【ビル管過去問】令和4年度 問題163|建築物内廃棄物の中間処理 生ごみ・缶・古紙・発泡スチロール処理を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和4年度(2022年)|清掃第163問

問題

建築物内廃棄物の中間処理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) 厨芥類を処理する生ごみ処理機には、減量を目的とした乾燥機や、リサイクルを目的とした堆肥化装置がある。

(2) 缶類の処理として、自動的にスチール缶とアルミ缶を分けて圧縮し、プロック状にする方式がある。

(3) 廃棄紙類の処理には、保管スペースを確保するための圧縮・梱(こん)包機が用いられる。

(4) 発泡スチロールの処理として用いられる溶融固化装置は、薬液を加え溶融し固化する方式である。

(5) 段ボールの処理には梱包機が用いられる。

ビル管過去問|建築物内廃棄物の中間処理 生ごみ・缶・古紙・発泡スチロール処理を解説

この問題は、建築物内で発生する廃棄物について、それぞれの種類に応じた中間処理方法を正しく理解しているかを問う問題です。中間処理では、減量化、減容化、再資源化、保管性の向上などが目的になります。正答は(4)で、発泡スチロールの溶融固化装置に関する説明が誤りです。溶融固化装置は熱によって発泡スチロールを溶かして体積を大きく減らす装置であり、薬液を加えて処理するものではありません。ほかの選択肢は、建築物内廃棄物の中間処理として一般的な内容であり、適切な記述です。

下に移動する

(1) 厨芥類を処理する生ごみ処理機には、減量を目的とした乾燥機や、リサイクルを目的とした堆肥化装置がある。

適切です。生ごみは水分を多く含むため、そのままでは重量があり、腐敗もしやすく、保管や運搬の負担が大きくなります。そのため、建築物内では乾燥機を用いて水分を飛ばし、重量や体積を減らす処理が行われます。また、堆肥化装置によって有機物を資源として再利用する方法もあります。つまり、生ごみ処理機には、単にごみを減らすことを目的とするものと、リサイクルを目的とするものがあり、この記述は中間処理の実態に合っています。

(2) 缶類の処理として、自動的にスチール缶とアルミ缶を分けて圧縮し、プロック状にする方式がある。

適切です。缶類は再資源化しやすい代表的な廃棄物であり、効率よく分別して保管することが重要です。スチール缶は磁力で選別できる一方、アルミ缶は磁石に反応しません。この性質の違いを利用して自動選別を行い、その後に圧縮して塊状にすることで、保管や搬出がしやすくなります。設問文の「プロック状」は一般には「ブロック状」と理解される内容で、処理の流れとしては妥当です。資源化を前提とした減容処理として適切な説明です。

(3) 廃棄紙類の処理には、保管スペースを確保するための圧縮・梱(こん)包機が用いられる。

適切です。古紙や雑誌、コピー用紙などの廃棄紙類は、そのままではかさばりやすく、保管スペースを圧迫します。そこで圧縮して体積を小さくし、さらにひもやバンドで梱包することで、保管性や搬出性を高めます。このような処理は、建築物内のごみ置場を有効に使うためにも重要です。また、梱包された紙類は再生資源として回収しやすくなるため、減容化と資源化の両方に役立つ処理方法です。

(4) 発泡スチロールの処理として用いられる溶融固化装置は、薬液を加え溶融し固化する方式である。

不適切です。発泡スチロールの溶融固化装置は、基本的には熱を加えて発泡スチロールを溶かし、体積を大幅に減らして固化させる装置です。発泡スチロールは内部に多くの空気を含むため、見かけの体積が大きい一方で、加熱すると小さくまとまりやすい特徴があります。この処理の中心はあくまで熱による溶融です。薬液を加えるという説明は、発泡スチロールの一般的な溶融固化処理の説明としては誤りです。試験では、減容方法の原理を正しく区別できるかがよく問われますので、熱で処理するのか、圧縮するのか、乾燥するのかを整理して覚えることが大切です。

(5) 段ボールの処理には梱包機が用いられる。

適切です。段ボールは建築物内でも比較的多く発生する紙系廃棄物であり、そのままだとかさばって保管効率が悪くなります。そこで、折りたたんでまとめたり、梱包機を用いて一定量ごとに束ねたりして、搬出しやすい形に整えます。段ボールは再資源化しやすい材料なので、異物混入を防ぎながら整理して保管することが重要です。梱包機の使用は、保管スペースの節約と資源回収の効率化の両面で有効であり、この記述は適切です。

下に移動する

この問題で覚えるポイント

建築物内廃棄物の中間処理では、減量化、減容化、保管性の向上、再資源化が中心目的です。生ごみは乾燥や堆肥化によって処理され、乾燥は減量、堆肥化は資源化につながります。缶類は材質ごとの分別が重要で、スチール缶は磁力選別が可能であり、その後に圧縮して保管しやすくします。古紙や段ボールは圧縮や梱包によってかさを減らし、再資源化しやすい状態に整えます。発泡スチロールは見かけの体積が大きいため、熱による溶融固化で大きく減容できます。つまり、廃棄物ごとに適した処理原理が異なり、乾燥、圧縮、梱包、溶融、堆肥化を正しく対応づけて覚えることが、正誤判断に直結します。

下に移動する

ひっかけポイント

この問題のひっかけは、それぞれの廃棄物に対する処理方法を何となくのイメージで覚えている受験者を狙っている点にあります。特に発泡スチロールは、体積を減らすという結果だけを見てしまうと、圧縮なのか、薬液処理なのか、加熱溶融なのかを曖昧にしやすいです。また、中間処理の問題では、処理目的と処理方法が少しでもずれていると誤りになります。一見もっともらしく見える文章でも、処理の原理まで確認する習慣が大切です。試験では「減量」「減容」「資源化」という言葉と、各装置の仕組みを対応させて覚えておくと、似た問題にも安定して対応できます。

次の問題へ