【ビル管過去問】令和7年度 問題114|建築物の給水方式を解説

出典:建築物衛生管理技術者試験令和7年度(2025年)|給水および排水の管理第114問

問題

建築物の給水方式に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) 直結増圧方式には、増圧ポンプを直列に複数接続する直列多段型がある。

(2) 高置水槽方式は、安定した水圧·水量が得られる。

(3) 直結増圧方式は、引込み管径が制限される。

(4) ポンプ直送方式は、流量又は圧力を検知して、要求水量に応じて送水する。

(5) 高置水槽方式は、他の給水方式に比べて水質汚染の可能性が低い。

 

 

 

ビル管過去問|建築物の給水方式を解説

この問題は、建築物の給水方式である直結増圧方式、高置水槽方式、ポンプ直送方式の特徴を比較する問題です。給水方式は、それぞれ水圧の安定性、貯水槽の有無、衛生管理上のリスク、ポンプ制御の方法が異なります。(5)が不適切です。高置水槽方式は安定給水に優れますが、受水槽や高置水槽に水を貯めるため、直結方式などに比べて水質汚染の可能性が低いとはいえません。

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(1) 直結増圧方式には、増圧ポンプを直列に複数接続する直列多段型がある。

適切です。直結増圧方式は、水道本管から供給された水を受水槽に貯めず、増圧ポンプで加圧して建物内に給水する方式です。建物の高さや必要な圧力に応じて、増圧ポンプを設置して水圧を補います。直列多段型は、ポンプを直列に接続して段階的に圧力を高める考え方であり、高層部まで必要な水圧を確保するために用いられる場合があります。したがって、直結増圧方式に直列多段型があるという記述は正しいです。

(2) 高置水槽方式は、安定した水圧·水量が得られる。

適切です。高置水槽方式は、いったん受水槽に水を貯め、揚水ポンプで屋上などに設置した高置水槽へ送水し、そこから重力を利用して各所へ給水する方式です。水槽に一定量の水を確保しておけるため、使用水量が変動しても比較的安定した水量を供給できます。また、高置水槽の高さによる位置エネルギーを利用するため、一定の水圧を得やすい点も特徴です。断水時にも水槽内の残水を一定時間利用できる場合があり、安定性に優れた方式といえます。

(3) 直結増圧方式は、引込み管径が制限される。

適切です。直結増圧方式は、水道本管から直接水を取り込み、増圧ポンプで加圧して給水する方式です。そのため、水道本管や引込み管に過大な影響を与えないよう、使用できる管径や建物規模、給水量などに制限が設けられることがあります。受水槽方式のようにいったん大量の水を貯留するのではなく、水道本管の供給能力に依存するため、引込み管径の条件は重要です。したがって、直結増圧方式では引込み管径が制限されるという記述は正しいです。

(4) ポンプ直送方式は、流量又は圧力を検知して、要求水量に応じて送水する。

適切です。ポンプ直送方式は、受水槽に貯めた水をポンプによって直接建物内の各給水箇所へ送る方式です。使用水量は時間帯や建物の利用状況によって変化するため、ポンプは流量や圧力を検知しながら、必要な水量に応じて運転します。例えば、使用水量が増えればポンプの運転を増やし、使用水量が少なければ運転を抑えることで、必要な水圧と水量を確保します。したがって、この記述は正しいです。

(5) 高置水槽方式は、他の給水方式に比べて水質汚染の可能性が低い。

不適切です。高置水槽方式は、受水槽や高置水槽に水を貯めてから給水する方式です。貯水槽を使用するため、槽内の清掃不良、ふたの不備、虫や異物の侵入、滞留時間の長期化などにより、水質が悪化する可能性があります。一方、直結直圧方式や直結増圧方式は、受水槽を介さず水道本管から直接給水するため、貯水槽に起因する水質汚染リスクは小さくなります。したがって、高置水槽方式が他の給水方式に比べて水質汚染の可能性が低いという記述は誤りです。

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この問題で覚えるポイント

建築物の給水方式は、直結方式、受水槽方式、高置水槽方式、ポンプ直送方式に大きく整理して理解すると正誤判断がしやすくなります。直結方式は、水道本管から建物へ直接給水する方式で、受水槽を設けないため衛生面で有利です。ただし、水道本管の水圧や供給能力に依存するため、建物の規模、階数、引込み管径などに制限を受けます。 直結増圧方式は、水道本管からの水を増圧ポンプで加圧して給水する方式です。受水槽を設けないため水質汚染リスクを抑えやすい反面、停電時やポンプ故障時の給水停止、水道本管への影響、引込み管径の制限などが重要な注意点です。 高置水槽方式は、受水槽に貯めた水をポンプで高置水槽へ揚水し、重力を利用して給水する方式です。水圧や水量が安定しやすく、断水時にも一定量の水を利用できる場合があります。一方で、受水槽と高置水槽を使用するため、定期的な清掃、点検、水質管理が必要です。水槽を使う方式は、安定性に優れる反面、衛生管理の手間と水質汚染リスクがあると覚えると整理しやすいです。 ポンプ直送方式は、受水槽の水をポンプで直接各給水箇所へ送る方式です。流量や圧力を検知してポンプを制御し、必要な水量に応じて給水します。高置水槽を設けないため屋上荷重を軽減できますが、ポンプの性能や制御、停電時対策が重要になります。

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ひっかけポイント

この問題のひっかけは、高置水槽方式の長所である「安定した給水」と、衛生面の安全性を混同させる点にあります。高置水槽方式は水圧や水量が安定しやすいため、全体的に優れた方式のように見えます。しかし、受水槽や高置水槽に水を貯める以上、貯水槽の管理不良による水質汚染リスクは避けられません。 試験では、「安定している」ことと「水質汚染の可能性が低い」ことを入れ替えて出題されることがあります。安定給水に優れる方式が、必ずしも衛生面で最も有利とは限りません。衛生面では、貯水槽を介さない直結方式の方が有利と判断するのが基本です。 また、「他の給水方式に比べて」という比較表現にも注意が必要です。文章の一部だけを見ると、高置水槽方式にはメリットがあるため正しく見えます。しかし、比較対象が直結方式を含む場合、水質汚染の可能性が低いとはいえません。ビル管試験では、このように一部は正しいが、比較の方向が逆になっている文章がよく出ます。

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