【ビル管過去問】令和4年度 問題98|建築生産 プレハブ工法・施工管理・設計図書・躯体工事を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和4年度(2022年)|建築物の構造概論第98問

問題

建築生産に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) プレハブ工法は、工場で製作された部材を現場に搬入して組み立てる工法である。

(2) 建築基準法に基づく設計図書には、設計図、仕様書が含まれる。

(3) 軸組式構法は、木材や鋼材等の軸材で柱、梁等を組み、そこに面材を取り付けたものをいう。

(4) 施工管理は、設計図書のとおり工事が施工されているかを設計者が確認することであり、建築士法に定義されている。

(5) 型枠工事は、躯体工事に含まれる。

ビル管過去問|建築生産 プレハブ工法・施工管理・設計図書・躯体工事を解説

この問題は、建築生産に関する基本事項として、プレハブ工法の考え方、設計図書の内容、軸組式構法の意味、施工管理の定義、躯体工事に含まれる工事項目を問うものです。正しい選択肢は(1)(2)(3)(5)で、誤っているのは(4)です。(4)は、施工管理と工事監理を混同させる典型的なひっかけです。施工管理は施工者が工事を計画どおり安全かつ適正に進めるために行う管理であり、設計図書どおりに施工されているかを設計者などが確認することは工事監理です。この違いを押さえることが正答のポイントです。

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(1) プレハブ工法は、工場で製作された部材を現場に搬入して組み立てる工法である。

適切です。プレハブ工法は、あらかじめ工場で部材や部品を製作し、それを現場へ運んで組み立てる工法です。現場作業を減らし、品質を均一にしやすいことや、工期短縮につながりやすいことが特徴です。天候の影響を受けにくく、施工の効率化にも役立ちます。試験では「工場生産」と「現場組立て」がセットで理解できているかがよく問われます。

(2) 建築基準法に基づく設計図書には、設計図、仕様書が含まれる。

適切です。設計図書とは、建築物をどのように造るかを示す図面や文書の総称であり、一般に設計図や仕様書などで構成されます。設計図は形状や寸法、配置などを視覚的に示し、仕様書は材料や施工方法、性能などを文章で示します。建築物を正しく施工するためには、図だけでは不足する部分を仕様書で補うことが重要です。そのため、設計図と仕様書の両方が設計図書の中核になります。

(3) 軸組式構法は、木材や鋼材等の軸材で柱、梁等を組み、そこに面材を取り付けたものをいう。

適切です。軸組式構法は、柱や梁などの線状の部材で骨組をつくり、建物全体を支える構法です。日本の木造住宅で一般的な在来軸組工法もこの考え方に含まれます。これに対し、壁や床などの面で支える構法は、壁式構造やパネル構法として区別されます。この選択肢は、軸組式構法の基本的な考え方を正しく述べています。試験では、軸材で支えるのか、面で支えるのかという違いを整理しておくことが大切です。

(4) 施工管理は、設計図書のとおり工事が施工されているかを設計者が確認することであり、建築士法に定義されている。

不適切です。この内容は施工管理ではなく、工事監理の説明です。工事監理とは、設計図書のとおりに工事が行われているかを確認し、必要に応じて是正を求める業務で、建築士法に位置づけられています。一方、施工管理は施工者側が行う管理であり、工程管理、品質管理、原価管理、安全管理などを通じて、工事を円滑かつ適正に進めることを目的とします。つまり、誰が何の立場で行うのかが決定的に違います。設計者や監理者が確認するのは工事監理、施工会社などが現場を管理するのは施工管理です。この区別は頻出なので、言葉の響きだけで判断しないことが大切です。

(5) 型枠工事は、躯体工事に含まれる。

適切です。躯体工事とは、建築物の骨組や主要構造部分をつくる工事のことです。鉄筋コンクリート造では、鉄筋工事、型枠工事、コンクリート工事が代表的な躯体工事に当たります。型枠工事は、コンクリートを所定の形状に打ち込むための型を組み立てる工事であり、構造体を形成するために不可欠です。仕上げ工事や設備工事とは異なり、建物の本体をつくる工程に属するため、躯体工事に含まれます。

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この問題で覚えるポイント

建築生産では、まず用語の役割の違いを正確に整理することが重要です。プレハブ工法は、工場であらかじめ部材を製作し、現場で組み立てる工法です。品質の安定や工期短縮が利点であり、現場加工中心の工法とは区別して覚える必要があります。設計図書は、設計図と仕様書を中心に構成され、図面が形や寸法を示し、仕様書が材料や施工条件を補います。どちらか一方だけでは不十分で、両者が一体となって建築内容を定めます。 構法では、軸組式構法と壁式構法の違いが重要です。軸組式構法は柱や梁などの軸材で骨組を構成するのに対し、壁式構法は壁などの面で支える考え方です。この違いは木造、鉄骨造、パネル工法などの理解にもつながります。工事に関する用語では、施工管理と工事監理の区別が最重要です。施工管理は施工者が行い、工程、品質、安全、原価などを管理します。工事監理は設計図書どおりに施工されているかを建築士などが確認する行為で、建築士法に基づく概念です。さらに、躯体工事には建物の骨組をつくる工事が含まれ、鉄筋工事、型枠工事、コンクリート工事などが代表例です。仕上げ工事や設備工事との違いまで含めて整理しておくと、同テーマの問題に対応しやすくなります。

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ひっかけポイント

この問題の最大のひっかけは、施工管理と工事監理の混同です。どちらも「工事を適切に進めるための確認」に見えるため、日常感覚では同じように受け取ってしまいやすいです。しかし、試験では「誰が行うのか」と「何を目的にするのか」が分かれており、施工者が行うのが施工管理、設計図書との適合を確認するのが工事監理です。この役割の違いをあいまいに覚えていると誤答しやすくなります。 また、本文の一部だけが正しそうに見える文章にも注意が必要です。たとえば「設計図書のとおり工事が施工されているかを確認する」という部分だけを見れば正しい説明に見えますが、それを施工管理としている点が誤りです。このように、前半は正しく後半で誤らせる形は頻出です。さらに、躯体工事と仕上げ工事の区別も、現場経験がないと曖昧になりがちです。型枠工事は完成後に見えなくなるため仕上げに近い印象を持つ人もいますが、実際には構造体をつくるための躯体工事です。試験では、用語の雰囲気ではなく、定義と役割で判断する習慣をつけることが大切です。

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