、使用前の検査確認を受ける必要はありますが、営業開始の法的手続としては「許可」ではなく「届出」です。エのクリーニング所についても同様に、クリーニング業法に基づく開設の届出が必要であり、こちらも「許可」ではありません。つまり、この二つはいずれも開設や営業にあたって「許可を要しない」営業ですので、正しい組合せです。なお、届出で足りるからといって規制が緩いわけではなく、営業前の確認や衛生基準の遵守は必要です。この問題では、「許可」と「届出」を正確に区別できるかが重要です。

(4) ウとオ

不適切です。ウの公衆浴場は公衆浴場法に基づく許可が必要です。さらに、オの映画館は興行場法上の興行場に当たり、これも業として経営するには許可を受ける必要があります。映画館は、多数の観客を継続的に収容する施設であり、換気、照明、防湿、清潔などの衛生基準が重要であるため、行政による事前の許可制度が設けられています。したがって、この組合せは両方とも許可が必要であり、正解にはなりません。

(5) エとオ

不適切です。エのクリーニング所は、クリーニング業法に基づく届出で足りますので、許可は要しません。しかし、オの映画館は興行場法に基づく許可が必要です。そのため、この組合せは一方が届出、もう一方が許可であり、「どちらも許可を要しない」という条件を満たしません。この問題では、映画館が生活衛生関係営業に含まれ、しかも許可対象であることを見落とさないことが重要です。

下に移動する

この問題で覚えるポイント

生活衛生関係営業では、業種ごとに個別法があり、許可が必要なものと届出で足りるものがあります。旅館、公衆浴場、映画館は許可が必要です。美容所とクリーニング所は届出です。試験では、「衛生管理のために規制されている」ことと、「許可なのか届出なのか」は別に整理して覚えることが大切です。届出であっても、使用前確認や衛生基準の遵守が必要な場合があります。

許可が必要(衛生安全リスクが高い)

● 旅館業法(許可)
ホテル・旅館

簡易宿泊所

下宿営業

● 公衆浴場法(許可)
公衆浴場(銭湯・温泉・サウナ等)

● 興行場法(許可)
興行場(映画館・劇場など)

● 食品衛生法(許可)
飲食店営業(すし店、めん類店、レストラン、喫茶店など)

食肉販売業、食鳥肉販売業、氷雪販売業 ほか

● 地方条例(許可)
プール(多くの自治体で許可制)

届出でOK

● 美容師法(届出)
美容所(使用前検査あり)

● 理容師法(届出)
理容所(使用前検査あり)

● クリーニング業法(届出)
クリーニング所

コインランドリー(簡易なものは届出不要の場合もあり)

ひっかけポイント

美容所とクリーニング所は、どちらも衛生上の規制があるため、つい「許可が必要」と思い込みやすいです。しかし、法律上は届出です。逆に、映画館は生活衛生関係営業という印象が薄く、許可対象であることを見落としやすいので注意が必要です。また、旅館や公衆浴場は直感的にも許可が必要と判断しやすいですが、正解を出すには「明らかに許可が必要なもの」を除くだけでなく、「届出にとどまるもの」を正確に覚えておくことが大切です。

次の問題へ