出典:建築物衛生管理技術者試験令和7年度(2025年)|給水および排水の管理第129問
問題
雨水排水設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1) 雨水ますの底部には、150mm以上の泥だめを設ける。
(2) 雨水ますの流出管は、流入管よりも管底を20mm以上下げて設ける。
(3) 雨水排水管と合流式の敷地排水管を接続する場合は、トラップますを設け、ルーフドレンからの悪臭を防止する。
(4) ルーフドレンのストレーナの開口面積は、それに接続する雨水排水管と同じ開口面積とする。
(5) 雨水浸透施設は、透水性舗装、浸透ます、浸透トレンチ等より構成される。
ビル管過去問|雨水排水設備を解説
雨水排水設備は、屋根や敷地に降った雨水を安全に排除し、建物内外への浸水や排水管の閉塞、悪臭の逆流を防ぐための設備です。この問題では、雨水ますの構造、管底差、合流式排水管との接続、ルーフドレンのストレーナ、雨水浸透施設の構成が問われています。不適切な選択肢は(4)です。ルーフドレンのストレーナは、ごみや落葉などの流入を防ぐために設けられるため、雨水排水管と同じ開口面積では不十分であり、一般に接続する雨水排水管の断面積より大きな開口面積が必要です。

(1) 雨水ますの底部には、150mm以上の泥だめを設ける。
適切です。雨水ますには、雨水と一緒に流入する土砂やごみを沈殿させるために、底部に泥だめを設けます。雨水は屋根、敷地、道路面などを流れてくるため、砂や泥、落葉などを含みやすい特徴があります。泥だめがないと、これらがそのまま排水管へ流入し、管の閉塞や排水能力の低下につながります。雨水ますの泥だめは150mm以上とされるため、この記述は適切です。
(2) 雨水ますの流出管は、流入管よりも管底を20mm以上下げて設ける。
適切です。雨水ますでは、流入した雨水を円滑に次の排水管へ流すため、流出管の管底を流入管の管底よりも低く設けます。流出側を20mm以上下げることで、水の流れに段差が生まれ、逆流や滞留を防ぎやすくなります。雨水排水設備では、勾配や管底差を適切に確保することが重要であり、この記述は適切です。
(3) 雨水排水管と合流式の敷地排水管を接続する場合は、トラップますを設け、ルーフドレンからの悪臭を防止する。
適切です。合流式排水管は、雨水と汚水などを同じ系統で排水する方式です。そのため、敷地排水管内には下水臭などの悪臭が発生することがあります。雨水排水管を合流式の敷地排水管に接続すると、悪臭が雨水排水管を通じて屋上のルーフドレンなどから上がってくるおそれがあります。これを防ぐために、トラップますを設けて臭気の逆流を防止します。したがって、この記述は適切です。
(4) ルーフドレンのストレーナの開口面積は、それに接続する雨水排水管と同じ開口面積とする。
不適切です。ルーフドレンのストレーナは、屋上の雨水を排水管へ導くと同時に、落葉、ごみ、砂利などが排水管に入るのを防ぐ役割があります。ただし、ストレーナはごみが付着したり、部分的にふさがれたりする可能性があります。そのため、接続する雨水排水管と同じ開口面積では、十分な排水能力を確保できないおそれがあります。一般に、ストレーナの有効開口面積は、接続する雨水排水管の断面積よりも大きくする必要があります。したがって、「同じ開口面積とする」という記述が不適切です。
(5) 雨水浸透施設は、透水性舗装、浸透ます、浸透トレンチ等より構成される。
適切です。雨水浸透施設は、雨水をそのまま排水管で流すだけでなく、地中へ浸透させることで、下水道や河川への流出量を抑えるための施設です。代表的なものには、雨水を地中にしみ込ませやすい透水性舗装、雨水を集めて地中へ浸透させる浸透ます、管状または溝状の構造で雨水を浸透させる浸透トレンチなどがあります。都市部では雨水が一気に流出しやすいため、浸透施設は雨水流出抑制の観点から重要です。この記述は適切です。
この問題で覚えるポイント
雨水排水設備では、雨水を速やかに排除することと、土砂やごみによる閉塞を防ぐことが重要です。雨水ますの底部には150mm以上の泥だめを設け、流出管は流入管よりも管底を20mm以上下げます。これは、土砂を沈殿させつつ、雨水を円滑に流すための基本構造です。合流式の敷地排水管に雨水排水管を接続する場合は、下水臭がルーフドレンなどから上がるおそれがあるため、トラップますによる臭気逆流防止が必要です。ルーフドレンのストレーナは、排水管への異物流入を防ぐ部材ですが、ごみで一部がふさがれる可能性があるため、接続する雨水排水管と同じ開口面積ではなく、十分に大きな有効開口面積を確保する必要があります。雨水浸透施設には、透水性舗装、浸透ます、浸透トレンチなどがあり、雨水の流出抑制や地下浸透を目的とします。
ひっかけポイント
この問題のひっかけは、「同じ開口面積」という一見もっともらしい表現です。排水管とストレーナの開口面積が同じなら水が流れそうに感じますが、実際にはストレーナには落葉やごみが引っかかるため、開口部の一部がふさがれることを前提に考える必要があります。日常感覚では「管と同じ大きさで十分」と判断しがちですが、設備設計では閉塞の可能性を見込んで余裕を持たせます。また、雨水ますの150mm以上、管底差20mm以上といった数値はそのまま問われやすいため、数字の微妙な違いにも注意が必要です。雨水排水設備では、雨水を流す能力だけでなく、土砂の沈殿、臭気の逆流防止、異物による閉塞防止まで含めて判断することが重要です。
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