出典:第一種衛生管理者2022年(令和4年度)10月公表問題|関係法令(有害業務に係るもの以外のもの)第25問
問題
事務室の空気環境の測定、設備の点検等に関する次の記述のうち、法令上、誤っているものはどれか。
(1) 中央管理方式の空気調和設備を設けた建築物内の事務室については、空気中の一酸化炭素及び二酸化炭素の含有率を、6か月以内ごとに1回、定期に、測定しなければならない。
(2) 事務室の建築、大規模の修繕又は大規模の模様替を行ったときは、その事務室における空気中のホルムアルデヒドの濃度を、その事務室の使用を開始した日以後所定の時期に1回、測定しなければならない。
(3) 燃焼器具を使用するときは、発熱量が著しく少ないものを除き、毎日、異常の有無を点検しなければならない。
(4) 事務室において使用する機械による換気のための設備については、2か月以内ごとに1回、定期に、異常の有無を点検しなければならない。
(5) 空気調和設備内に設けられた排水受けについては、原則として、1か月以内ごとに1回、定期に、その汚れ及び閉塞の状況を点検しなければならない。
第1種衛生管理者|事務室の空気環境測定と設備点検基準を解説
事務室の空気環境については、一酸化炭素や二酸化炭素、ホルムアルデヒドの測定、燃焼器具や換気設備、空気調和設備の点検頻度が法令で定められています。答えは(1)です。中央管理方式の空気調和設備を設けた建築物内の事務室における一酸化炭素及び二酸化炭素の含有率の測定は、6か月以内ごとに1回ではなく、2か月以内ごとに1回行う必要があります。空気環境測定と設備点検は、数値や期間の入れ替えが狙われやすいため、測定対象ごとの頻度を整理して覚えることが大切です。
(1) 中央管理方式の空気調和設備を設けた建築物内の事務室については、空気中の一酸化炭素及び二酸化炭素の含有率を、6か月以内ごとに1回、定期に、測定しなければならない。
不適切です。その理由は、一酸化炭素及び二酸化炭素の含有率の測定頻度が誤っているためです。中央管理方式の空気調和設備を設けた建築物内の事務室では、空気中の一酸化炭素及び二酸化炭素の含有率について、2か月以内ごとに1回、定期に測定しなければなりません。一酸化炭素は不完全燃焼などにより発生し、体内の酸素運搬を妨げる危険があります。二酸化炭素は、室内の換気状態を判断する代表的な指標です。事務室では多くの人が長時間過ごすため、換気が不十分になると健康障害や作業能率の低下につながります。6か月以内ごとに1回という頻度ではなく、2か月以内ごとに1回という点を正確に押さえる必要があります。
(2) 事務室の建築、大規模の修繕又は大規模の模様替を行ったときは、その事務室における空気中のホルムアルデヒドの濃度を、その事務室の使用を開始した日以後所定の時期に1回、測定しなければならない。
適切です。その理由は、建築、大規模修繕又は大規模模様替の後には、建材や内装材などからホルムアルデヒドが発散する可能性があるためです。ホルムアルデヒドは、目や鼻、のどへの刺激症状を起こすことがあり、いわゆるシックハウス症候群に関係する物質としても知られています。そのため、事務室の使用を開始した後、一定の時期に1回、空気中のホルムアルデヒド濃度を測定する必要があります。ここで重要なのは、ホルムアルデヒドの測定は毎月や2か月ごとに継続して行うものではなく、建築等の後に所定の時期に1回行うという点です。
(3) 燃焼器具を使用するときは、発熱量が著しく少ないものを除き、毎日、異常の有無を点検しなければならない。
適切です。その理由は、燃焼器具は不完全燃焼により一酸化炭素を発生させるおそれがあるためです。一酸化炭素は無色無臭で気づきにくく、吸い込むと血液中のヘモグロビンと強く結合し、体内で酸素が運ばれにくくなります。重い場合には命に関わる危険もあります。そのため、燃焼器具を使用する場合には、発熱量が著しく少ないものを除き、毎日、異常の有無を点検することが求められます。試験では、燃焼器具は毎日点検という頻度が重要です。
(4) 事務室において使用する機械による換気のための設備については、2か月以内ごとに1回、定期に、異常の有無を点検しなければならない。
適切です。その理由は、機械換気設備が正常に作動しないと、事務室内の二酸化炭素濃度の上昇、臭気の滞留、温湿度環境の悪化などにつながるためです。事務室では、自然換気だけでなく機械による換気設備に頼る場合があります。この設備に異常があると、空気環境の基準を満たせなくなるおそれがあります。そのため、2か月以内ごとに1回、定期に異常の有無を点検しなければなりません。一酸化炭素及び二酸化炭素の測定頻度と同じく、2か月以内ごとに1回と覚えると整理しやすいです。
(5) 空気調和設備内に設けられた排水受けについては、原則として、1か月以内ごとに1回、定期に、その汚れ及び閉塞の状況を点検しなければならない。
適切です。その理由は、空気調和設備内の排水受けに汚れや閉塞があると、微生物の繁殖、悪臭、排水不良などが発生し、室内の空気環境を悪化させるおそれがあるためです。空気調和設備は、温度や湿度を調整するだけでなく、室内環境の衛生状態にも関係します。排水受けは水分がたまりやすく、管理が不十分だと汚れや詰まりが生じやすい部分です。そのため、原則として1か月以内ごとに1回、定期に汚れ及び閉塞の状況を点検する必要があります。設備の点検頻度は部位によって異なるため、排水受けは1か月以内ごとに1回と区別して覚えましょう。
この問題で覚えるポイント
事務室の空気環境では、中央管理方式の空気調和設備を設けた建築物内の事務室について、一酸化炭素及び二酸化炭素の含有率は2か月以内ごとに1回測定します。ホルムアルデヒドは、事務室の建築、大規模修繕又は大規模模様替を行った場合に、使用開始後の所定の時期に1回測定します。燃焼器具は、不完全燃焼による一酸化炭素発生の危険があるため、発熱量が著しく少ないものを除き、毎日異常の有無を点検します。機械による換気設備は、2か月以内ごとに1回、定期に異常の有無を点検します。空気調和設備内の排水受けは、原則として1か月以内ごとに1回、汚れ及び閉塞の状況を点検します。空気環境測定と設備点検では、対象によって2か月、1か月、毎日、1回だけという頻度が変わるため、何を、いつ、どのくらいの頻度で行うのかをセットで覚えることが正誤判断に直結します。
ひっかけポイント
このテーマでは、測定や点検の対象そのものは正しく書かれていて、頻度だけが微妙に変えられるパターンがよく出ます。一酸化炭素及び二酸化炭素の測定は重要な空気環境測定なので、6か月以内ごとに1回ではなく2か月以内ごとに1回です。6か月という数字を見ると、健康診断や作業環境測定など別分野の周期と混同して正しいように感じてしまうことがあります。また、ホルムアルデヒドは継続的に何度も測るものではなく、建築や大規模修繕などの後に所定の時期に1回測定する点が特徴です。燃焼器具は毎日、機械換気設備は2か月以内ごと、排水受けは1か月以内ごとというように、設備ごとのリスクの性質に応じて点検頻度が異なります。文章の前半が正しくても、最後の頻度がずれていれば誤りになるため、試験では対象と頻度を必ず照合する習慣をつけることが大切です。
