【ビル管過去問】令和7年度 問題11|事業登録制度における人的要件を解説

問題

建築物衛生法に基づく事業の登録に必要な人的要件に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) 特定建築物の建築物環境衛生管理技術者として選任されている者は、登録事業の監督者等を兼務することはできない。

(2) 同一の者が2以上の営業所の監督者等となることはできない。

(3) 同一の者が同一営業所の2以上の登録事業の監督者等となることはできない。

(4) 登録事業に従事するパート従業員は、従事者研修の対象とはされていない。

(5) 事業者は、研修対象者全員が、1年に1回以上、研修を受けられる体制をとらなければならない。

ビル管過去問|事業登録制度における人的要件を解説

この問題は、建築物衛生法に基づく事業登録制度における人的要件を問うものです。具体的には、監督者等の兼務の可否、営業所ごとの配置の考え方、同一営業所内での複数業種の兼務の可否、従事者研修の対象範囲、そして研修実施体制の整備義務について理解しているかが問われています。登録事業の人的要件では、監督者等を適切に配置することに加え、作業に従事する者に対して継続的な研修を実施できる体制を整えることが重要です。特に、研修対象者には正社員だけでなく、実際に作業に従事する者全員が含まれる点が重要です。結論として(4)が不適当です。

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(1) 特定建築物の建築物環境衛生管理技術者として選任されている者は、登録事業の監督者等を兼務することはできない。

適切です。理由は、厚生労働省通知において、監督者等が建築物環境衛生管理技術者免状の交付を受けている場合であっても、その者が営業所の監督者等と特定建築物における建築物環境衛生管理技術者を兼務することはできないとされているからです。これは、営業所の監督者等は登録営業所における業務の監督を行う立場であるのに対し、建築物環境衛生管理技術者は選任されている特定建築物の維持管理状況を監督する立場であり、それぞれ役割と責任の対象が異なるためです。職務内容の違いから兼務は適切でないと整理されています。

(2) 同一の者が2以上の営業所の監督者等となることはできない。

適切です。理由は、厚生労働省通知で、同一の者を2以上の営業所の監督者等として登録を受けることは認められないと明示されているからです。登録制度では、営業所ごとに必要な人的体制を整えておくことが求められています。もし1人の監督者等が複数の営業所を兼ねてしまうと、それぞれの営業所で十分な監督ができなくなるおそれがあります。そのため、監督者等は営業所ごとに専任的に配置する考え方がとられています。

(3) 同一の者が同一営業所の2以上の登録事業の監督者等となることはできない。

適切です。理由は、厚生労働省通知で、同一の営業所において2以上の事業区分にわたって登録を受けようとする場合、同一の監督者等をもって2以上の事業の登録要件に該当するものとすることはできないとされているからです。たとえば、同じ営業所で清掃業とねずみ昆虫等防除業の両方の登録を受けようとしても、1人の監督者で両方の人的要件を満たすことはできません。これは、各事業区分ごとに必要な専門知識や監督内容が異なるためであり、事業ごとに適切な責任体制を確保するためです。

(4) 登録事業に従事するパート従業員は、従事者研修の対象とはされていない。

不適切です。理由は、従事者研修の対象は雇用形態で区別されておらず、実際に作業に従事する者全員が対象だからです。厚生労働省通知では、従事者については、登録を受けようとする者等が行う研修を修了したものであることとされています。また、原則として作業に従事する者の全員が1年に1回以上研修を受ける体制を事業者がとっていることが必要とされています。したがって、パート従業員であっても、実際に登録事業の作業に従事しているのであれば研修対象に含まれます。雇用形態ではなく、作業への従事の有無で判断する点が重要です。

(5) 事業者は、研修対象者全員が、1年に1回以上、研修を受けられる体制をとらなければならない。

適切です。理由は、厚生労働省通知において、従事者の研修については、原則として作業に従事する者の全員が1年に1回以上研修を受ける体制を事業者がとっていることが必要であるとされているからです。ここでいうポイントは、単に研修を実施するだけではなく、対象者全員が受講できる体制を整えておくことにあります。実務上は、一度に全員を集めることが難しい場合には複数回に分けて実施することも可能とされており、重要なのは全員に受講機会を確保することです。

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ポイントまとめ

登録事業の人的要件では、監督者等の兼務制限が重要です。複数営業所の兼務は認められず、同一営業所であっても複数業種の監督者等を1人で兼ねることはできません。また、建築物環境衛生管理技術者と登録事業の監督者等の兼務も認められていません。さらに、従事者研修は実際に作業に従事する者全員が対象であり、正社員かパートかといった雇用形態では区別されません。事業者には、対象者全員が毎年1回以上研修を受けられる体制整備が求められます。

ひっかけポイント

この問題では、「監督者等としての資格があるなら兼務できそうだ」という思い込みが狙われやすいです。しかし、登録制度では営業所ごと、事業ごとに独立した人的体制が求められています。また、研修対象についても、正社員だけが対象だと誤解しやすいですが、実際には作業に従事する者全員が対象です。実務感覚で判断するのではなく、「誰が対象か」「何を兼ねられないか」を制度上のルールとして整理して覚えることが大切です。

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