【第一種衛生管理者過去問】2024年10月公表問題|問2|作業主任者の選任義務と対象業務一覧|関係法令(有害業務)を解説

出典:第一種衛生管理者2024年(令和6年度)10月公表問題|関係法令(有害業務に係るもの)第2問

問題

次の作業を行うとき、法令上、作業主任者の選任が義務付けられているものはどれか。

(1) ドライアイスを使用して冷蔵を行っている冷蔵庫の内部における作業

(2) 屋内で粉状のアルミニウムを袋詰めする作業

(3) レーザー光線による金属加工の作業

(4) 試験研究業務として塩素を取り扱う作業

(5) 潜水器を用いボンベからの給気を受けて行う潜水作業

第1種衛生管理者|作業主任者の選任義務と対象業務一覧を解説

作業主任者は、労働災害を防止するために、危険性や有害性が高い一定の作業について選任が義務付けられる管理者です。答えは(1)です。ドライアイスを使用して冷蔵を行っている冷蔵庫の内部作業は、二酸化炭素による酸素欠乏や中毒のおそれがあるため、酸素欠乏危険作業に該当し、酸素欠乏危険作業主任者の選任が必要です。選択肢の中には危険そうに見える作業もありますが、法令上の作業主任者の選任対象かどうかで判断することが重要です。

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(1) ドライアイスを使用して冷蔵を行っている冷蔵庫の内部における作業

適切です。ドライアイスは固体の二酸化炭素であり、気化すると二酸化炭素ガスになります。密閉性の高い冷蔵庫の内部では、二酸化炭素がたまり、空気中の酸素濃度が低下するおそれがあります。酸素濃度が低下すると、めまい、意識障害、窒息などの危険が生じます。このような場所での作業は酸素欠乏危険作業に該当し、法令上、酸素欠乏危険作業主任者を選任して、作業方法の決定、換気、酸素濃度の測定、労働者の指揮などを行わせる必要があります。

(2) 屋内で粉状のアルミニウムを袋詰めする作業

不適切です。粉状のアルミニウムは、粉じん爆発や粉じん吸入の危険性があるため注意が必要な作業です。しかし、この選択肢の作業そのものは、第一種衛生管理者試験で問われる作業主任者の選任義務の対象としては扱われません。粉じん作業では、局所排気装置、呼吸用保護具、清掃、発じん抑制などの管理が重要になりますが、ここでは「作業主任者を選任しなければならない作業か」を問われています。危険性がある作業だからといって、すべてが作業主任者の選任対象になるわけではありません。

(3) レーザー光線による金属加工の作業

不適切です。レーザー光線による金属加工では、眼や皮膚への障害、反射光による危険、金属ヒュームの発生などに注意が必要です。適切な遮へい、保護眼鏡、換気、作業区域の管理などが求められます。ただし、レーザー光線による金属加工の作業は、法令上の作業主任者を選任しなければならない作業としては一般に整理されません。危険有害性のある作業と、作業主任者の選任が義務付けられる作業は必ずしも一致しないため、対象業務を区別して覚える必要があります。

(4) 試験研究業務として塩素を取り扱う作業

不適切です。塩素は有害性の強い物質であり、吸入すると呼吸器に強い刺激を与えるため、換気、漏えい防止、保護具の使用などが重要です。ただし、試験研究業務として取り扱う場合は、作業主任者の選任義務の適用対象から除かれる場合があります。特定化学物質などを取り扱う作業では作業主任者が必要となる場合がありますが、試験研究業務については例外として扱われる点が試験で狙われやすいです。塩素という有害物質名だけで判断せず、試験研究業務であることに注意します。

(5) 潜水器を用いボンベからの給気を受けて行う潜水作業

不適切です。潜水器を用いる潜水作業には、水圧、減圧症、溺水、給気不良などの危険があります。そのため、潜水業務には特別教育や健康管理など、さまざまな安全衛生上の規制があります。ただし、この選択肢のように潜水器を用いボンベからの給気を受けて行う潜水作業は、第一種衛生管理者試験で問われる作業主任者の選任義務の対象としては扱われません。危険な作業であっても、作業主任者の選任対象に該当するかは別に確認する必要があります。

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この問題で覚えるポイント

作業主任者の選任義務は、危険または有害な作業のうち、法令で定められた特定の作業に限って発生します。酸素欠乏危険作業では、酸素濃度の低下や有害ガスの発生により、短時間で重大な災害につながるおそれがあるため、酸素欠乏危険作業主任者の選任が必要です。ドライアイスは二酸化炭素を発生させ、密閉空間では酸素欠乏や二酸化炭素中毒の原因になります。冷蔵庫、タンク、ピット、マンホール、井戸、地下室など、換気が不十分になりやすい場所では酸素欠乏の危険を意識します。特定化学物質を取り扱う作業では作業主任者が必要となる場合がありますが、試験研究業務は例外として扱われる場合があるため、物質名だけで判断しないことが大切です。レーザー作業、粉状金属の取扱い、潜水作業などは危険性があっても、この設問では作業主任者の選任義務の対象として問われていない点を区別します。

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ひっかけポイント

この問題では、「危険そうな作業」と「作業主任者の選任が法令上必要な作業」を混同させる狙いがあります。粉状アルミニウム、レーザー光線、塩素、潜水作業はいずれも危険有害性を連想しやすく、選びたくなります。しかし、作業主任者の問題では、危険そうかどうかではなく、法令で作業主任者の選任が義務付けられている作業かどうかを確認する必要があります。特に塩素は有害物質なので選びやすいですが、「試験研究業務として」という条件が付くと例外になる場合があります。また、ドライアイスは一見すると冷蔵に使う身近な物に見えますが、密閉空間では二酸化炭素がたまって酸素欠乏を起こす危険があります。日常感覚で安全そうに見えるものほど、密閉空間や換気不良という条件が加わると重大な危険になる点を押さえることが大切です。

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