問題
屋内のダニ類の防除の進め方として、最も不適当なものは次のうちどれか。
(1) 屋内のダニ類の防除においては、日常的な発生予防が基本である。
(2) ダニ類によると思われる被害においては、原因特定よりも、迅速な殺虫剤散布を優先する。
(3) 吸血性ダニ類の防除においては、ヒト以外の宿主となっている動物への対策が必要である。
(4) 刺咬性ダニ類の防除においては、掃除機によるこまめな除塵の効果が高い。
(5) アレルゲンとなるダニ類の防除においては、床面や寝具への対策が重要である。
ビル管過去問|ダニ防除方法を解説
この問題は、屋内に発生するダニ類に対して、どのような考え方で防除を進めるべきかを問う問題です。ダニ対策では、いきなり薬剤に頼るのではなく、まず被害の原因となっているダニの種類や発生源を把握し、生活環境の改善や宿主対策を含めて進めることが基本です。正しい選択肢は(1)(3)(4)(5)で、不適当なのは(2)です。特に、ダニは種類によって被害の内容も有効な対策も異なるため、原因特定を軽視して一律に殺虫剤散布を優先する考え方は誤りです。
(1) 屋内のダニ類の防除においては、日常的な発生予防が基本である。
適切です。その理由は、ダニ類の防除では、発生してから駆除するよりも、発生しにくい環境を日常的に維持することが重要だからです。ダニは、ほこり、フケ、食べかす、湿気、寝具やカーペット内部の汚れなどを利用して増殖します。そのため、こまめな清掃、十分な換気、湿度管理、寝具の手入れなどを継続することが、発生予防の基本になります。建築物衛生管理の考え方でも、発生源をつくらないことが最も重要です。
(2) ダニ類によると思われる被害においては、原因特定よりも、迅速な殺虫剤散布を優先する。
不適切です。その理由は、ダニ類は種類によって生息場所も被害の内容も防除方法も異なるため、まず原因を特定することが必要だからです。例えば、アレルゲン問題の中心となるヒョウヒダニ類と、刺咬被害を起こすツメダニ類や吸血性のイエダニでは、重点的に行うべき対策が異なります。原因を確認しないまま薬剤散布だけを行っても、十分な効果が得られないことがあります。場合によっては、宿主動物への対策や寝具・床面の清掃改善の方が重要です。したがって、原因特定より殺虫剤散布を優先するという考え方は不適当です。
(3) 吸血性ダニ類の防除においては、ヒト以外の宿主となっている動物への対策が必要である。
適切です。その理由は、吸血性ダニ類はヒトだけでなく、ネズミ、鳥、小動物などを宿主として生息していることが多いからです。例えば、イエダニはネズミとの関係が深く、ネズミが生息している環境ではダニも発生しやすくなります。この場合、表面的に室内だけを処理しても、宿主である動物が残っていれば再発しやすくなります。したがって、吸血性ダニ類の防除では、ダニそのものへの対策だけでなく、宿主動物の駆除や侵入防止も含めて進める必要があります。
(4) 刺咬性ダニ類の防除においては、掃除機によるこまめな除塵の効果が高い。
適切です。その理由は、刺咬性ダニ類は室内のほこりや微細なごみ、繊維くずなどがたまりやすい場所に潜みやすく、清掃によって生息環境を悪化させることができるからです。特に、床面、カーペット、畳、家具の隙間、寝具周辺などをこまめに掃除機で除塵することは、ダニそのものや餌になる有機物を減らすうえで有効です。薬剤だけでは届きにくい場所も多いため、物理的な除去を継続することが実務上とても重要です。
(5) アレルゲンとなるダニ類の防除においては、床面や寝具への対策が重要である。
適切です。その理由は、アレルゲンとなるダニ類、特にヒョウヒダニ類は、寝具、カーペット、畳、布製ソファなどに多く生息し、死骸やふんがアレルゲンとなるからです。人は寝具の上で長時間過ごし、床面のほこりも吸い込みやすいため、これらの場所の対策が非常に重要です。具体的には、寝具の洗濯や乾燥、掃除機がけ、床面の除塵、湿度管理などが基本です。アレルギー対策では、単にダニを殺すだけでなく、アレルゲンを除去することも大切です。
この問題で覚えるポイント
ダニ防除は、まず原因となるダニの種類や発生源を把握してから進めることが基本です。薬剤散布だけで解決しようとせず、清掃、除塵、換気、湿度管理、寝具対策などの環境改善を重視することが重要です。吸血性ダニでは宿主動物への対策が必要です。アレルゲン対策では、床面や寝具の管理が特に重要です。ダニは種類ごとに対策が異なる、という点を押さえておくことが合格のポイントです。
ひっかけポイント
被害が出たらすぐに殺虫剤を使えばよい、と考えると誤りやすいです。ダニは種類によって対策が違うため、原因特定を飛ばしてはいけません。吸血性ダニをダニだけの問題として捉え、ネズミや鳥などの宿主対策を見落とすのも典型的な誤りです。さらに、アレルゲン対策を薬剤中心で考えてしまうのもひっかけです。実際には、寝具や床面の清掃・除塵が重要です。
