【第一種衛生管理者過去問】2025年10月公表問題|問14|騒音性難聴と等価騒音レベル・騒音障害の基礎|労働衛生(有害業務)を解説

出典:第一種衛生管理者2025年(令和7年度)10月公表問題|労働衛生(有害業務に係るもの)第14問

問題

作業環境における騒音及びそれによる健康障害に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1) 騒音性難聴の初期に認められる4,000Hz付近の音から始まる聴力低下の型をc5dipという。

(2) 音圧レベルは、通常、人間が聴くことができる最も小さな音圧に対する比の常用対数を20倍して求められる。

(3) 騒音は、自律神経系や内分泌系へも影響を与えるため、騒音ばく露により、交感神経の活動の亢(こう)進や副腎皮質ホルモンの分泌の増加が認められることがある。

(4) 人が聴くことのできる音の周波数は、10Hzから30,000Hz程度までであり、このうち会話音域は2,000Hzから4,000Hz程度までである。

(5) 等価騒音レベルは、時間的に変動する騒音レベルのエネルギー的な平均値を表す量で、変動する騒音に対する人間の生理・心理的反応とよく対応している。

第1種衛生管理者|騒音性難聴と等価騒音レベル・騒音障害の基礎を解説

騒音による健康障害では、騒音性難聴、音圧レベル、等価騒音レベル、身体へのストレス反応などが重要です。正解は(4)です。人が聴くことのできる音の周波数は、おおむね20Hzから20,000Hz程度であり、会話音域はおおむね500Hzから2,000Hz程度です。設問のように、可聴範囲を10Hzから30,000Hz程度、会話音域を2,000Hzから4,000Hz程度とするのは誤りです。

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(1) 騒音性難聴の初期に認められる4,000Hz付近の音から始まる聴力低下の型をc5dipという。

適切です。騒音性難聴では、初期に4,000Hz付近の聴力低下がみられることが多く、この特徴的な聴力低下の型をc5dipといいます。日常会話に使う周波数よりも高めの音域から低下が始まるため、初期には本人が難聴に気づきにくいことがあります。騒音性難聴は一度進行すると回復が難しいため、作業環境測定、健康診断、耳栓などの保護具の使用、騒音源対策が重要です。

(2) 音圧レベルは、通常、人間が聴くことができる最も小さな音圧に対する比の常用対数を20倍して求められる。

適切です。音圧レベルは、基準となる音圧に対する測定音圧の比を用いて表します。音の強さの感じ方は直線的ではなく、非常に広い範囲の音を扱うため、対数を用いてデシベルで表します。音圧レベルは、通常、人間が聴くことができる最小の音圧を基準とし、その比の常用対数を20倍して求めます。音のエネルギー量そのものではなく、音圧の比を対数で扱う点が重要です。

(3) 騒音は、自律神経系や内分泌系へも影響を与えるため、騒音ばく露により、交感神経の活動の亢(こう)進や副腎皮質ホルモンの分泌の増加が認められることがある。

適切です。騒音による健康影響は、耳への影響だけではありません。強い騒音や長時間の騒音ばく露は、ストレス刺激となり、自律神経系や内分泌系にも影響を与えることがあります。交感神経の活動が亢進すると、心拍数の増加、血圧上昇、緊張感などにつながることがあります。また、副腎皮質ホルモンなどの分泌が増えることもあり、騒音は全身の生理反応にも関係します。騒音障害は難聴だけではないと押さえておくことが大切です。

(4) 人が聴くことのできる音の周波数は、10Hzから30,000Hz程度までであり、このうち会話音域は2,000Hzから4,000Hz程度までである。

不適切です。人が聴くことのできる音の周波数は、おおむね20Hzから20,000Hz程度です。また、会話音域はおおむね500Hzから2,000Hz程度とされています。2,000Hzから4,000Hzは、騒音性難聴で初期に障害が出やすい高めの周波数帯と混同しやすい部分です。特に4,000Hz付近はc5dipとして問われることが多く、会話音域そのものではありません。したがって、この選択肢は可聴範囲と会話音域の数値が誤っています。

(5) 等価騒音レベルは、時間的に変動する騒音レベルのエネルギー的な平均値を表す量で、変動する騒音に対する人間の生理・心理的反応とよく対応している。

適切です。等価騒音レベルは、時間とともに変動する騒音を、一定時間内のエネルギー平均として表す指標です。作業場の騒音は常に一定ではなく、機械の運転、停止、衝撃音などによって変動します。そのため、瞬間的な音の大きさだけでなく、一定時間にわたってどの程度の騒音エネルギーにばく露されたかを評価する必要があります。等価騒音レベルは、変動騒音による人間の生理的、心理的反応とよく対応する指標として用いられます。

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この問題で覚えるポイント

騒音性難聴では、初期に4,000Hz付近の聴力低下がみられ、この型をc5dipといいます。人が聴くことのできる音の周波数は、おおむね20Hzから20,000Hz程度であり、会話音域はおおむね500Hzから2,000Hz程度です。4,000Hz付近は騒音性難聴で障害が出やすい周波数であって、会話音域の中心ではありません。音圧レベルは、基準音圧に対する比の常用対数を20倍して求め、単位はデシベルで表します。等価騒音レベルは、時間的に変動する騒音レベルをエネルギー平均した量で、変動騒音の評価に使われます。騒音の健康影響は難聴だけでなく、自律神経系や内分泌系にも及び、交感神経活動の亢進や副腎皮質ホルモン分泌の増加がみられることがあります。試験では、可聴範囲、会話音域、c5dip、等価騒音レベルの意味を数値とセットで整理することが重要です。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、4,000Hzという数字が複数の知識と結びついて見える点です。騒音性難聴では4,000Hz付近の聴力低下、つまりc5dipが重要なので、2,000Hzから4,000Hzを会話音域とする記述も正しそうに感じられます。しかし、会話音域はおおむね500Hzから2,000Hz程度であり、4,000Hz付近は騒音性難聴で障害が出やすい周波数として整理します。また、可聴範囲は10Hzから30,000Hzではなく、おおむね20Hzから20,000Hzです。騒音の問題では、数値が少しずれていても文章全体が自然に見えるため、雰囲気で判断すると誤答しやすくなります。c5dip、会話音域、可聴範囲をそれぞれ別の知識として切り分け、周波数の数字をセットで覚えることが大切です。

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