問題
加湿装置の方式に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1) 気化方式は、吹出し空気の温度が降下する。
(2) 気化方式は、結露する可能性が低い。
(3) 水噴霧方式は、給水中の不純物を放出しない。
(4) 水噴霧方式は、吹出し空気の温度が降下する。
(5) 蒸気方式は、吹出し空気の温度が降下しない。
ビル管過去問|加湿装置の種類と特徴(気化・水噴霧・蒸気方式)を解説
この問題は、加湿装置の代表的な方式である気化方式、水噴霧方式、蒸気方式の特徴を正しく理解しているかを問う問題です。ポイントは、加湿のしかたによって空気温度が下がるかどうか、不純物が空気中に出やすいかどうか、結露しやすいかどうかが異なる点です。正しい選択肢および理由としては、最も不適当なのは(3)です。水噴霧方式は、水を細かい粒にして空気中へ放出するため、給水中の不純物が空気側へ持ち出されるおそれがあります。そのため、「不純物を放出しない」という記述は誤りです。
(1) 気化方式は、吹出し空気の温度が降下する。
適切です。気化方式は、水を蒸発させることで空気に水分を与える方式です。水が蒸発するには熱が必要で、その熱を周囲の空気から奪います。これを気化熱といいます。そのため、空気は加湿される一方で温度が少し下がります。たとえば、ぬれたタオルに風を当てるとひんやり感じるのと同じ原理です。したがって、気化方式では吹出し空気の温度が降下するという説明は正しいです。
(2) 気化方式は、結露する可能性が低い。
適切です。気化方式は、水をゆるやかに蒸発させて加湿するため、蒸気方式や一部の噴霧方式に比べて局所的に高湿度になりにくい特徴があります。つまり、空気中に急激に水分を加えるのではなく、比較的自然な形で湿度を上げるので、ダクトや吹出口付近で過飽和になりにくく、結露の危険性が比較的小さいです。ただし、条件によって絶対に結露しないわけではありませんが、一般論として「結露する可能性が低い」という説明は適切です。
(3) 水噴霧方式は、給水中の不純物を放出しない。
不適切です。水噴霧方式は、水をノズルなどで細かい粒にして空気中へ噴霧し、その水分で加湿する方式です。このとき、水の中に溶けているミネラル分や微細な不純物、管理状態によっては微生物などが空気中へ持ち出される可能性があります。つまり、水だけがきれいに蒸発するのではなく、水滴そのものが空気中へ入るため、給水中の成分も一緒に放出されるおそれがあるのです。この点が、蒸気方式などとの大きな違いです。したがって、「給水中の不純物を放出しない」という記述は誤りであり、この問題の最も不適当な選択肢です。
(4) 水噴霧方式は、吹出し空気の温度が降下する。
適切です。水噴霧方式では、噴霧された水滴が蒸発するときに周囲の空気から熱を奪います。そのため、気化方式と同様に、吹出し空気の温度は低下する傾向があります。特に、水が蒸発する過程で気化熱が必要になるため、空気が冷やされるのです。したがって、水噴霧方式で吹出し空気の温度が降下するという説明は正しいです。
(5) 蒸気方式は、吹出し空気の温度が降下しない。
適切です。蒸気方式は、すでに蒸気となった水分を空気中へ供給する方式です。気化方式や水噴霧方式のように、空気中で新たに蒸発のための熱を奪う必要がありません。むしろ蒸気は熱を持っているため、空気温度が下がりにくく、場合によってはわずかに上がることもあります。そのため、「吹出し空気の温度が降下しない」という説明は適切です。
この問題で覚えるポイント
加湿方式は、空気中で水を蒸発させる方式か、蒸気そのものを供給する方式かで性質が大きく変わります。気化方式と水噴霧方式は、蒸発のために空気から熱を奪うので吹出し空気の温度が下がります。蒸気方式は蒸気をそのまま供給するため、温度が下がりにくいです。気化方式は比較的おだやかに加湿するため、結露の危険性が低めです。水噴霧方式は、水滴を直接空気中へ出すので、不純物や微生物管理に注意が必要です。
ひっかけポイント
水噴霧方式を、蒸気方式と同じように考えてしまうと間違えやすいです。蒸気方式は基本的に不純物を空気中へ持ち出しにくいですが、水噴霧方式は水滴ごと放出するため、その中の不純物も問題になります。また、「加湿=温度が上がる」と感覚的に思ってしまうと誤りやすいですが、気化方式と水噴霧方式では気化熱の影響で温度は下がります。結露のしやすさも方式ごとに異なるので、方式別の特徴をセットで整理して覚えることが大切です。
