出典:建築物衛生管理技術者試験令和7年度(2025年)|給水および排水の管理第106問
問題
給水及び排水の管理に関する用語と単位の組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。
(1) 濁度-度
(2) 腐食速度-mm/年
(3) 陰イオン界面活性剤-mg/L
(4) BOD容積負荷-g/(m3·人)
(5) 精密ろ過膜の有効径-um
ビル管過去問|給水排水管理を解説
この問題は、給水及び排水の管理で用いられる代表的な用語と単位の組合せを問う問題です。濁度、腐食速度、陰イオン界面活性剤、BOD容積負荷、精密ろ過膜の有効径はいずれも水質管理や排水処理で重要な項目です。正しい選択肢は(4)です。BOD容積負荷は、処理槽などの単位容積あたりに、1日でどれだけのBOD負荷がかかるかを表す指標であり、単位は一般にkg/(m3・日)やg/(m3・日)で表します。g/(m3・人)ではありません。

(1) 濁度-度
適切です。濁度は、水の濁りの程度を表す指標で、単位は「度」で表されます。水中に土砂、粘土、有機物、微生物などの微細な粒子が含まれていると、光が散乱して水が濁って見えます。給水管理では、水が清澄であるかどうかを確認するために重要な項目です。飲料水の管理では、見た目の清潔さだけでなく、ろ過や消毒が適切に行われているかを判断する手がかりにもなります。
(2) 腐食速度-mm/年
適切です。腐食速度は、金属配管などが腐食によってどの程度の速さで減肉していくかを表す指標です。単位は一般にmm/年で表します。たとえば、配管の肉厚が1年間に何mm失われるかを示すことで、配管の劣化の進行度を把握できます。給水設備では、赤水、漏水、配管破損などを防ぐために、腐食の進行を管理することが重要です。
(3) 陰イオン界面活性剤-mg/L
適切です。陰イオン界面活性剤は、洗剤などに含まれる成分で、水質汚濁の指標の一つとして扱われます。水中にどれだけ含まれているかを濃度で表すため、単位はmg/Lが用いられます。mg/Lは、1Lの水の中に何mgの物質が含まれているかを示す単位です。排水中に洗剤成分が多く含まれると、泡立ちや水質悪化の原因となるため、排水管理で重要になります。
(4) BOD容積負荷-g/(m3·人)
不適切です。BOD容積負荷は、排水処理槽などの単位容積あたりに、1日でどれだけのBODが流入するかを表す指標です。そのため、単位は一般にkg/(m3・日)やg/(m3・日)で表されます。BODは有機物による汚れの程度を示し、処理設備にかかる負担を判断するために使われます。選択肢のg/(m3・人)は、単位容積あたりに「人」を組み合わせており、時間あたりの負荷を表していません。BOD容積負荷では「処理槽の容積」と「1日あたりのBOD量」がポイントになるため、この組合せは不適切です。
(5) 精密ろ過膜の有効径-um
適切です。精密ろ過膜は、水中の微粒子や細菌などを膜で分離するために用いられるろ過膜です。有効径は、膜の孔の大きさを表す指標で、一般にμmで表されます。選択肢ではumと表記されていますが、これはμmをアルファベットで表したものと考えられます。μmはマイクロメートルのことで、1mmの1000分の1にあたります。精密ろ過膜では、目に見えない微細な粒子を対象とするため、mmではなくμmの単位が使われます。
この問題で覚えるポイント
給水及び排水の管理では、用語そのものだけでなく、何を基準に測っているかを意識すると単位を判断しやすくなります。濁度は水の濁りの程度を示すため「度」、腐食速度は金属の減肉の速さを示すため「mm/年」、陰イオン界面活性剤は水中の濃度を示すため「mg/L」、精密ろ過膜の有効径は膜の孔の大きさを示すため「μm」で表します。BOD容積負荷は、処理槽の単位容積あたりに1日で流入するBOD量を示すため、kg/(m3・日)またはg/(m3・日)のように、容積と時間を含む単位になります。BODに関する負荷には、容積負荷、汚泥負荷、人口当たり負荷など似た表現があるため、「何あたりの負荷か」を確認することが重要です。容積負荷なら処理槽の容積、汚泥負荷なら汚泥量、人口当たりなら人数が基準になります。
ひっかけポイント
この問題のひっかけは、BODという見慣れた用語に、もっともらしい単位を組み合わせている点です。g、m3、人という単位は排水処理の分野でそれぞれ使われるため、一見すると正しそうに見えます。しかし、BOD容積負荷で必要なのは「単位容積あたり、単位時間あたりのBOD量」です。つまり、「人」ではなく「日」が入るべきです。単位の問題では、単語の雰囲気で判断せず、その指標が何を分母にしているのかを確認することが大切です。容積負荷、面積負荷、汚泥負荷、人口当量のように、似た言葉が並ぶ分野では、名称の中にある「容積」「面積」「汚泥」「人口」がそのまま単位の分母に関係します。単位が一部だけ合っていても、基準がずれていれば誤りになるというパターンに注意してください。