【ビル管過去問】令和7年度 問題171|ダニの種類と健康被害を解説

問題

ダニの種類と、ヒトに対する健康被害の組合せとして、最も適当なものは次のうちどれか。

(1) コナヒョウヒダニ-喘息などの原因

(2) ヤケビョウヒダニ-ヒトを刺咬

(3) ミナミツメダニ-感染症の伝播

(4) イエダニ-皮下に内部寄生

(5) カベアナタカラダニ-ヒトから吸血

ビル管過去問|ダニの種類と健康被害を解説

この問題は、建築物衛生管理でよく問われる代表的なダニの種類と、ヒトに起こす健康被害との対応関係を整理できているかを問うものです。ポイントは、ヒョウヒダニ類は主にアレルゲン、ツメダニ類やイエダニは主に刺咬被害、カベアナタカラダニは不快害虫ではあるものの人への直接的な害は基本的にない、という整理です。正しい選択肢は(1)です。コナヒョウヒダニは、ヤケヒョウヒダニと並んで、喘息やアレルギー性鼻炎などの原因となる代表的な室内性ダニです。

下に移動する

(1) コナヒョウヒダニ-喘息などの原因

適切です。コナヒョウヒダニは、室内のほこりや寝具、じゅうたんなどに多くみられるヒョウヒダニ類の一つです。ダニそのものを吸い込むというより、死骸やふんがハウスダストの成分となってアレルゲンになり、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎などの原因になります。試験では、コナヒョウヒダニやヤケヒョウヒダニを「刺すダニ」と誤って覚えていると間違えやすいですが、基本は「刺咬よりもアレルギー原因物質として重要」と押さえるのがポイントです。

(2) ヤケビョウヒダニ-ヒトを刺咬

不適切です。ヤケヒョウヒダニは、コナヒョウヒダニと並ぶ室内塵性ダニで、主な問題は刺咬ではなくアレルゲンになることです。つまり、喘息や鼻炎などのアレルギー疾患の原因として重要なダニであり、ヒトを積極的に刺すダニとして扱うのは誤りです。ヒョウヒダニ類と、実際に人を刺すことがあるツメダニ類やイエダニを混同しないようにすることが大切です。

(3) ミナミツメダニ-感染症の伝播

不適切です。ミナミツメダニは、主に室内で他の小さなダニを捕食するツメダニ類で、人に接触すると刺咬被害を起こすことがあります。したがって問題となる健康被害は、かゆみや発疹などの皮膚症状です。一方で、感染症を媒介するダニとして覚える種類ではありません。この選択肢は、「刺して皮膚炎を起こすダニ」と「病原体を媒介するダニ」を入れ替えたひっかけです。

(4) イエダニ-皮下に内部寄生

不適切です。イエダニは、ネズミなどに寄生し、人を吸血して皮膚炎や強いかゆみを起こすことがあるダニです。しかし、皮下に潜り込んで内部寄生するダニではありません。皮膚内にトンネルをつくって寄生することで知られるのは、疥癬の原因となるヒゼンダニです。したがって、イエダニと内部寄生を結びつけるのは誤りです。イエダニは「外部から刺す・吸血するダニ」、ヒゼンダニは「皮膚に寄生するダニ」と区別して覚えると整理しやすいです。

(5) カベアナタカラダニ-ヒトから吸血

不適切です。カベアナタカラダニは、春から初夏にかけてベランダや外壁、屋上、コンクリート面などで見かける赤い小型のダニです。見た目が目立つため不快に感じやすいですが、一般に人を積極的に刺したり、吸血したりする種類ではありません。人体に対する直接的な害はないとされており、吸血性のダニとして扱うのは誤りです。見た目の印象だけで「赤いから血を吸う」と思い込まないことが大切です。

下に移動する

この問題で覚えるポイント

ダニはすべて同じ被害を起こすわけではなく、種類ごとに健康被害が異なります。ヒョウヒダニ類は、主にハウスダスト中のアレルゲンとして喘息や鼻炎の原因になります。ツメダニ類やイエダニは、主に刺咬によるかゆみや皮膚炎が問題になります。皮膚の中に寄生するのは疥癬の原因となるヒゼンダニであり、イエダニではありません。カベアナタカラダニは不快害虫として目立ちますが、吸血するダニではない、という整理が重要です。

ひっかけポイント

ヒョウヒダニ類を「人を刺すダニ」と思い込むミスが多いです。実際は、刺咬よりもアレルギー原因物質として重要です。イエダニを「皮下寄生」と覚えてしまうのも典型的な誤りで、皮下寄生はヒゼンダニです。また、カベアナタカラダニは赤くて目立つため吸血しそうに見えますが、人体から吸血するダニではありません。見た目の印象ではなく、アレルゲン型、刺咬型、寄生型、不快害虫型という分類で整理すると正誤判定しやすくなります。

次の問題へ