問題
給湯設備の保守管理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1) 給湯循環ポンプは、作動確認を兼ねて分解·清掃を実施する。
(2) 自動空気抜き弁は、弁からの水漏れがある場合には分解·清掃を実施する。
(3) 貯湯槽に流電陽極式電気防食を施す場合は、外部電源が必要である。
(4) 逃し弁は、レバーハンドルを操作して作動を確認する。
(5) 配管系統の末端において、定期的に停滞水の排出を行い、温度測定を実施する。
ビル管過去問|給湯設備の保守管理を解説
この問題は、給湯設備の保守管理に関する基本事項を問う問題です。ポンプ、空気抜き弁、電気防食、逃し弁、末端配管の管理など、実務でも重要な点検内容が出題されています。特に注意したいのは、電気防食の種類による違いです。流電陽極式は外部電源を必要としない方式であるため、(3)が最も不適当な選択肢です。ほかの選択肢はいずれも保守管理上、一般的に適切な内容です。
(1) 給湯循環ポンプは、作動確認を兼ねて分解·清掃を実施する。
適切です。その理由は、給湯循環ポンプは給湯を安定して循環させる重要な機器であり、内部に異物やスケールが付着すると性能低下や故障の原因になるためです。分解・清掃を行うことで、羽根車や軸受部の異常、腐食、摩耗の有無を確認でき、あわせて作動状態の点検にもつながります。定期的な保守は、循環不良や温度むらの防止に有効です。
(2) 自動空気抜き弁は、弁からの水漏れがある場合には分解·清掃を実施する。
適切です。その理由は、自動空気抜き弁は配管内にたまった空気を自動的に排出する機器ですが、内部にごみやスケールが付着すると弁座部が密着せず、水漏れを起こすことがあるためです。このような場合は、直ちに分解・清掃を行い、必要に応じて部品交換を行います。空気抜き弁の不具合を放置すると、空気だまりによる循環不良や騒音の原因になります。
(3) 貯湯槽に流電陽極式電気防食を施す場合は、外部電源が必要である。
不適切です。その理由は、流電陽極式電気防食は、亜鉛やマグネシウムなど、鉄よりもイオン化しやすい金属を陽極として取り付け、その金属が先に腐食することで貯湯槽本体の腐食を防ぐ方式だからです。この方式は陽極材自体の電位差を利用するため、外部電源は不要です。外部電源が必要なのは、直流電源を用いる外部電源方式の電気防食です。したがって、この選択肢は防食方式の区別を問うひっかけです。
(4) 逃し弁は、レバーハンドルを操作して作動を確認する。
適切です。その理由は、逃し弁は加熱による圧力上昇から機器や配管を保護する安全装置であり、作動不良があると過圧による事故につながるおそれがあるためです。レバーハンドル付きの逃し弁では、定期的に手動操作を行い、弁が固着していないか、正常に排出・復帰するかを確認します。安全装置は「付いているだけ」で安心せず、実際に作動するかの確認が重要です。
(5) 配管系統の末端において、定期的に停滞水の排出を行い、温度測定を実施する。
適切です。その理由は、配管末端は水が滞留しやすく、温度低下や水質悪化が起こりやすい場所だからです。特に給湯設備では、末端部で湯温が十分に確保されていないと、レジオネラ属菌などの微生物繁殖リスクが高まります。そのため、定期的に停滞水を排出して新しい湯と入れ替え、あわせて温度測定を行うことが衛生管理上重要です。温度管理は、給湯設備の安全性と衛生性の確認に直結します。
この問題で覚えるポイント
電気防食は、流電陽極式と外部電源方式の違いを正確に区別して覚えることが重要です。流電陽極式は外部電源が不要で、犠牲陽極の働きで腐食を防ぎます。外部電源方式は直流電源を用いて防食電流を流す方式です。給湯設備の保守では、ポンプや弁類の点検だけでなく、末端配管の停滞水排出や温度測定など、衛生面の管理も重要です。安全装置である逃し弁は、実際に作動するかを確認することが大切です。
ひっかけポイント
電気防食という言葉だけで「電気を使うのだから外部電源が必要」と考えると誤りやすいです。流電陽極式は外部電源を使わない方式です。また、空気抜き弁や逃し弁は名称だけを覚えていると、具体的な保守内容があいまいになりやすいです。給湯設備の保守管理では、機械的な点検だけでなく、レジオネラ対策を含む衛生管理も問われやすい点に注意が必要です。
