出典:第一種衛生管理者2022年(令和4年度)4月公表問題|関係法令(有害業務に係るもの以外のもの)第21問
問題
衛生委員会に関する次の記述のうち、法令上、正しいものはどれか。
(1) 衛生委員会の議長は、衛生管理者である委員のうちから、事業者が指名しなければならない。
(2) 衛生委員会の議長を除く委員の半数は、事業場に労働者の過半数で組織する労働組合があるときにおいてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときにおいては労働者の過半数を代表する者が指名しなければならない。
(3) 衛生管理者として選任しているが事業場に専属でない労働衛生コンサルタントを、衛生委員会の委員として指名することはできない。
(4) 衛生委員会の付議事項には、労働者の精神的健康の保持増進を図るための対策の樹立に関することが含まれる。
(5) 衛生委員会は、毎月1回以上開催するようにし、議事で重要なものに係る記録を作成して、これを5年間保存しなければならない。
第1種衛生管理者|衛生委員会の構成・議事内容・開催基準を解説
衛生委員会は、常時50人以上の労働者を使用する事業場で、労働者の健康障害防止や健康保持増進について調査審議するために設けられる委員会です。正解は(4)です。衛生委員会の付議事項には、健康障害防止対策、健康保持増進対策、労働災害原因と再発防止対策のほか、長時間労働による健康障害防止、労働者の精神的健康の保持増進を図るための対策の樹立などが含まれます。
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(1) 衛生委員会の議長は、衛生管理者である委員のうちから、事業者が指名しなければならない。
不適切です。衛生委員会の議長は、総括安全衛生管理者又はこれに準ずる者のうちから事業者が指名した者がなります。衛生管理者が委員になることはありますが、議長を衛生管理者の中から指名しなければならないわけではありません。衛生委員会は事業場全体の衛生管理について審議する場であるため、議長には事業場の管理責任を持つ立場の者が想定されています。
(2) 衛生委員会の議長を除く委員の半数は、事業場に労働者の過半数で組織する労働組合があるときにおいてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときにおいては労働者の過半数を代表する者が指名しなければならない。
不適切です。衛生委員会の議長を除く委員の半数については、過半数労働組合又は労働者の過半数代表者の推薦に基づき、事業者が指名します。労働組合や過半数代表者が直接指名するわけではありません。ここでは「推薦」と「指名」の違いが重要です。労働者側の意見を反映させるために推薦を受けますが、法令上、委員として指名する主体は事業者です。
(3) 衛生管理者として選任しているが事業場に専属でない労働衛生コンサルタントを、衛生委員会の委員として指名することはできない。
不適切です。衛生委員会の委員には、衛生管理者のうちから事業者が指名した者を含めることができます。また、衛生管理者として選任されている労働衛生コンサルタントについて、事業場に専属でないことだけを理由に衛生委員会の委員として指名できないとはされていません。労働衛生コンサルタントは専門的知識を持つ者であり、衛生管理者として選任されている場合には、衛生委員会の委員として関与することができます。
(4) 衛生委員会の付議事項には、労働者の精神的健康の保持増進を図るための対策の樹立に関することが含まれる。
適切です。衛生委員会で調査審議する事項には、労働者の健康障害を防止するための基本となるべき対策、健康の保持増進を図るための基本となるべき対策、労働災害の原因や再発防止対策などがあります。さらに、メンタルヘルス対策に関する内容として、労働者の精神的健康の保持増進を図るための対策の樹立も付議事項に含まれます。近年の衛生管理では、身体的な健康だけでなく、ストレスやメンタルヘルスへの対応も重要な管理項目です。
(5) 衛生委員会は、毎月1回以上開催するようにし、議事で重要なものに係る記録を作成して、これを5年間保存しなければならない。
不適切です。衛生委員会は、毎月1回以上開催するようにしなければなりません。この部分は正しいです。しかし、議事で重要なものに係る記録の保存期間は5年間ではなく3年間です。衛生委員会の開催頻度と議事記録の保存期間は、数字が問われやすいところです。毎月1回以上、記録は3年間保存と整理して覚えるとよいです。
この問題で覚えるポイント
衛生委員会は、常時50人以上の労働者を使用する事業場で設置が必要となる委員会です。議長は、総括安全衛生管理者又はこれに準ずる者のうちから事業者が指名した者です。委員には、衛生管理者、産業医、衛生に関し経験を有する労働者などが含まれます。議長以外の委員の半数については、過半数労働組合又は過半数代表者の推薦に基づいて事業者が指名します。衛生委員会の付議事項には、健康障害防止対策、健康保持増進対策、労働災害の原因と再発防止対策、長時間労働による健康障害防止対策、精神的健康の保持増進対策などが含まれます。開催頻度は毎月1回以上で、重要な議事の記録は3年間保存します。安全委員会と衛生委員会の構成や付議事項は似ていますが、衛生委員会ではメンタルヘルスや健康保持増進に関する事項が特に重要です。
ひっかけポイント
このテーマでは、誰が推薦し、誰が指名するのかを混同しやすいです。労働者側の代表は委員を直接指名するのではなく、推薦を行い、最終的に事業者が指名します。また、議長を衛生管理者から選ぶと考えてしまいがちですが、議長は総括安全衛生管理者又はこれに準ずる者から選ばれます。さらに、毎月1回以上という開催頻度は正しくても、記録の保存期間を5年とする部分が誤りになるように、一部だけ正しい文章には注意が必要です。衛生委員会の問題では、構成員、指名方法、付議事項、開催頻度、記録保存期間の数字をセットで確認することが正誤判断の近道です。
