【ビル管過去問】令和7年度 問題6|特定建築物の届出を解説

【問題】

建築物衛生法に基づく特定建築物の届出に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) 現に使用されている建築物が、用途の変更により新たに特定建築物に該当することになる場合は、その用途として使用されてから、1か月以内に届け出なければならない。

(2) 特定建築物の届出をせず、又は虚偽の届出をした場合には、30万円以下の罰金の適用がある。

(3) 建築物が解体される場合は、あらかじめ、特定建築物に該当しなくなることを届け出なければならない。

(4) 届出事項は、厚生労働省令において定められている。

(5) 届出義務者は、所有者あるいは当該特定建築物の全部の管理について権原を有する者である。

ビル管過去問|特定建築物の届出を解説

この問題は、建築物衛生法に基づいて特定建築物に該当した場合や、該当しなくなった場合に必要となる届出について問うものです。特定建築物は、多数の者が利用する一定規模以上の建築物であり、衛生的な環境を確保するために、所有者や管理権原者に届出義務が課されています。届出の時期、届出義務者、届出事項、そして届出違反に対する罰則について正しく理解しているかが重要です。特に、「あらかじめ届け出る」のか、「その事実が生じた後に届け出る」のかは、よく問われるポイントです。結論として、最も不適当な選択肢は(3)です。

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(1) 現に使用されている建築物が、用途の変更により新たに特定建築物に該当することになる場合は、その用途として使用されてから、1か月以内に届け出なければならない。

適切です。その理由は、現に使用されている建築物が用途変更によって新たに特定建築物に該当する場合、届出は「その用途として使用されるに至った日から1か月以内」に行うこととされているためです。ここで大切なのは、単に用途変更の工事が終わった時点ではなく、実際にその用途として使用を開始した時点が基準になることです。たとえば、事務所ビルが店舗や興行場など特定建築物に該当する用途へ変更され、実際に利用が始まった場合には、その開始後1か月以内に届出が必要となります。したがって、この記述は法令の内容に沿っており適切です。

(2) 特定建築物の届出をせず、又は虚偽の届出をした場合には、30万円以下の罰金の適用がある。

適切です。その理由は、建築物衛生法では、必要な届出をしなかった者や虚偽の届出をした者に対して、30万円以下の罰金を科す旨が定められているためです。届出制度は、行政が特定建築物の存在や管理状況を把握し、必要な監督や指導を行うための基礎になる重要な仕組みです。そのため、届出を怠ったり、事実と異なる内容を届け出たりすることは、建築物の衛生管理体制に支障を生じさせるおそれがあり、罰則の対象となります。数字まで含めて問われやすい部分ですが、本記述の内容は正しいため適切です。

(3) 建築物が解体される場合は、あらかじめ、特定建築物に該当しなくなることを届け出なければならない。

不適切です。その理由は、特定建築物に該当しなくなった場合の届出は、「あらかじめ」ではなく、その事実が生じた後に行うものだからです。建築物が解体された結果、特定建築物に該当しなくなった場合には、該当しなくなった日から1か月以内に届け出る必要があります。ここで重要なのは、まだ解体されていない段階では、法的にはなお特定建築物であるという点です。したがって、将来解体予定であることを理由に事前届出をするのではなく、実際に解体されて特定建築物でなくなった後に所定期間内で届出を行います。この問題では、「あらかじめ」という表現が誤りのポイントです。

(4) 届出事項は、厚生労働省令において定められている。

適切です。その理由は、特定建築物に関する具体的な届出事項は、建築物衛生法そのものだけでなく、その委任を受けた厚生労働省令において定められているためです。法律では制度の基本的な枠組みを定め、実務上必要な細かな事項は省令で規定することがよくあります。特定建築物の届出でも、建築物の名称、所在地、用途、延べ面積、所有者や管理権原者に関する事項など、具体的な届出内容は省令で整理されています。したがって、この記述は法令の体系に照らして正しく、適切です。

(5) 届出義務者は、所有者あるいは当該特定建築物の全部の管理について権原を有する者である。

適切です。その理由は、建築物衛生法において届出義務を負うのは、原則として特定建築物の所有者であり、ただし全部の管理について権原を有する者がある場合には、その者が届出義務者となるためです。ここでいう「全部の管理について権原を有する者」とは、建物全体の維持管理について実質的な支配権限を持つ者を指します。単なる一部管理の受託者や清掃業者のように、建物全体の管理権限を持たない者はこれに該当しません。つまり、衛生管理上の責任を適切に負うことができる立場の者に届出義務を課しているわけです。この記述はその内容を正しく表しているため、適切です。

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ポイントまとめ

この問題の正答は、(3)です。特定建築物の届出では、「新たに該当した場合」はその日から1か月以内、「該当しなくなった場合」もその日から1か月以内に届出を行うのが原則です。事前に届け出るのではなく、事実が発生した後に届け出る点を押さえておくことが重要です。

また、届出義務者は所有者または建築物全部の管理権原者であり、届出を怠ったり虚偽の届出をしたりした場合には罰則があります。

ひっかけポイント

「解体予定だから事前に届け出る」と考えてしまいやすい点がひっかけです。実際には、特定建築物に該当しなくなった事実が生じた後に、1か月以内で届出を行います。「あらかじめ」という表現がある選択肢は特に注意が必要です。

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