【第一種衛生管理者過去問】2022年4月公表問題|問23|雇入時健康診断の実施基準・省略要件・保存義務|関係法令(有害業務以外)を解説

出典:第一種衛生管理者2022年(令和4年度)4月公表問題|関係法令(有害業務に係るもの以外のもの)第23問

問題

労働安全衛生規則に基づく医師による雇入時の健康診断に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか

(1) 医師による健康診断を受けた後3か月を経過しない者を雇い入れる場合、その健康診断の結果を証明する書面の提出があったときは、その健康診断の項目に相当する雇入時の健康診断の項目は省略することができる。

(2) 雇入時の健康診断では、40歳未満の者について医師が必要でないと認めるときは、貧血検査、肝機能検査等一定の検査項目を省略することができる。

(3) 事業場において実施した雇入時の健康診断の項目に異常の所見があると診断された労働者については、その結果に基づき、健康を保持するために必要な措置について、健康診断が行われた日から3か月以内に、医師の意見を聴かなければならない。

(4) 雇入時の健康診断の結果に基づき、健康診断個人票を作成して、これを5年間保存しなければならない。

(5) 常時50人以上の労働者を使用する事業場であっても、雇入時の健康診断の結果については、所轄労働基準監督署長に報告する必要はない。

第1種衛生管理者|雇入時健康診断の実施基準・省略要件・保存義務を解説

雇入時健康診断は、労働者を雇い入れる際に事業者が実施しなければならない健康診断です。答えは(2)です。定期健康診断では、年齢や医師の判断により一部項目を省略できる場合がありますが、雇入時健康診断では原則として省略できません。この違いが正誤判断の中心になります。

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(1) 医師による健康診断を受けた後3か月を経過しない者を雇い入れる場合、その健康診断の結果を証明する書面の提出があったときは、その健康診断の項目に相当する雇入時の健康診断の項目は省略することができる。

適切です。雇入れ前3か月以内に医師による健康診断を受けており、その結果を証明する書面を提出した場合は、雇入時健康診断のうち相当する項目を省略できます。すでに同等の検査結果がある場合に、重複して実施する必要はないという扱いです。

(2) 雇入時の健康診断では、40歳未満の者について医師が必要でないと認めるときは、貧血検査、肝機能検査等一定の検査項目を省略することができる。

不適切です。雇入時健康診断では、貧血検査、肝機能検査、血中脂質検査、血糖検査、心電図検査などを、年齢や医師の判断だけで省略することはできません。このような省略規定は、主に定期健康診断で問われる内容です。雇入時健康診断は、雇入れ時点の健康状態を把握する重要な基礎資料となるため、原則として定められた項目を実施します。

(3) 事業場において実施した雇入時の健康診断の項目に異常の所見があると診断された労働者については、その結果に基づき、健康を保持するために必要な措置について、健康診断が行われた日から3か月以内に、医師の意見を聴かなければならない。

適切です。健康診断で異常の所見がある労働者については、事業者は医師の意見を聴く必要があります。これは、就業場所の変更、作業内容の変更、労働時間の短縮など、労働者の健康を守るために必要な措置を判断するためです。意見聴取は、健康診断が行われた日から3か月以内に行います。

(4) 雇入時の健康診断の結果に基づき、健康診断個人票を作成して、これを5年間保存しなければならない。

適切です。雇入時健康診断を実施した場合、事業者は健康診断個人票を作成し、5年間保存しなければなりません。健康診断個人票は、労働者の健康状態を継続的に管理するための記録であり、労働衛生管理上重要な資料になります。

(5) 常時50人以上の労働者を使用する事業場であっても、雇入時の健康診断の結果については、所轄労働基準監督署長に報告する必要はない。

適切です。常時50人以上の労働者を使用する事業場では、定期健康診断結果報告書の提出が必要ですが、雇入時健康診断の結果については報告義務はありません。ここでは、定期健康診断と雇入時健康診断の報告義務の違いを押さえることが大切です。

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この問題で覚えるポイント

雇入時健康診断は、労働者を雇い入れる際に実施する健康診断であり、定期健康診断と異なり、年齢や医師の判断による一部項目の省略は原則として認められません。ただし、雇入れ前3か月以内に医師による健康診断を受け、その結果を証明する書面を提出した場合は、相当する項目を省略できます。健康診断で異常の所見がある場合は、健康診断実施日から3か月以内に医師の意見を聴く必要があります。健康診断個人票は5年間保存します。常時50人以上の事業場では定期健康診断結果報告書の提出が必要ですが、雇入時健康診断の結果は所轄労働基準監督署長へ報告する必要はありません。

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ひっかけポイント

このテーマでは、雇入時健康診断と定期健康診断の違いを混同させる出題がよくあります。特に、40歳未満なら一部検査を省略できるという知識は定期健康診断では出てくるため、雇入時健康診断にも同じように当てはめてしまうと誤答につながります。また、常時50人以上という条件を見ると、すぐに労働基準監督署長への報告が必要だと考えがちですが、報告義務があるのは定期健康診断であり、雇入時健康診断ではありません。年齢による省略、3か月以内の書面提出による省略、5年間保存、報告義務の有無を整理しておくと、同じパターンの問題にも対応しやすくなります。

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