【第一種衛生管理者過去問】2022年4月公表問題|問22|総括安全衛生管理者と産業医の職務・法的義務|関係法令(有害業務以外)を解説

出典:第一種衛生管理者2022年(令和4年度)4月公表問題|関係法令(有害業務に係るもの以外のもの)第22問

問題

総括安全衛生管理者又は産業医に関する次の記述のうち、法令上、誤っているものはどれか。ただし、産業医の選任の特例はないものとする

(1) 総括安全衛生管理者は、事業場においてその事業の実施を統括管理する者をもって充てなければならない。

(2) 都道府県労働局長は、労働災害を防止するため必要があると認めるときは、総括安全衛生管理者の業務の執行について事業者に勧告することができる。

(3) 総括安全衛生管理者が旅行、疾病、事故その他やむを得ない事由によって職務を行うことができないときは、代理者を選任しなければならない。

(4) 産業医は、衛生委員会を開催した都度作成する議事概要を、毎月1回以上、事業者から提供されている場合には、作業場等の巡視の頻度を、毎月1回以上から2か月に1回以上にすることができる。

(5) 事業者は、産業医から労働者の健康管理等について勧告を受けたときは、当該勧告の内容及び当該勧告を踏まえて講じた措置の内容(措置を講じない場合にあっては、その旨及びその理由)を記録し、これを3年間保存しなければならない。

第1種衛生管理者|総括安全衛生管理者と産業医の職務・法的義務を解説

総括安全衛生管理者は、安全管理者や衛生管理者を指揮し、事業場の安全衛生管理を統括する立場の者です。産業医は、労働者の健康管理について専門的立場から助言、指導、勧告などを行います。答えは(4)です。産業医の作業場巡視は原則として毎月1回以上ですが、一定の情報提供を受け、事業者の同意がある場合には、2か月に1回以上とすることができます。ただし、衛生委員会の議事概要の提供だけで頻度を減らせるわけではありません。

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(1) 総括安全衛生管理者は、事業場においてその事業の実施を統括管理する者をもって充てなければならない。

適切です。総括安全衛生管理者は、単に安全衛生に詳しい人を選べばよいというものではなく、その事業場で事業の実施を実質的に統括管理する権限と責任を持つ者を充てる必要があります。たとえば工場長、支店長、事業場長のように、その事業場全体を管理する立場の者が想定されます。総括安全衛生管理者は、安全管理者や衛生管理者を指揮し、労働者の危険又は健康障害を防止する措置などを統括管理するため、現場全体を動かせる立場であることが重要です。

(2) 都道府県労働局長は、労働災害を防止するため必要があると認めるときは、総括安全衛生管理者の業務の執行について事業者に勧告することができる。

適切です。総括安全衛生管理者が適切に業務を行っていない場合など、労働災害を防止するために必要があると認められるときは、都道府県労働局長が事業者に対して勧告することができます。ここで注意したいのは、勧告の相手方は総括安全衛生管理者本人ではなく、事業者である点です。安全衛生管理体制を整備し、機能させる最終的な責任は事業者にあるためです。

(3) 総括安全衛生管理者が旅行、疾病、事故その他やむを得ない事由によって職務を行うことができないときは、代理者を選任しなければならない。

適切です。総括安全衛生管理者が不在となり職務を行えない場合には、代理者を選任する必要があります。総括安全衛生管理者は、事業場の安全衛生管理を統括する重要な役割を担うため、旅行、疾病、事故などで一時的に職務を行えない場合でも、安全衛生管理に空白が生じないようにする必要があります。試験では、選任義務だけでなく、不在時の代理者についても問われることがあります。

(4) 産業医は、衛生委員会を開催した都度作成する議事概要を、毎月1回以上、事業者から提供されている場合には、作業場等の巡視の頻度を、毎月1回以上から2か月に1回以上にすることができる。

不適切です。産業医の作業場等の巡視は、原則として毎月1回以上行う必要があります。一定の条件を満たす場合には、巡視の頻度を少なくとも2か月に1回とすることができますが、そのためには、事業者から産業医へ所定の情報が毎月1回以上提供され、さらに事業者の同意が必要です。所定の情報には、衛生管理者が行う巡視の結果などが含まれます。この選択肢は、衛生委員会の議事概要を毎月提供すれば足りるように書かれており、必要な条件を正確に満たしていません。そのため、法令上誤りです。

(5) 事業者は、産業医から労働者の健康管理等について勧告を受けたときは、当該勧告の内容及び当該勧告を踏まえて講じた措置の内容(措置を講じない場合にあっては、その旨及びその理由)を記録し、これを3年間保存しなければならない。

適切です。産業医は、労働者の健康を確保するため必要があると認めるとき、事業者に対して勧告することができます。事業者は、産業医から勧告を受けた場合、その内容と、勧告を踏まえて講じた措置の内容を記録し、3年間保存しなければなりません。もし措置を講じない場合であっても、その旨と理由を記録する必要があります。産業医の勧告は、単なる助言ではなく、事業者が適切に受け止め、記録として残すことが求められる重要な手続です。

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この問題で覚えるポイント

総括安全衛生管理者は、事業場でその事業の実施を実質的に統括管理する者から選任します。安全管理者や衛生管理者とは異なり、専門資格者というよりも、事業場全体を管理できる権限と責任を持つ者であることが重要です。都道府県労働局長は、労働災害防止のため必要があると認めるとき、総括安全衛生管理者の業務の執行について事業者に勧告できます。総括安全衛生管理者が旅行、疾病、事故などで職務を行えないときは、代理者を選任しなければなりません。産業医の職場巡視は原則として毎月1回以上ですが、事業者から所定の情報が毎月1回以上提供され、事業者の同意がある場合には、少なくとも2か月に1回にすることができます。産業医から健康管理等について勧告を受けた事業者は、勧告内容、講じた措置の内容、措置を講じない場合の理由を記録し、3年間保存する必要があります。

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ひっかけポイント

この問題の大きなひっかけは、産業医の巡視頻度を2か月に1回にできる条件を、衛生委員会の議事概要の提供だけにすり替えている点です。産業医の巡視は原則として毎月1回以上なので、例外を認めるには条件を正確に押さえる必要があります。議事概要の提供という言葉はもっともらしく見えますが、巡視頻度を減らす条件としては不十分です。また、総括安全衛生管理者については、誰が選任対象になるのか、誰に対して勧告できるのか、不在時に代理者が必要かという細かい規定が問われます。名称だけを見ると、専門知識を持つ安全衛生担当者を選ぶように感じますが、実際には事業場全体を統括管理する立場の者を充てる点が重要です。法令問題では、一部だけ正しい文章に別の条件を混ぜて誤りにするパターンが多いため、原則、例外、条件、保存年限をセットで確認することが大切です。

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