【ビル管過去問】令和7年度 問題146|清掃作業管理を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和7年度(2025年)|清掃第146問

問題

作業改善を進める上で有効な改善手法のーつである問題解決の手順(QCストーリー)について、最も不適当なものは次のうちどれか。

(1) 現状の把握

(2) 目標の設定

(3) 活動計画の作成

(4) 要因の解析

(5) 仕様変更の要望

ビル管過去問|清掃作業管理を解説

この問題は、清掃作業管理における作業改善の進め方、特に問題解決の手順であるQCストーリーについて問う問題です。QCストーリーでは、現状を把握し、目標を設定し、活動計画を作成し、要因を解析して対策を立て、効果を確認し、標準化する流れが基本です。正しい選択肢は(5)です。仕様変更の要望は、改善活動の中で必要に応じて行われることはありますが、QCストーリーの基本的な手順そのものではないため、不適当です。

下に移動する

【ビル管過去問】令和7年度 問題146|清掃作業管理を解説する画像

下に移動する

(1) 現状の把握

適切です。現状の把握は、問題解決を始めるうえで最初に重要となる手順です。清掃作業でいえば、どの場所で汚れが残りやすいのか、作業時間がどこで不足しているのか、苦情がどの時間帯や区域に集中しているのかなどを確認します。現状を正しく把握しないまま改善を始めると、思い込みによる対策になってしまい、根本的な解決につながりません。そのため、QCストーリーでは、まず事実やデータに基づいて現状をつかむことが大切です。

(2) 目標の設定

適切です。目標の設定は、改善活動の方向性を明確にするために必要です。たとえば、清掃後の汚れ残り件数を減らす、作業時間内の完了率を高める、インスペクションでの指摘件数を減らすなど、改善後にどの状態を目指すのかを定めます。目標がないと、改善できたかどうかを判断できません。できるだけ数値や期限を含めて設定することで、活動の成果を客観的に評価しやすくなります。

(3) 活動計画の作成

適切です。活動計画の作成は、改善活動を具体的に進めるために必要な手順です。誰が、いつ、何を、どのように行うのかを明確にすることで、改善活動が場当たり的になることを防ぎます。清掃現場では、作業手順の見直し、担当区域の調整、教育訓練の実施、点検方法の変更などを計画に落とし込むことが考えられます。計画を立てることで、関係者が同じ目的を共有し、継続的に改善を進めやすくなります。

(4) 要因の解析

適切です。要因の解析は、問題が発生している原因を明らかにするための重要な手順です。たとえば、床の汚れが残る原因が、作業時間の不足なのか、洗剤の選定ミスなのか、清掃用具の劣化なのか、作業手順の理解不足なのかを分析します。表面的な現象だけを見て対策を行うと、同じ問題が繰り返されることがあります。QCストーリーでは、原因を掘り下げてから対策を考えることが重視されます。

(5) 仕様変更の要望

不適切です。仕様変更の要望は、QCストーリーにおける基本的な問題解決の手順そのものではありません。仕様とは、清掃範囲、作業頻度、作業内容、使用資機材などを定めた契約上または管理上の条件を指すことがあります。もちろん、現場の実態に対して仕様が不十分であれば、改善提案として仕様変更を検討する場合はあります。しかし、QCストーリーの基本は、現状把握、目標設定、活動計画、要因解析、対策、効果確認、標準化といった流れで問題を解決することです。したがって、仕様変更の要望を基本手順とするのは不適当です。

下に移動する

この問題で覚えるポイント

QCストーリーは、問題を感覚や経験だけで処理するのではなく、手順に沿って合理的に解決するための改善手法です。基本的な流れは、テーマの選定、現状の把握、目標の設定、活動計画の作成、要因の解析、対策の立案と実施、効果の確認、標準化と管理の定着です。清掃管理では、作業品質のばらつき、汚れ残り、作業時間の不足、苦情の発生、資機材の使い方の不統一などが改善対象になります。重要なのは、まず現場の事実を把握し、原因を分析してから対策を行うことです。単に人員を増やす、仕様を変える、作業者に注意するという対応だけでは、根本原因の解決にならない場合があります。試験では、QCストーリーの正規の手順に含まれるものと、改善活動の結果として出てくる可能性はあるが手順そのものではないものを区別することが大切です。

下に移動する

ひっかけポイント

この問題のひっかけは、「仕様変更の要望」も現場改善ではあり得る行動に見える点です。清掃現場では、作業量に対して仕様が合っていない、作業頻度が不足している、契約内容と実態がずれているといった場面があるため、仕様変更を要望すること自体は不自然ではありません。しかし、QCストーリーで問われているのは、問題解決の標準的な手順です。つまり、現場で起こり得る行動かどうかではなく、QCストーリーの流れに含まれるかどうかで判断する必要があります。「実務上あり得ること」と「改善手法の正式な手順」は別物です。この区別を意識すると、同じように一部だけ正しそうに見える選択肢にも対応しやすくなります。

短期間で合格を目指したい方はこちら

図解・動画中心で学びたい方向け。

次の問題へ