【第一種衛生管理者過去問】2021年10月公表問題|問21|総括安全衛生管理者の選任義務がある業種一覧|関係法令(有害業務以外)を解説

出典:第一種衛生管理者2021年(令和3年度)10月公表問題|関係法令(有害業務に係るもの以外のもの)第21問

問題

常時使用する労働者数が300人で、次の業種に属する事業場のうち、法令上、総括安全衛生管理者の選任が義務付けられていない業種はどれか。

(1) 通信業

(2) 各種商品小売業

(3) 旅館業

(4) ゴルフ場業

(5) 医療業

第1種衛生管理者|総括安全衛生管理者の選任義務がある業種一覧を解説

総括安全衛生管理者は、事業場全体の安全衛生管理を統括する責任者です。選任義務は、業種と常時使用する労働者数によって決まります。通信業、各種商品小売業、旅館業、ゴルフ場業は、常時300人以上で選任義務が生じる業種です。医療業はこの300人以上の区分ではなく、その他の業種として常時1,000人以上で選任義務が生じます。そのため、常時使用する労働者数が300人の場合に総括安全衛生管理者の選任義務がないのは医療業です。答えは(5)です。

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(1) 通信業

不適切です。通信業は、常時使用する労働者数が300人以上の場合に、総括安全衛生管理者の選任が義務付けられる業種に含まれます。ここでいう総括安全衛生管理者は、労働者数が一定規模以上の事業場で、安全管理者、衛生管理者などを指揮し、安全衛生業務を統括管理する立場です。通信業は、事務作業だけでなく、設備管理、保守、屋外作業なども関係するため、一定規模以上では組織的な安全衛生管理が求められます。したがって、300人の通信業では選任義務があります。

(2) 各種商品小売業

不適切です。各種商品小売業は、常時使用する労働者数が300人以上の場合に、総括安全衛生管理者の選任が必要となる業種です。各種商品小売業とは、百貨店や総合スーパーのように、複数の種類の商品を幅広く扱う小売業を指します。小売業という言葉から危険性が低い業種のように感じるかもしれませんが、大規模な店舗では荷役作業、バックヤード作業、転倒災害、長時間労働、設備管理など、労働衛生上の管理事項が多くなります。そのため、300人規模では総括安全衛生管理者の選任義務があります。

(3) 旅館業

不適切です。旅館業は、常時使用する労働者数が300人以上の場合に、総括安全衛生管理者の選任が義務付けられる業種です。旅館業では、宿泊対応、清掃、調理、設備管理、深夜業など、多様な作業が同じ事業場内で行われます。特に大規模な旅館やホテルでは、労働者数も多く、業務内容も複雑になるため、安全衛生管理を統括する責任者が必要になります。したがって、300人の旅館業では選任義務があります。

(4) ゴルフ場業

不適切です。ゴルフ場業も、常時使用する労働者数が300人以上の場合に、総括安全衛生管理者の選任が必要な業種です。ゴルフ場では、接客業務だけでなく、芝生管理、農薬や機械の使用、屋外作業、車両や設備の管理などが行われます。日常的なイメージではレジャー施設に見えますが、労働安全衛生の観点では危険や健康障害につながる作業も含まれます。そのため、300人規模の事業場では総括安全衛生管理者の選任義務があります。

(5) 医療業

適切です。医療業は、常時使用する労働者数が300人以上で総括安全衛生管理者の選任が義務付けられる業種には含まれません。医療業は、総括安全衛生管理者の選任基準では、原則としてその他の業種に該当し、常時使用する労働者数が1,000人以上の場合に選任義務が生じます。病院などは感染症対策、夜勤、化学物質、放射線、腰痛など安全衛生上の重要課題が多い職場ですが、この問題で問われているのは危険性の有無ではなく、法令上の選任基準です。常時使用する労働者数が300人の医療業では、総括安全衛生管理者の選任義務はありません。

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この問題で覚えるポイント

総括安全衛生管理者の選任義務は、業種と常時使用する労働者数で判断します。林業、鉱業、建設業、運送業、清掃業は常時100人以上で選任義務が生じます。製造業、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、各種商品卸売業、各種商品小売業、家具・建具・じゅう器等卸売業、家具・建具・じゅう器小売業、燃料小売業、旅館業、ゴルフ場業、自動車整備業、機械修理業は常時300人以上で選任義務が生じます。その他の業種は常時1,000人以上で選任義務が生じます。医療業は重要な安全衛生管理が必要な業種ですが、総括安全衛生管理者の選任基準では300人以上の業種には含まれず、その他の業種として1,000人以上が基準になります。試験では、業種の危険そうなイメージではなく、100人、300人、1,000人のどの区分に入るかで判断することが大切です。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、医療業は安全衛生上のリスクが高そうだから300人で選任義務があるはずだ、と考えてしまう点です。病院では感染症、夜勤、放射線、腰痛、化学物質などのリスクがあるため、感覚的には厳しい基準がありそうに見えます。しかし、総括安全衛生管理者の選任基準では、医療業は300人以上の業種一覧には含まれていません。また、通信業、各種商品小売業、旅館業、ゴルフ場業は、日常感覚ではそれほど危険業種に見えないものもありますが、法令上は300人以上で選任義務がある業種です。このテーマでは、業種の印象で判断せず、法令上の分類をそのまま覚えることが正答につながります。

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