【ビル管過去問】令和4年度 問題162|産業廃棄物管理票制度 マニフェストの流れと保存義務を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和4年度(2022年)|清掃第162問

問題

産業廃棄物管理票制度(マニフェスト制度)に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) 電子マニフェストは、紙マニフェストに比べ、A票、B2票、D票、E票の保存が不要である。

(2) 処理業者の選定には、都道府県などのホームページから選ぶ方法がある。

(3) 排出事業者は、廃棄物が最終処分まで適正に処分されたことを確認する義務がある。

(4) 紙マニフェストの場合、収集運搬業者は、作業が終了すると排出事業者にB2票を返却する。

(5) 紙マニフェストの場合、最終処分場での処分が完了すると、収集運搬業者にE票が返却される。

ビル管過去問|産業廃棄物管理票制度 マニフェストの流れと保存義務を解説

この問題は、産業廃棄物の処理が適正に行われたかを確認するためのマニフェスト制度について、流れと返却票の役割、さらに保存義務を正しく理解しているかを問う問題です。正しい選択肢は(1)から(4)で、いずれも制度の基本に沿った内容です。一方で(5)は不適切です。E票は最終処分の完了を示す票ですが、返却先は収集運搬業者ではなく排出事業者です。マニフェスト制度では、排出事業者が最終処分まで確認することが重要な原則ですので、票の流れを「誰に返るのか」まで丁寧に押さえておくことが得点につながります。

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(1) 電子マニフェストは、紙マニフェストに比べ、A票、B2票、D票、E票の保存が不要である。

適切です。電子マニフェストは、情報を情報処理センターで一元管理する仕組みであるため、紙の管理票を各事業者が保存する必要がありません。紙マニフェストでは、排出事業者や処理業者がそれぞれ該当する票を一定期間保存しなければなりませんが、電子マニフェストではその保存事務が大幅に簡略化されます。試験では、電子化によって「保存が不要になること」と「処理の透明性が高まること」がよく問われますので、紙との違いとして整理して覚えることが大切です。

(2) 処理業者の選定には、都道府県などのホームページから選ぶ方法がある。

適切です。産業廃棄物の処理を委託する際には、許可を受けた適正な処理業者を選ぶ必要があります。その確認方法の一つとして、都道府県や政令市などのホームページで、許可業者の情報を調べる方法があります。これは排出事業者責任を果たすうえでも重要です。単に業者へ依頼すればよいのではなく、その業者が適切な許可を持っているか、委託しようとする廃棄物の種類に対応しているかまで確認しなければなりません。制度上の責任は排出事業者にも残るため、業者選定は非常に重要な管理行為です。

(3) 排出事業者は、廃棄物が最終処分まで適正に処分されたことを確認する義務がある。

適切です。産業廃棄物処理では、廃棄物を出した事業者が最終処分まで適正に処理されたことを確認する責任を負います。これを排出事業者責任といいます。収集運搬業者や処分業者に委託したとしても、排出した側の責任が消えるわけではありません。そのため、マニフェストを用いて、収集運搬、中間処理、最終処分の各段階が適正に完了したかを確認する必要があります。この考え方は試験でも極めて重要で、単なる書類手続ではなく「不法投棄や不適正処理を防ぐための確認制度」であることを理解しておくと、正誤判断がしやすくなります。

(4) 紙マニフェストの場合、収集運搬業者は、作業が終了すると排出事業者にB2票を返却する。

適切です。紙マニフェストでは、収集運搬業者が運搬を終了した後、その運搬が完了したことを示すB2票が排出事業者へ返却されます。これは、排出事業者が「まず運搬が適正に終わったこと」を確認するための重要な票です。その後、中間処分や最終処分の完了に応じて、さらにD票やE票による確認が行われます。マニフェスト制度は、処理工程ごとに確認を積み重ねる仕組みなので、B2票は運搬完了を示す票として覚えておくと混乱しにくくなります。

(5) 紙マニフェストの場合、最終処分場での処分が完了すると、収集運搬業者にE票が返却される。

不適切です。E票は最終処分が完了したことを示す票であり、返却先は収集運搬業者ではなく排出事業者です。排出事業者は、最終処分まで適正に終わったことを確認する義務があるため、最終確認にあたるE票を受け取る立場にあります。ここを誤ると、マニフェスト制度の目的そのものを取り違えてしまいます。収集運搬業者は運搬を担う事業者であり、最終処分の確認責任を負う主体ではありません。したがって、E票の返却先を収集運搬業者とするこの記述は誤りです。

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この問題で覚えるポイント

産業廃棄物管理票制度は、産業廃棄物が排出から最終処分まで適正に処理されたことを確認するための制度です。中心になる考え方は、排出事業者責任にあります。つまり、処理を他の業者へ委託しても、排出した事業者が最後まで確認責任を負うということです。 紙マニフェストでは、処理の進行に応じて各票が返却されます。収集運搬が終わったことを示すのがB2票であり、中間処理の終了を確認するのがD票、最終処分の完了を確認するのがE票です。特に重要なのは、これらの返却を受けて確認する主体が排出事業者である点です。試験では「どの票が何を示すか」と「誰に返却されるか」をセットで問われやすいです。 電子マニフェストでは、情報処理センターでデータ管理されるため、紙票の保存が不要になります。この点は紙マニフェストとの代表的な違いです。したがって、紙は保存義務、電子は情報登録と確認という形で整理すると覚えやすくなります。 また、処理業者の選定では、許可の有無や処理品目の適合性を確認する必要があります。都道府県などの公的機関のホームページで許可情報を確認することは、適正処理の第一歩です。制度は単なる事務手続ではなく、不法投棄や不適正処理を防ぐための実務的な管理手段であると理解することが大切です。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、「票の流れ」と「責任の所在」をあいまいに覚えている受験者を狙っている点にあります。特にE票は最終処分完了に関する票であるため、何となく最終処分場や収集運搬業者の間でやり取りされるように感じてしまいがちです。しかし、制度の本質は排出事業者が最終処分まで確認することにあるため、E票の返却先は排出事業者です。 また、収集運搬業者は運搬を行う立場であり、処理全体の最終確認をする主体ではありません。この違いを理解せずに、処理工程に関わった業者へ票が返ると思い込むと誤答しやすくなります。問題作成者は、用語そのものの知識よりも、「誰が何を確認する制度なのか」という制度の骨格を理解しているかを見ています。 さらに、電子マニフェストと紙マニフェストの違いも混同しやすい部分です。電子だからすべての義務がなくなるのではなく、紙の保存義務が不要になるだけで、確認責任そのものは残ります。このように、「電子化で簡略化される部分」と「排出事業者責任として残る部分」を分けて考えることが、今後も同種問題で引っかからないためのコツです。

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