出典:建築物衛生管理技術者試験令和7年度(2025年)|給水および排水の管理第126問
問題
雑用水処理設備において、色度の除去に適用される単位装置として、最も適当なものは次のうちどれか。
(1) 沈砂槽
(2) 生物処理槽
(3) 膜分離装置
(4) ろ過装置
(5) 活性炭処理装置
ビル管過去問|排水設備を解説
この問題は、雑用水処理設備において、水の「色」を取り除くために適した単位装置を問う問題です。正しい選択肢は(5)活性炭処理装置です。色度は、水に溶け込んだ有機物などによって生じることが多く、沈殿や砂の除去だけでは十分に取り除けません。活性炭は微細な孔に有機物などを吸着する性質があり、色度や臭気の除去に適しています。

(1) 沈砂槽
不適切です。沈砂槽は、排水中に含まれる砂や小石など、比較的重い無機性の固形物を沈降させて取り除く装置です。色度の原因となる物質は、水中に溶け込んでいたり、非常に細かい成分として存在していたりするため、沈砂槽で沈めて除去することは困難です。沈砂槽は、後段のポンプや配管、処理装置を砂による摩耗や閉塞から守るための前処理設備と考えると理解しやすいです。
(2) 生物処理槽
不適切です。生物処理槽は、微生物の働きによって排水中の有機物を分解する装置です。BODなどの有機汚濁物質の低減には有効ですが、色度の除去を主目的とする装置ではありません。色の原因物質の中には、生物処理で分解されにくいものもあります。そのため、色度の除去という観点では、活性炭処理のような吸着処理の方が適しています。
(3) 膜分離装置
不適切です。膜分離装置は、膜の孔径を利用して水と浮遊物質、細菌、微細な粒子などを分離する装置です。濁度や微生物の除去には有効ですが、色度の原因となる溶解性の有機物などを十分に除去できるとは限りません。膜の種類によって除去できる対象は異なりますが、ビル管試験では、色度の除去には活性炭処理装置が代表的であると押さえることが重要です。
(4) ろ過装置
不適切です。ろ過装置は、砂ろ過などにより水中の浮遊物質や濁りの原因となる粒子を取り除く装置です。濁度の除去には適していますが、色度の原因となる溶解性物質の除去には十分ではありません。見た目の濁りを取る装置と、水に溶け込んだ色の原因物質を取る装置は異なると考えると整理しやすいです。
(5) 活性炭処理装置
適切です。活性炭処理装置は、活性炭の表面にある多数の微細な孔を利用して、水中の有機物、臭気成分、色度の原因物質などを吸着除去する装置です。雑用水処理設備では、再利用する水の見た目や臭気を改善することが求められるため、色度や臭気の除去には活性炭処理が有効です。この問題では、色度の除去に適した単位装置を選ぶため、活性炭処理装置が正解となります。
この問題で覚えるポイント
雑用水処理設備では、処理対象ごとに適した単位装置を区別して覚えることが重要です。砂や小石などの重い固形物は沈砂槽、BODなどの有機汚濁物質は生物処理槽、浮遊物質や濁りはろ過装置や膜分離装置、色度や臭気は活性炭処理装置が代表的です。特に、濁度と色度の違いは試験で問われやすいポイントです。濁度は水中に浮いている細かい粒子による濁りであり、ろ過によって除去しやすい性質があります。一方、色度は水に溶け込んだ成分による色であることが多く、吸着作用を持つ活性炭処理が適しています。雑用水は飲用ではありませんが、散水、清掃、修景、便所洗浄などに使われるため、利用目的に応じて外観や臭気にも配慮する必要があります。
ひっかけポイント
この問題のひっかけは、「水の見た目をきれいにする装置」という広いイメージで、ろ過装置や膜分離装置を選んでしまう点にあります。ろ過や膜分離は、濁りや浮遊物質を取り除く装置としては有効ですが、色度の原因が溶解性物質である場合には十分ではありません。また、生物処理槽は有機物を処理するため、色の原因も分解できそうに見えますが、色度除去の代表的な単位装置ではありません。試験では、「濁度ならろ過」「色度や臭気なら活性炭」という対応関係を押さえておくと、同じテーマの問題でも判断しやすくなります。