出典:第一種衛生管理者2024年(令和6年度)4月公表問題|関係法令(有害業務に係るもの以外のもの)第26問
問題
労働基準法における労働時間等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1) 1日8時間を超えて労働させることができるのは、時間外労働の協定を締結し、これを所轄労働基準監督署長に届け出た場合に限られている。
(2) 労働時間に関する規定の適用については、事業場を異にする場合は労働時間を通算しない。
(3) 労働時間が8時間を超える場合においては、少なくとも45分の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
(4) 機密の事務を取り扱う労働者については、所轄労働基準監督署長の許可を受けなくても労働時間に関する規定は適用されない。
(5) フレックスタイム制の清算期間は、6か月以内の期間に限られる。
第1種衛生管理者|労働基準法の労働時間・休憩時間・フレックスタイム制を解説
労働基準法の労働時間、休憩時間、適用除外、フレックスタイム制に関する基本知識を確認する問題です。答えは(4)です。機密の事務を取り扱う労働者は、労働時間、休憩、休日に関する規定の適用除外に該当し、所轄労働基準監督署長の許可は必要ありません。管理監督者や機密事務取扱者などは、通常の労働時間管理になじまない立場として扱われるためです。
を解説する画像__1syu-2024-04-hourei-q26-576x1024.webp)
(1) 1日8時間を超えて労働させることができるのは、時間外労働の協定を締結し、これを所轄労働基準監督署長に届け出た場合に限られている。
不適切です。1日8時間を超える労働は、いわゆる36協定を締結して届け出た場合に可能になりますが、それだけに限られるわけではありません。労働基準法には、変形労働時間制やフレックスタイム制など、一定の要件を満たせば特定の日に8時間を超えて労働させることができる制度があります。そのため、「36協定の場合に限られる」と断定している点が誤りです。試験では「限られている」「必ず」などの強い表現に注意することが大切です。
(2) 労働時間に関する規定の適用については、事業場を異にする場合は労働時間を通算しない。
不適切です。労働基準法では、労働時間は事業場を異にする場合でも通算されます。同じ使用者のもとで別の事業場で働く場合だけでなく、複数の事業場で働く場合にも、労働時間を合算して法定労働時間を超えていないかを考える必要があります。つまり、場所が違えば別々に扱ってよいというわけではありません。労働者の健康確保という観点から、実際に働いた時間全体を見て判断することが重要です。
(3) 労働時間が8時間を超える場合においては、少なくとも45分の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
不適切です。労働時間が6時間を超える場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩時間を与える必要があります。この選択肢は、8時間を超える場合の休憩時間を45分としているため誤りです。45分と1時間の区別は頻出です。6時間超えは45分以上、8時間超えは1時間以上と整理して覚えると判断しやすくなります。
(4) 機密の事務を取り扱う労働者については、所轄労働基準監督署長の許可を受けなくても労働時間に関する規定は適用されない。
適切です。機密の事務を取り扱う労働者は、労働時間、休憩、休日に関する規定の適用除外に該当します。機密の事務を取り扱う労働者とは、経営者や管理監督者と一体的な立場で、重要な機密事項に関わるような労働者をいいます。この適用除外については、所轄労働基準監督署長の許可は必要ありません。なお、監視又は断続的労働に従事する者については、所轄労働基準監督署長の許可が必要となるため、ここを混同しないことが大切です。
(5) フレックスタイム制の清算期間は、6か月以内の期間に限られる。
不適切です。フレックスタイム制の清算期間は、3か月以内の期間とされています。清算期間とは、その期間内の総労働時間をあらかじめ定め、労働者が始業時刻や終業時刻を一定の範囲で自分で決めることができる制度における計算期間です。この選択肢は「6か月以内」としている点が誤りです。フレックスタイム制では「清算期間は3か月以内」と押さえておきましょう。
この問題で覚えるポイント
労働基準法の法定労働時間は、原則として1日8時間、1週40時間です。これを超えて労働させるには36協定が代表的ですが、変形労働時間制やフレックスタイム制などの制度によって、一定の要件のもとで特定の日に8時間を超える労働が可能になる場合があります。休憩時間は、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上です。労働時間は事業場を異にする場合でも通算されます。労働時間、休憩、休日の規定が適用されない者として、管理監督者や機密の事務を取り扱う者などがあります。機密事務取扱者については労働基準監督署長の許可は不要ですが、監視又は断続的労働に従事する者については許可が必要です。フレックスタイム制の清算期間は3か月以内です。
ひっかけポイント
このテーマでは、数値のすり替えと例外規定の混同が狙われやすいです。休憩時間では「6時間超えは45分、8時間超えは1時間」という区別をあいまいにしていると誤答しやすくなります。労働時間の超過についても、36協定だけを思い浮かべると、変形労働時間制やフレックスタイム制という例外を見落とします。また、適用除外では「許可が必要なもの」と「許可が不要なもの」の混同が頻出です。機密事務取扱者は許可不要、監視又は断続的労働は許可必要という整理が正答につながります。
