【ビル管過去問】令和4年度 問題135|衛生器具設備 点検周期・安全性・節水対策を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和4年度(2022年)|清掃第135問

問題

衛生器具設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) 衛生器具は危険な突起がない形状のものを選定し、利用者に対する安全性を考慮する。

(2) 節水機器を導入する場合、排水管内の汚物などの搬送性能にも配慮する。

(3) 洗面器の取り付け状態は、2か月に1回、定期に点検する。

(4) 水受け容器には、便器・洗面器類、流し類の他にトラップも含まれる。

(5) 小便器の排水状態は、6か月に1回、定期に点検する。

ビル管過去問|衛生器具設備 点検周期・安全性・節水対策を解説

この問題は、衛生器具設備に関する基本事項として、安全性への配慮、節水機器導入時の注意点、点検周期、そして衛生器具に関する用語の理解を問う問題です。実務でも試験でも、器具の安全性や維持管理の周期は重要な論点ですが、とくに今回は「水受け容器」の定義が正しく理解できているかがポイントです。正しい選択肢は(1)(2)(3)(5)であり、最も不適当なのは(4)です。水受け容器は便器や洗面器、流しなどの器具本体を指す概念であり、トラップはこれに含まれません。

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(1) 衛生器具は危険な突起がない形状のものを選定し、利用者に対する安全性を考慮する。

適切です。その理由は、衛生器具は不特定多数の利用者が日常的に使用する設備であり、使いやすさだけでなく安全性も重要だからです。鋭利な角や突出部分があると、身体や衣服を引っかけたり、転倒時にけがをしたりするおそれがあります。とくに高齢者や子ども、身体の不自由な方が利用する場面では、わずかな突起でも事故の原因になり得ます。そのため、衛生器具の選定では、清掃性や耐久性だけでなく、危険な突起のない形状とすることが基本です。

(2) 節水機器を導入する場合、排水管内の汚物などの搬送性能にも配慮する。

適切です。その理由は、節水機器は使用水量を減らすことで省資源や省コストに役立つ一方、流す水の量が少なくなりすぎると、排水管内で汚物やし尿、紙くずなどを十分に搬送できなくなることがあるためです。搬送性能が不足すると、管内に汚れが残留しやすくなり、閉塞や悪臭、汚れの付着の原因になります。したがって、節水だけを優先するのではなく、衛生器具、排水方式、配管勾配、管径などとのバランスを見ながら、排水機能が適切に維持されるよう配慮する必要があります。

(3) 洗面器の取り付け状態は、2か月に1回、定期に点検する。

適切です。その理由は、洗面器は壁面やカウンターに固定されて使用されるため、長期間の使用により支持金具の緩みや本体のがたつきが生じることがあるからです。取り付け不良を放置すると、使用中の転倒や破損、水漏れなどにつながるおそれがあります。そのため、一定の周期で固定状態を確認し、安全に使用できる状態を保つことが求められます。2か月に1回という周期は、衛生器具設備の保守点検基準として押さえておきたい重要な数値です。

(4) 水受け容器には、便器・洗面器類、流し類の他にトラップも含まれる。

不適切です。その理由は、水受け容器とトラップは別の設備要素として扱われるからです。水受け容器とは、使用した水や汚物を直接受ける器具本体を指し、具体的には便器、洗面器、手洗器、流し、浴槽などが該当します。これに対してトラップは、排水系統からの臭気や害虫の侵入を防ぐために封水を保持する部分であり、排水管系の一部です。つまり、トラップは水受け容器そのものではなく、水受け容器に接続して機能する別部材です。この定義の違いを混同すると誤答しやすいため、器具本体と排水付属部品は分けて理解することが大切です。

(5) 小便器の排水状態は、6か月に1回、定期に点検する。

適切です。その理由は、小便器は尿石の付着や排水不良が起こりやすく、放置すると悪臭や詰まりの原因になるためです。とくに小便器の排水系統では、見た目には異常がなくても内部で徐々に尿石が堆積し、排水能力が低下していることがあります。そのため、排水状態を定期的に確認し、異常の早期発見につなげる必要があります。6か月に1回という点検周期は、衛生器具設備の維持管理上の基準として重要です。

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この問題で覚えるポイント

衛生器具設備では、安全性、衛生性、維持管理性をあわせて理解することが大切です。まず、衛生器具は利用者が直接触れて使う設備であるため、危険な突起がない形状とし、安全に配慮して選定することが原則です。次に、節水機器は省エネルギーや節水の観点で有効ですが、使用水量が減ることで排水管内の搬送性能が低下し、閉塞や悪臭につながることがあるため、排水性能と一体で考える必要があります。また、点検周期の数値も重要で、洗面器の取り付け状態は2か月に1回、小便器の排水状態は6か月に1回を基準として押さえておくとよいです。さらに、用語の定義として、水受け容器は便器、洗面器、流しなどの器具本体を指し、トラップは臭気や害虫の侵入防止のための封水部をもつ排水部材であるという違いを明確に区別することが、同テーマの問題を解くうえで非常に重要です。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、設備を構成する各部位の名称を、日常感覚でひとまとめに理解してしまう受験者心理を突いている点にあります。とくに、水受け容器とトラップは実際には一体的に見えることも多いため、どちらも衛生器具の一部だろうと曖昧に覚えていると誤りやすいです。試験では、このように「現場ではつながって見えるが、定義上は別物」という知識差を狙って出題されます。また、点検周期の問題では、もっと頻繁に点検したほうがよさそうだという日常感覚に引っぱられたり、逆に数値を感覚で処理してしまったりして誤答しやすくなります。試験対策としては、設備の名称は機能ごとに整理し、点検周期は具体的な数値として覚えることが重要です。

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