問題
排水設備と排水管材料に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1) 排水ポンプは、排水槽の吸込みピットの壁面から100mm程度離して設置する。
(2) 排水用硬質塩化ビニルライニング鋼管の接続には、排水鋼管用可とう継手を用いる。
(3) トラップが直接組み込まれていない阻集器には、その出口側にトラップを設ける。
(4) 厨房用の排水槽から排水を除去するには、汚物ポンプを用いる。
(5) 繊維くず阻集器には、金網の目の大きさが13mm程度のバスケットストレーナを設置する。
ビル管過去問|排水管材料を解説
この問題は、排水設備の保守上の基本事項と、排水管材料・阻集器・排水ポンプの用途に関する知識を問う問題です。正しい設備選定や施工方法を理解しているかがポイントです。最も不適当なのは(1)です。排水ポンプは、排水槽の吸込みピットの壁面に近づけすぎると流れが乱れたり、異物の吸込みに支障が出たりするため、一般には100mm程度ではなく、もっと離して設置するのが基本です。したがって、(1)が誤りです。
(1) 排水ポンプは、排水槽の吸込みピットの壁面から100mm程度離して設置する。
不適切です。排水ポンプは、排水槽内で安定して排水を吸い込めるように設置する必要があります。壁面に近すぎると、吸込み側の水の流れが偏り、渦が発生しやすくなったり、異物がたまりやすくなったりして、ポンプの性能低下や故障の原因になります。そのため、ポンプは壁から十分な離隔を確保して設置するのが原則です。100mm程度では離隔が小さすぎるため、この記述は不適当です。
(2) 排水用硬質塩化ビニルライニング鋼管の接続には、排水鋼管用可とう継手を用いる。
適切です。排水用硬質塩化ビニルライニング鋼管は、鋼管の強度と、内面ライニングによる耐食性をあわせ持つ排水管材料です。この種の管では、施工性や振動・変位への追従性を考慮して、排水鋼管用可とう継手が用いられます。可とう継手は、わずかな芯ずれや伸縮にも対応しやすく、排水配管に適した接続方法です。
(3) トラップが直接組み込まれていない阻集器には、その出口側にトラップを設ける。
適切です。阻集器は、油脂や土砂、繊維くずなどを排水中から分離して、下流側の配管閉塞を防ぐための装置です。しかし、阻集器そのものにトラップ機能がない場合、そのままでは下水や排水系統から悪臭やガスが逆流するおそれがあります。そのため、出口側にトラップを設けて封水を確保し、臭気や有害ガスの室内流入を防ぐ必要があります。
(4) 厨房用の排水槽から排水を除去するには、汚物ポンプを用いる。
適切です。厨房排水には、食品残さや油脂分などの固形物・浮遊物が混入することがあります。このような排水を処理するには、ある程度の異物を通過させることができる汚物ポンプが適しています。一般的な雑排水ポンプでは詰まりやすい場合があるため、厨房用排水槽の排水除去には汚物ポンプを用いるのが適切です。
(5) 繊維くず阻集器には、金網の目の大きさが13mm程度のバスケットストレーナを設置する。
適切です。繊維くず阻集器は、洗濯排水などに含まれる布くずや糸くずを捕集して、排水管の閉塞を防ぐために設けられます。このとき、内部には繊維くずを受け止めるためのバスケットストレーナを設置します。目の大きさが13mm程度というのは、排水を流しつつ繊維くずを適切に捕集するための標準的な目安であり、この記述は適切です。
この問題で覚えるポイント
排水ポンプは、壁面に近づけすぎず、吸込み条件が安定するように十分な離隔を確保して設置することが重要です。
排水用硬質塩化ビニルライニング鋼管には、排水鋼管用可とう継手を用いるのが基本です。
トラップがない阻集器では、出口側にトラップを設けて臭気やガスの逆流を防ぎます。
厨房排水のように異物を含む排水には、汚物ポンプが用いられます。
繊維くず阻集器には、繊維類を捕集するためのバスケットストレーナが必要です。
ひっかけポイント
排水ポンプの設置離隔は、数字だけを見て正しそうに感じやすいですが、壁面から100mm程度では近すぎる点がひっかけです。
厨房排水は雑排水だから雑排水ポンプと考えてしまいやすいですが、実際には異物混入を考慮して汚物ポンプを用いる点に注意が必要です。
阻集器は設置すればそれだけで臭気対策になると思いがちですが、トラップ機能の有無を必ず確認する必要があります。
配管材料と継手の組合せは暗記問題になりやすいため、材料名だけでなく接続方法までセットで覚えることが大切です。
