問題
ゴキブリの生態に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
(1) ゴキブリの食性は、発育段階によって変化する。
(2) ゴキブリが集合するのは、気門から分泌される集合フェロモンの作用のためである。
(3) 日本に生息するゴキブリの種類の多くは、屋内で生活している。
(4) ゴキブリは食べ物に対する好みがあり、特定のものだけを食べる。
(5) ゴキブリには一定条件の潜み場所があり、日中はほとんどその場所に潜伏している。
ビル管過去問|ゴキブリの生態を解説
この問題は、ゴキブリの基本的な生態について正しく理解しているかを問う問題です。ポイントは、ゴキブリが雑食性であること、集合の仕組み、屋内性・屋外性の違い、そして日中の潜伏行動を整理して覚えているかどうかです。正しい選択肢は(5)です。ゴキブリは暗く狭く、温かく、湿度があり、外敵から身を守りやすい場所を好み、日中はそのような潜伏場所に隠れていることが多いです。屋内で見かけるのは主に夜間であり、昼間に出てくる場合は生息密度が高いなどの異常が疑われます。
(1) ゴキブリの食性は、発育段階によって変化する。
不適切です。ゴキブリは幼虫でも成虫でも基本的に雑食性です。人の食べ残し、でんぷん質、油脂、動植物質の有機物など、幅広いものを食べます。発育段階によって食性が大きく切り替わる虫ではなく、幼虫と成虫で基本的な食性の方向は共通しています。したがって、「発育段階によって食性が変化する」という表現は、ゴキブリの特徴としては適当ではありません。
(2) ゴキブリが集合するのは、気門から分泌される集合フェロモンの作用のためである。
不適切です。ゴキブリには集合性があり、仲間のいる場所やすでに使われた潜伏場所に集まりやすい性質がありますが、その説明として「気門から分泌される」とするのは誤りです。研究では、チャバネゴキブリの集合フェロモンは、ふんで汚染された潜伏場所や体表由来の成分が関与するとされています。つまり、集合行動の存在自体は正しいものの、分泌部位を気門とする点が誤っています。試験では、このように一部だけ正しそうに見せて核心部分を誤らせる選択肢がよく出ます。
(3) 日本に生息するゴキブリの種類の多くは、屋内で生活している。
不適切です。日本に生息するゴキブリのうち、人の住居や建物内で問題になる種類は一部です。実際には、日本のゴキブリの多くは屋外性であり、林地や草地など野外で生活しています。衛生害虫として重要なのはチャバネゴキブリ、クロゴキブリ、ワモンゴキブリなどの屋内性または屋内に侵入しやすい種類ですが、それが日本のゴキブリ全体の多数派というわけではありません。
(4) ゴキブリは食べ物に対する好みがあり、特定のものだけを食べる。
不適切です。ゴキブリには好みの傾向はありますが、基本は雑食性で、特定のものだけを食べるわけではありません。食品だけでなく、汚れ、紙類、油分を含む付着物なども利用します。だからこそ、厨房、給湯室、食品庫だけでなく、さまざまな場所で生存でき、防除が難しくなります。「好き嫌いがある」ことと、「特定のものしか食べない」ことは別であり、この選択肢は言い過ぎです。
(5) ゴキブリには一定条件の潜み場所があり、日中はほとんどその場所に潜伏している。
適切です。ゴキブリは夜行性で、日中は暗く、狭く、温かく、湿り気があり、体を接触させやすい隙間などに潜んでいます。こうした潜伏場所は、流し台の下、冷蔵庫や機器の裏、戸棚の隙間、配管まわり、段ボールの隙間などです。夜になると、そこから出てきて餌や水を探して活動します。したがって、ゴキブリ対策では、単に見えた個体を駆除するだけでなく、潜伏場所そのものを把握し、そこに薬剤処理や環境改善を行うことが重要です。
この問題で覚えるポイント
ゴキブリは幼虫・成虫ともに基本は雑食性です。
集合行動はありますが、気門から分泌される集合フェロモンという理解は誤りです。
日本のゴキブリの多くは屋外性で、屋内で問題になる種類は一部です。
ゴキブリは夜行性で、日中は暗く狭い潜伏場所に隠れます。
防除では、徘徊場所よりも潜伏場所を把握することが重要です。
ひっかけポイント
「集合する」という現象自体は正しいため、分泌部位の誤りを見落としやすいです。
「食べ物の好みがある」と「特定のものしか食べない」を混同しやすいです。
家庭で見かける印象が強いため、日本のゴキブリの多くが屋内性だと思い込みやすいです。
「最も適当なもの」を問う問題では、完全に正しい選択肢を選ぶ必要があります。部分的に正しいだけの選択肢は誤りとして扱うのが基本です。
