出典:建築物衛生管理技術者試験令和7年度(2025年)|給水および排水の管理第113問
問題
給水設備に用いる弁類の説明として、最も不適当なものは次のうちどれか。
(1) 仕切弁-弁体が管路を垂直に仕切るように開閉する構造である。
(2) バタフライ弁-円筒形の弁本体中心に円板状の弁体を設け、この弁体を回転させることで管路の開閉を行う構造である。
(3) 減圧弁-ダイヤフラムと調節ばねのバランスにより弁体の開度を調整する機構である。
(4) 定水位弁-副弁の開閉と連動して弁体を開閉させて水槽の水位を保持する機構である。
(5) ボール弁-弁本体が球形状で、弁体を弁座に押し付けて管路を塞ぐ構造である。
ビル管過去問|給水設備の弁類を解説
この問題は、給水設備に用いられる代表的な弁の構造と役割を正しく理解しているかを問う問題です。弁類は名称が似ていて混同しやすいですが、仕切弁、バタフライ弁、減圧弁、定水位弁、ボール弁はそれぞれ構造も用途も異なります。正しい選択肢は(5)です。ボール弁は、球状の弁体に穴があいており、その球を回転させて流路を開閉する構造です。「弁体を弁座に押し付けて管路を塞ぐ構造」という説明は、玉形弁などの説明に近く、ボール弁の説明としては不適切です。

(1) 仕切弁-弁体が管路を垂直に仕切るように開閉する構造である。
適切です。仕切弁は、ゲート弁とも呼ばれ、弁体が流れの方向に対して垂直に上下して管路を開閉する構造です。全開時には流体が比較的まっすぐ流れるため、圧力損失が小さいという特徴があります。一方で、流量調整にはあまり適しておらず、基本的には全開または全閉で使用します。給水設備では、管路を遮断する目的で使われることが多い弁です。
(2) バタフライ弁-円筒形の弁本体中心に円板状の弁体を設け、この弁体を回転させることで管路の開閉を行う構造である。
適切です。バタフライ弁は、管路内に設けられた円板状の弁体を回転させて、流路を開閉する構造です。円板が蝶の羽のように見えることから、バタフライ弁と呼ばれます。構造が比較的簡単で、軽量かつ省スペースで設置できるため、大口径の配管にも用いられます。開閉操作がしやすく、給水設備や空調設備などで広く使われます。
(3) 減压弁-ダイヤフラムと調節ばねのバランスにより弁体の開度を調整する機構である。
適切です。減圧弁は、一次側の高い圧力を、二次側で一定の低い圧力に調整するための弁です。ダイヤフラムにかかる水圧と調節ばねの力のバランスによって弁体の開度を変え、二次側圧力を安定させます。高層建築物などでは、下階で水圧が高くなりすぎることがあるため、給水圧力を適切に保つ目的で減圧弁が使用されます。
(4) 定水位弁-副弁の開閉と連動して弁体を開閉させて水槽の水位を保持する機構である。
適切です。定水位弁は、受水槽や高置水槽などの水位を一定範囲に保つために用いられる弁です。副弁やボールタップなどの作動に連動して主弁を開閉し、水槽内の水位を調整します。水位が下がると給水し、所定の水位に達すると給水を止める仕組みです。水槽のあふれや水不足を防ぐうえで重要な弁です。
(5) ボール弁-弁本体が球形状で、弁体を弁座に押し付けて管路を塞ぐ構造である。
不適切です。ボール弁は、弁本体ではなく、内部の弁体が球状になっている弁です。この球状の弁体には貫通した穴があり、弁体を90度回転させることで、穴の向きと管路の向きを合わせて開き、直角にして閉じます。つまり、ボール弁は球状の弁体を回転させて開閉する構造です。「弁体を弁座に押し付けて管路を塞ぐ」という説明は、流れを押さえ込むタイプの弁の説明に近く、ボール弁の説明としては正しくありません。
この問題で覚えるポイント
給水設備の弁類では、名称と構造をセットで覚えることが重要です。仕切弁は、弁体が流れに対して垂直に上下して管路を仕切る弁で、全開または全閉での使用に向いています。バタフライ弁は、円板状の弁体を回転させて開閉する弁で、省スペースで大口径配管にも使いやすい特徴があります。減圧弁は、ダイヤフラムと調節ばねによって二次側圧力を一定に保つ弁です。定水位弁は、水槽の水位を一定に保つため、副弁などと連動して主弁を開閉する弁です。ボール弁は、球状の弁体を回転させて開閉する弁であり、球形なのは弁本体ではなく弁体です。特に、ボール弁と玉形弁は混同しやすいため注意が必要です。玉形弁は弁体を弁座に押し付けて流れを止める構造で、流量調整に使われることがあります。一方、ボール弁は球状弁体の穴の向きで流路を開閉する構造です。
ひっかけポイント
この問題のひっかけは、「ボール弁」という名称から、弁本体全体が球形であるように思わせている点です。実際に球状なのは内部の弁体であり、その球を回転させて開閉します。また、「弁体を弁座に押し付ける」という表現は一見もっともらしく見えますが、これはボール弁の中心的な説明ではありません。弁類の問題では、名称の印象だけで判断すると誤りやすくなります。特に、仕切弁、玉形弁、ボール弁、バタフライ弁は、どの部品がどの方向に動くのかをイメージして覚えることが大切です。構造を図のように頭の中で描けるようにしておくと、似た表現の選択肢にも対応しやすくなります。
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