【ビル管過去問】令和7年度 問題117|ポンプ点検項目を解説

問題

次のポンプの点検項目のうち、点検頻度を一般に6か月に1回程度としているものはどれか。

(1) 吐出側の圧力

(2) ポンプと電動機の芯狂い

(3) 振動·騷音

(4) 電流値

(5) 軸受温度

ビル管過去問|ポンプ点検項目を解説

この問題は、ポンプの各点検項目について、どの程度の頻度で確認するのが一般的かを問う問題です。ポンプ設備の点検では、運転中に異常がすぐ表れやすい項目は日常的または比較的短い周期で確認し、機械的なずれや据付状態に関わる項目はやや長い周期で点検するのが基本です。正しい選択肢は(2)ポンプと電動機の芯狂いです。芯狂いは、ポンプと電動機の軸心のずれを確認する項目であり、日常点検というよりも、定期点検として一般に6か月に1回程度行う項目です。

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(1) 吐出側の圧力

不適切です。吐出側の圧力は、ポンプが正常に送水しているかを確認するうえで重要な運転状態の指標です。圧力が低すぎれば能力不足や配管漏れ、逆に高すぎれば弁の閉塞や配管抵抗の増大などが疑われます。そのため、吐出側の圧力は運転状況の変化に直結する項目であり、6か月に1回では少なすぎます。一般には日常点検や巡回点検の中で、比較的高い頻度で確認する項目です。

(2) ポンプと電動機の芯狂い

適切です。ポンプと電動機は軸で連結されて回転しているため、両者の中心がずれていると、異常振動、騒音、軸受の損傷、軸継手の摩耗などの原因になります。ただし、芯狂いは圧力や電流のように毎日大きく変化を確認する項目ではなく、据付状態や長期使用に伴うずれを定期的に確認する性質の点検項目です。そのため、一般には6か月に1回程度の定期点検項目として扱われます。この選択肢が正解です。

(3) 振動·騷音

不適切です。振動や騒音は、ポンプに異常が生じた際に比較的早く現れやすい症状です。たとえば、軸受の摩耗、芯ずれ、キャビテーション、羽根車の不具合などがあると、運転音や振動に変化が出ます。そのため、異常の早期発見のためには、振動・騒音は日常点検や定期巡回でこまめに確認することが重要です。6か月に1回程度では異常発見が遅れるおそれがあります。

(4) 電流値

不適切です。電流値は、電動機にどの程度の負荷がかかっているかを示す大切な項目です。ポンプに過大な負荷がかかっている場合や、異常な運転状態になっている場合には、電流値に変化が現れることがあります。そのため、電流値は運転管理上、比較的頻繁に確認する必要がある項目です。日常点検または月例点検などで確認されることが多く、6か月に1回程度とするのは一般的ではありません。

(5) 軸受温度

不適切です。軸受温度は、潤滑不良、摩耗、芯ずれ、過負荷などの異常を把握するための重要な点検項目です。軸受は回転機器の中でも故障しやすい部分の一つであり、温度上昇はトラブルの前兆になりやすいです。そのため、軸受温度は運転中に比較的高い頻度で確認すべき項目です。6か月に1回程度では、異常の兆候を見逃す可能性があります。

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この問題で覚えるポイント

ポンプの点検項目は、運転中の状態をみるものと、機械の据付や軸の状態をみるものに分けて考えると整理しやすいです。圧力、振動、騒音、電流値、軸受温度は、異常が起きると比較的すぐ変化が出やすいため、日常点検や短い周期の点検に向いています。一方で、芯狂いは機械的なずれを定期的に確認する項目であり、一般に6か月に1回程度の点検対象です。試験では、運転監視項目は高頻度、機械的調整項目は中長期の定期点検と覚えておくと判断しやすくなります。

ひっかけポイント

圧力、電流値、軸受温度は一見すると計器で測る専門的な点検項目に見えるため、半年ごとの点検と誤解しやすいです。しかし、これらはむしろ運転状態を反映しやすく、日常的に確認すべき項目です。振動・騒音も、専門的な測定器を使う精密点検の印象に引っ張られやすいですが、実際には異常の早期発見のために日常点検で重視されます。半年ごとの点検として問われやすいのは、軸のずれや芯出しのような機械的な整合状態である、という点を押さえることが大切です。

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