出典:建築物衛生管理技術者試験令和7年度(2025年)|給水および排水の管理第112問
問題
給水設備に関する配管材料とその接合方法との組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。
(1) 水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管-ねじ接合(管端防食継手の場合)
(2) 硬質ポリ塩化ビニル管-接着接合
(3) ステンレス鋼管-溶接接合
(4) 架橋ポリエチレン管-接着接合
(5) 銅管-差込みろう接合
ビル管過去問|給水設備を解説
給水設備の配管材料は、材質によって適した接合方法が異なります。この問題では、金属管、塩化ビニル管、樹脂管、銅管などの代表的な接合方法を正しく区別できるかが問われています。正しい選択肢は(4)です。架橋ポリエチレン管は、一般に接着剤で接合する管ではなく、メカニカル継手や差込み式継手などを用いるため、「接着接合」とする組合せは不適切です。

(1) 水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管-ねじ接合(管端防食継手の場合)
適切です。水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管は、鋼管の内面に硬質塩化ビニルをライニングした配管材料です。鋼管としての強度を持ちながら、内面の腐食を防ぐ目的で使用されます。接合にはねじ接合が用いられますが、管端部は切断やねじ加工によって鋼材が露出しやすく、そこから腐食が進むおそれがあります。そのため、給水用では管端防食継手を使用し、管端部の腐食を防ぐことが重要です。
(2) 硬質ポリ塩化ビニル管-接着接合
適切です。硬質ポリ塩化ビニル管は、いわゆる塩ビ管で、軽量で耐食性に優れた配管材料です。接合には、専用の接着剤を用いる接着接合が一般的です。接着剤によって管と継手の表面を溶かし、固着させることで一体化に近い状態にします。ただし、施工時には管の差込み不足、接着剤の塗布不足、乾燥時間不足などが漏水の原因となるため、正しい施工が必要です。
(3) ステンレス鋼管-溶接接合
適切です。ステンレス鋼管は、耐食性に優れた金属管で、給水設備にも使用されます。接合方法には、溶接接合、ねじ接合、メカニカル接合、プレス式接合などがあります。溶接接合は、管同士を加熱して一体化させる方法であり、ステンレス鋼管に用いられる接合方法の一つです。ただし、実際の給水設備では施工性や品質管理の面から、メカニカル接合やプレス式接合が使われる場合もあります。
(4) 架橋ポリエチレン管-接着接合
不適切です。架橋ポリエチレン管は、ポリエチレン分子を架橋させて耐熱性や耐圧性を高めた樹脂管です。給水・給湯配管に用いられ、柔軟性があり、さや管ヘッダー方式などでも使用されます。しかし、架橋ポリエチレン管は硬質ポリ塩化ビニル管のように接着剤で溶着させる管ではありません。一般には、専用の継手を用いたメカニカル接合、差込み式接合、圧縮接合などで接続します。したがって、「架橋ポリエチレン管-接着接合」という組合せは不適切です。
(5) 銅管-差込みろう接合
適切です。銅管は、耐食性や加工性に優れ、給水・給湯配管に用いられることがあります。銅管の接合方法には、継手に管を差し込んで、すき間にろう材を流し込む差込みろう接合があります。ろう接合では、ろう材を加熱して溶かし、毛細管現象によって管と継手のすき間に浸透させて接合します。銅管の代表的な接合方法として押さえておきたい内容です。
この問題で覚えるポイント
給水設備の配管材料は、材質ごとに代表的な接合方法をセットで覚えることが重要です。硬質ポリ塩化ビニル管は接着接合、水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管は管端防食継手を用いたねじ接合、ステンレス鋼管は溶接接合やメカニカル接合、銅管は差込みろう接合が代表例です。一方、架橋ポリエチレン管やポリブテン管のような樹脂管は、接着剤で接合するのではなく、専用継手による機械的な接合が基本です。試験では、「樹脂管だから接着接合」と単純に判断せず、塩ビ管系とポリエチレン系の違いを区別することが正答につながります。
ひっかけポイント
この問題のひっかけは、「樹脂管は接着できそう」という日常的な感覚にあります。硬質ポリ塩化ビニル管は接着接合を行うため、同じ樹脂系の架橋ポリエチレン管も接着接合だと考えてしまいやすいです。しかし、配管材料では材質が樹脂であることよりも、その材料に適した接合原理が重要です。硬質ポリ塩化ビニル管は接着剤によって接合しますが、架橋ポリエチレン管は専用継手で機械的に接合します。「塩ビ管は接着、架橋ポリエチレン管は専用継手」と整理しておくと、同じパターンの問題にも対応しやすくなります。