【ビル管過去問】令和4年度 問題115|給水設備の弁類 仕切弁・バタフライ弁・減圧弁・定水位弁・玉形弁を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和4年度(2022年)|給水および排水の管理第115問

問題

給水設備に用いる弁類の説明として、最も不適当なものは次のうちどれか。

(1) 仕切弁 ―――――― 弁体が管路を垂直に仕切るように開閉する構造である。

(2) バタフライ弁 ――― 円板状の弁体を回転させることで管路を開閉する構造である。

(3) 減圧弁 ―――――― ダイヤフラムと調節ばねのバランスにより弁体の開度を調整する機構である。

(4) 定水位弁 ――――― 副弁の開閉と連動して弁体を開閉させて水槽の水位を保持する機構である。

(5) 玉形弁 ―――――― 通路を開けた弁体を回転させて開閉する構造である。

ビル管過去問|給水設備の弁類 仕切弁・バタフライ弁・減圧弁・定水位弁・玉形弁を解説

この問題は、給水設備で使われる代表的な弁の構造と用途の違いを正しく理解しているかを問う問題です。弁はどれも「水を止める」「流れを調整する」という点では共通していますが、実際には開閉の仕組みや使い方が異なります。正しい選択肢は、仕切弁、バタフライ弁、減圧弁、定水位弁を説明したものです。誤っているのは玉形弁の説明であり、通路を開けた弁体を回転させて開閉する構造という説明は、玉形弁ではなくボール弁に近い内容です。玉形弁は弁体を弁座に押し付けたり離したりして流れを制御する構造であり、主に流量調整にも使われます。各弁の構造と役割を区別して覚えることが重要です。

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(1) 仕切弁 ―――――― 弁体が管路を垂直に仕切るように開閉する構造である。

適切です。仕切弁は、弁体を上下させて流路を全開または全閉にする弁です。弁体が管路に対して垂直方向に動き、流れを遮断したり通したりする構造であるため、この説明は正しいです。仕切弁は流体抵抗が比較的小さく、主として止水用に使われます。一方で、半開状態で長く使うと弁体や弁座が損傷しやすいため、流量調整にはあまり向いていません。構造上の特徴と用途を結びつけて理解すると覚えやすいです。

(2) バタフライ弁 ――― 円板状の弁体を回転させることで管路を開閉する構造である。

適切です。バタフライ弁は、管の中にある円板状の弁体を回転させることで流路を開閉する弁です。弁体を90度程度回転させるだけで全開と全閉を切り替えられるため、操作が簡単で、比較的コンパクトに設置できるという特徴があります。大口径の配管でも用いられやすく、設置スペースを抑えたい場合にも適しています。この説明はバタフライ弁の基本構造を正しく表しています。

(3) 減圧弁 ―――――― ダイヤフラムと調節ばねのバランスにより弁体の開度を調整する機構である。

適切です。減圧弁は、一次側の高い圧力を二次側で一定の低い圧力に保つための弁です。一般に、ダイヤフラムとばねの力のつり合いを利用して弁体の開き具合を自動調整し、設定した圧力を維持します。建物内で水圧が高すぎると器具や配管に負担がかかるため、適切な圧力に落とす目的で使用されます。単に水を止める弁ではなく、圧力制御を行う弁である点が重要です。

(4) 定水位弁 ――――― 副弁の開閉と連動して弁体を開閉させて水槽の水位を保持する機構である。

適切です。定水位弁は、受水槽や高置水槽などで水位を一定に保つために用いられる弁です。一般には、ボールタップなどで副弁を動かし、その圧力変化により主弁を開閉して給水量を調整します。つまり、直接大きな弁体を機械的に動かすのではなく、副弁との連動を利用して主弁を作動させる構造です。この説明は定水位弁の働きを適切に示しています。水槽の安定した運転に欠かせない弁として重要です。

(5) 玉形弁 ―――――― 通路を開けた弁体を回転させて開閉する構造である。

不適切です。この説明は玉形弁ではありません。通路を開けた球状の弁体を回転させて開閉する構造は、一般にボール弁の説明です。玉形弁はグローブ弁とも呼ばれ、弁体を上下方向に動かして弁座に接触させたり離したりすることで流れを制御します。構造上、流路が曲がるため圧力損失は大きくなりやすいですが、その分、流量調整がしやすい特徴があります。「玉」という字から球を回す弁を連想すると誤りやすいですが、名称だけで判断せず、実際の構造と用途を押さえることが大切です。

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この問題で覚えるポイント

給水設備の弁は、それぞれ構造と用途が異なります。仕切弁は止水用の代表で、弁体を上下させて全開または全閉で使うのが原則です。バタフライ弁は円板状の弁体を回転させる構造で、操作性がよく、比較的大口径管にも対応しやすい弁です。減圧弁は圧力を一定に保つ制御弁であり、ダイヤフラムやばねの働きによって自動的に調整します。定水位弁は水槽の水位保持に使われ、副弁と主弁の連動によって給水を制御します。玉形弁は弁体を弁座に押し付ける構造で、止水だけでなく流量調整にも向いています。一方、ボール弁は内部に穴のあいた球体を回転させて開閉する弁です。この違いは頻出です。試験では、止水に向く弁か、調整に向く弁か、自動制御に使う弁かという観点で整理すると正誤判断がしやすくなります。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、弁の名称と構造をあいまいに覚えている受験者を狙っています。特に玉形弁は、「玉」という文字から球を回転させる弁だと連想しやすく、ボール弁の構造と混同しやすいところが罠です。また、どの弁も水の流れを止めたり調整したりするため、用途だけをぼんやり覚えていると、構造の違いを問われたときに誤答しやすくなります。試験では、一部だけ正しい説明文を混ぜて全体をもっともらしく見せることがよくあります。名称の印象ではなく、弁体が上下するのか、回転するのか、圧力で制御するのか、水位で制御するのかという作動原理まで結びつけて覚えることが、今後の類題対策でも非常に重要です。

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