問題
悪臭防止法に規定する特定悪臭物質に該当しないものは、次のうちどれか。
(1) アンモニア
(2) テトラクロロエチレン
(3) 硫化水素
(4) トルエン
(5) プロピオン酸
ビル管過去問|悪臭防止法の特定悪臭物質を解説
この問題は、悪臭防止法で定められている「特定悪臭物質」にどの物質が含まれるかを問う問題です。特定悪臭物質とは、不快なにおいの原因となり、事業場などから排出されたときに生活環境へ影響を及ぼすおそれがあるとして、法令上個別に指定されている物質です。アンモニア、硫化水素、トルエン、プロピオン酸は特定悪臭物質に含まれますが、テトラクロロエチレンは含まれていません。したがって、特定悪臭物質に該当しないものは(2)です。
(1) アンモニア
適切です。アンモニアは、悪臭防止法に規定する特定悪臭物質に該当します。アンモニアは、し尿処理場、畜産施設、化製場などで発生しやすく、刺激臭のある代表的な悪臭物質です。そのため、悪臭防止法では規制対象として明確に位置づけられています。試験では、アンモニアは悪臭の基本物質として頻出ですので、特定悪臭物質に含まれると整理して覚えておくことが大切です。
(2) テトラクロロエチレン
不適切です。テトラクロロエチレンは、悪臭防止法の特定悪臭物質には該当しません。テトラクロロエチレンは、主にドライクリーニングや洗浄剤などで用いられてきた有機塩素系化合物であり、環境や健康影響の観点から他の法令で問題となることはありますが、悪臭防止法における特定悪臭物質の一覧には含まれていません。この問題では、「有害な化学物質」と「悪臭防止法上の特定悪臭物質」は同じではないことを理解しているかが重要です。有害性がある物質でも、悪臭防止法の指定物質とは限りません。
(3) 硫化水素
適切です。硫化水素は、悪臭防止法に規定する特定悪臭物質に該当します。硫化水素は、腐った卵のようなにおいを持つことで知られ、下水処理施設、し尿処理場、畜産施設などで発生しやすい物質です。においとして非常に認識されやすく、生活環境への影響が大きいため、法令上の規制対象となっています。悪臭分野では代表的な物質の一つですので、アンモニアと並んで基本事項として押さえておくべきです。
(4)トルエン
適切です。トルエンは、悪臭防止法に規定する特定悪臭物質に該当します。トルエンは、有機溶剤の一種で、塗装、印刷、接着剤の使用などに伴って発生することがあり、揮発すると独特のにおいを生じます。そのため、悪臭防止法では特定悪臭物質の一つとして定められています。トルエンは、有機溶剤としての性質ばかりに意識が向きやすいですが、悪臭の原因物質としても法規制の対象である点がポイントです。
(5) プロピオン酸
適切です。プロピオン酸は、悪臭防止法に規定する特定悪臭物質に該当します。プロピオン酸は脂肪酸の一種で、強い刺激臭を有し、食品、発酵、化学工業などに関連してにおいの原因となることがあります。悪臭防止法では、低い濃度でも不快感を与えやすい物質として特定悪臭物質に含めています。酸の名前が付くため、腐食性や化学的性質に意識が向きやすいですが、この問題では「悪臭原因物質として法令で指定されているか」が判断基準です。
この問題で覚えるポイント
悪臭防止法の特定悪臭物質には、アンモニア、硫化水素、トルエン、プロピオン酸などが含まれます。特定悪臭物質は、単に有害な化学物質という意味ではなく、悪臭の原因として法令で個別に指定された物質です。においが強い物質や、し尿処理、畜産、塗装、化学工場などで発生しやすい物質が多いこともあわせて整理しておくと覚えやすいです。
悪臭防止法施行令に定められた特定悪臭物質22種
アンモニア
メチルメルカプタン
硫化水素
硫化メチル
二硫化メチル
トリメチルアミン
アセトアルデヒド
プロピオンアルデヒド
ノルマルブチルアルデヒド
イソブチルアルデヒド
ノルマルバレルアルデヒド
イソバレルアルデヒド
イソブタノール
酢酸エチル
メチルイソブチルケトン
トルエン
スチレン
キシレン
プロピオン酸
ノルマル酪酸
ノルマル吉草酸
イソ吉草酸
ひっかけポイント
有害性がある化学物質だからといって、必ずしも悪臭防止法の特定悪臭物質とは限りません。テトラクロロエチレンのように、別の法令や環境規制では重要でも、悪臭防止法の指定対象ではない物質があります。また、トルエンは有機溶剤として覚えていても、悪臭物質としては見落としやすいので注意が必要です。法令ごとの指定対象を混同しないことが得点のポイントです。
